eぶらあぼ 2016.4月号
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178 注目プログラムは次の通り。 ①4年振りの出演となる庄司紗矢香がナントのLFJでも絶賛されたヴィヴァルディの『四季』(マックス・リヒターによる21世紀バージョン)を披露 ②ナントでは手書き譜を取り寄せて演奏したというクネヒトの「自然の音楽的描写」(日本初演) ③LFJ初参加となるピアニストのピエール=ロラン・エマールがメシアン「鳥のカタログ」を演奏 ④和太鼓奏者の林英哲(初参加)が、松下功作曲の和太鼓協奏曲「飛天遊」でオーケストラと共演 ⑤今年没後20年を迎えた武満徹の楽曲や、藤倉大など日本人作曲家の楽曲 また、音楽祭の新しい取り組みとして、今年のテーマにあわせて『ナチュール・ピクニック』と題し、日比谷公園大音楽堂で4公演を行う。チケットは3月19日一般発売。ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンhttp://www.lfj.jp■ラ・フォル・ジュルネびわ湖2016 「ラ・フォル・ジュルネびわ湖2016」が4月29日から5月1日までの3日間、滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホールを主会場に開催される。 注目されるのは、今年びわ湖だけで上演されるオリジナル公演。ダニエル・ライスキン指揮の日本センチュリー交響楽団が約350人の一般公募の合唱団らと共に、ショスタコーヴィチのオラトリオ「森の歌」を上演する(4/29 大ホール)。また、大植英次指揮大阪フィルハーモニー交響楽団が、R.シュトラウス「アルプス交響曲」を披露(4/30 大ホール)。マルタンは「実は、私が“自然”と聞いて、まず一番に連想するのが、この2曲。日本のLFJでは、びわ湖でしか聴けないので、ぜひ全国から体験しに来ていただきたい」と話した。ホール専属のプロ声楽家集団、びわ湖ホール声楽アンサンブルは、林光のオペラ《森は生きている》特別版を演奏会形式で上演する(5/1 中ホール)。ラ・フォル・ジュルネびわ湖http://lfjb.biwako-hall.or.jp■第18回 別府アルゲリッチ音楽祭 世界的ピアニスト、マルタ・アルゲリッチが総監督を務める、別府アルゲリッチ音楽祭が今年も5月1日から26日にかけて、しいきアルゲリッチハウス、ビーコンプラザ(別府市)、iichiko総合文化センター(大分市)などで開催される。2月18日に都内で記者会見が行われ、アルゲリッチ芸術振興財団副理事長で音楽祭総合プロデューサーの伊藤京子、大分県企画振興部芸術文化スポーツ局長の土谷晴美らが登壇し、音楽祭の開催趣旨などが語られた。  伊藤は、「今回の『平和と音楽』というテーマには、日本と世界における大きな暴力やテロ、戦争が絶えない状況に対して、自分たちの音楽活動が平和への役にたてれば、というアルゲリッチの強い思いが込められている」と述べたあと、公演内容ついて紹介した。大きな話題としては「オーケストラ・コンサート」(5/7)と「ベスト・オブ・ベストシリーズ」(5/14)。前者は昨年、広島での“平和コンサート”で共演した広島交響楽団とアルゲリッチが再び顔を合わせ、高関健の指揮によりショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番を披露する。後者は、ワディム・レーピン(ヴァイオリン)とアルゲリッチの日本での初共演が実現、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ「クロイツェル」を聴かせるほか、室内楽をとりあげる。また、5月17日には東京での公演も開かれ、アルゲリッチは高関健指揮の紀尾井シンフォニエッタ東京とベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番を弾く。別府アルゲリッチ音楽祭http://www.argerich-mf.jp■小澤征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケ ストラのCDが第58回グラミー賞受賞 第58回グラミー賞クラシック部門「ベスト・オペラ・レコーディング」に小澤征爾指揮、サイトウ・キネン・オーケストラのCD『ラヴェル:歌劇《こどもと魔法》』が選ばれた。2月15日に発表された。小澤征爾は今回初めての受賞。サイトウ・キネン・オーケストラの録音としても初。 受賞に際して小澤は「僕の大事な仲間であるサイト別府アルゲリッチ音楽祭総合プロデューサー・伊藤京子 Photo:T.Shiroma/Tokyo MDE2013年サイトウ・キネン・フェスティバル 松本《こどもと魔法》より ©山田 毅

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