eぶらあぼ 2016.4月号
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253記者会見から 左より舩木 城、新垣 隆、林 英哲、久保綋一 Photo:J.Otsuka/Tokyo MDE5/27(金)19:00、5/29(日)13:00 17:00 北とぴあ問 NBAバレエ団04-2937-4931 http://www.nbaballet.orgNBAバレエ団『死と乙女』異色のコラボで描く“エロスと救済”の世界文:渡辺真弓 NBAバレエ団は、2012年に久保綋一が芸術監督に就任して以来、『ドラキュラ』や『HIBARI』など幅広い客層に向けて目新しい作品を次々に上演、独自の路線を突き進んできた。その勢いは止まることを知らず、来る5月には、気鋭の日本人スタッフによる新作バレエ『死と乙女』を初演する。世紀末ウィーンの画家エゴン・シーレの同名の名画をモティーフに、太鼓とピアノの生演奏による20分程度の作品。久保監督の下に、和太鼓奏者の林英哲、作曲家でピアニストの新垣隆、振付家の舩木城という異色の顔ぶれが集まり、究極のセッションが展開される。本公演の記者会見が行われ、それぞれが意気込みを語った。 企画を立ち上げた久保は「昨年創立20周年を迎えたバレエ団にとって、この作品は新しい幕開けにふさわしいものになると信じています。オール・ジャパン・メイドで日本から世界に発信できる作品をと切望していた折に、林さんや新垣さんと出会うチャンスがあり共演を快諾していただけました」 和太鼓の魅力を世界に広めた林は、実は舞踊とも縁が深い。 「NBAバレエ団と共演するのは初めてですが、舞踊とはこれまでもコラボレーションをしてきました。バレエも一通り習い、日舞は花柳流の名取りでもあるので、別の世界と共演するという感覚はなく、楽しみにお引き受けしました」 林の推薦で作曲を担当することになった新垣は、今や多方面で大活躍。 「バレエ音楽の作曲は初めてですが、小さい頃からバレエには興味があったので、願ってもない機会です。曲はまだ準備段階。ストラヴィンスキーを意識し、林英哲×山下洋輔のコラボレーションをモデルに、太鼓とピアノの共演の多様性を表出してみたい」と意欲を燃やす。 そして振付を担当する舩木城は、久保が全幅の信頼を置く“戦友”とも言える旧知の間柄。 「僕は構想を練るとき音楽を聴くことからスタートするので、完成形を見ないうちはどうなるか分からないけれど、きっとステキな作品ができそう。ストーリー性はないが自然に物語が立ち上がるような、明るくはないがどこかに救済を感じさせる作品にしたい」と期待に胸を膨らませている。 公演は、Act1が林と「英哲風雲の会」の和太鼓演奏、Act2がライラ・ヨーク振付でNBAバレエ団のメンバーがバレエ版アイリッシュ・ダンス『ケルツ』を再演、Act3が『死と乙女』という3部構成。エネルギッシュなスピリッツが炸裂しそうだ。4/29(金・祝)11:00 15:00 テアトロ・ジーリオ・ショウワ問 スターダンサーズ・バレエ団03-3401-2293 http://www.sdballet.comスターダンサーズ・バレエ団『白鳥の湖』&『迷子の青虫さん(新作初演)』愉快な虫たちの世界がバレエに!文:高橋森彦鈴木 稔すぎやまこういち すぎやまこういち(音楽)×鈴木稔(演出・振付)によるバレエ『ドラゴン・クエスト』(1995年初演)は、人気ゲームソフトの楽曲に基づく全幕バレエとして大好評を博し、国内外で再演を重ねDVD化もされた。両者が再びタッグを組む新作が『迷子の青虫さん』だ。 同作は「のどかな虫たちの日常に起こるちょっとしたハプニングを描いた」もので、すぎやまが高校生時代に作曲したピアノ独奏の音楽をベースに鈴木が創作する。同時上演の『白鳥の湖』(全1幕・解説付き)の舞台美術も手がけるディック・バード、鈴木版『くるみ割り人形』全幕のマスクを手がけたロバート・アルソップも製作に参加し、虫たち等の愛すべきキャラクターが愉快に舞台を盛り上げるという。 バランシン、チューダーら20世紀の巨匠たちの名作の上演と並行して、意欲的な創造と質の高い普及活動を行っている同バレエ団ならではの好プログラム。ゴールデンウィークにご家族連れでお勧めしたい。
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