eぶらあぼ 2016.3月号
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68益ましこ子 侑ゆう(ヴァイオリン)初春にふさわしい華やぎを取材・文:東端哲也Interview 「ステラ・オーケストラ」は2014年に結成された女性だけの演奏家集団。クラシックサロンホール「赤坂ステラ」を拠点に、ピアノ・弦楽器・管楽器からなる50名近いメンバーが、サロンコンサートや音楽教室、演奏家派遣などの活動を続けており、主宰者でヴァイオリン奏者の益子侑も一躍注目を集める存在となっている。 「元々は某人気テーマパークのミュージックイベントで知り合った仲間たちが母体。部活のような和気あいあいとした雰囲気で、お互いに情報交換の場所でもあります。今では演奏家ごとにそれぞれ熱心なファンが付いてくれるまでになりました」サザンオールスターズや橋幸夫などポピュラーフィールドの有名アーティストとの共演や、子ども向けコンサートの企画など、ジャンルの壁を越えて活躍中。「顧客のニーズに合わせて、様々な楽器編成でユニットを組んで対応可能」と答える様子はさながら若き経営者といったところ。 「昔から学級委員のような、大勢をまとめる仕事が好きでした。メンバーは同世代で目線が同じ。お客さんに喜んでもらうことを第一に考えて演奏できる人ばかりです」 結成2周年を迎える3月にはサントリーホール ブルーローズ(小)を会場にスペシャルコンサートも実施。ゲストに人気ピアニストの斎藤雅広を指揮者として迎え、ヴィヴァルディの「四季」からJ.シュトラウスⅡのワルツ、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」などを盛り込んだ華やかなステージになりそうだ。 「今回は、斎藤雅広先生にもアドヴァイスをいただいて考えた、どの楽器にも見せ場があるようなプログラム。私たちの名前にぴったりなジャズのスタンダード・ナンバー『星影のステラ』も披露します。先生とのトークもお楽しみに」 一方で、斎藤&益子のデュオでパガニーニの「カンタービレ」やR.シュトラウスのヴァイオリン・ソナタなどを演奏したCDも発売予定。名手の闊達なピアノを得て花開く彼女の、正統派の魅力にも期待したい。 「今、R.シュトラウスに夢中で、CDにはN響の“まろ”こと篠崎史紀さんにも勧められた『明日の朝』も収録しました。壮大なオーケストラ感を出すのが難しかったけれど、あの輝いてる感じが演奏していてとても気持ち良かった。今後も自分の置かれた場所で最大限の力を発揮して、キラリと光るような存在感を放つ演奏家になれるように頑張りたいと思います」3/27(日)16:00 すみだトリフォニーホール問 トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212 https://www.triphony.comトリフォニーホール・ジュニア・オーケストラオペラ × 文楽様式 ビゼー 歌劇《カルメン》オペラと人形浄瑠璃との出合い文:笹田和人2004年公演の模様 ジュニア・オーケストラの舞台と言えども、決して侮るなかれ。もしかすると、東西の文化の在り方に、一石を投じることになるかも。今年で創立10周年を迎えた、トリフォニーホール・ジュニア・オーケストラが挑む『オペラ × 文楽様式』は、ビゼーの歌劇《カルメン》を、人形浄瑠璃をモチーフに再構築する意欲的な舞台。タイトルロールの渡邊史や相手役ドン・ホセの安冨泰一郎らキャストは、役柄と同時に着物姿で文楽人形を演じ、アリアの合間には、通常の台詞に代わって、人間国宝の竹本駒之助らによる義太夫節(語りと三味線による浄瑠璃)が挿入され、舞台回しを担う。 今回は同オーケストラ音楽監督の松尾葉子のタクトのもと、演奏会形式で上演。実は、日本舞踊家の五條園美が演出・振付を担当したこの舞台は、松尾指揮のセントラル愛知交響楽団により、2004年にも同ホールで上演され、大きな反響を呼んだ。子供たちの瑞々しい感性のフィルターを通す、新たな試み。果たして、どんな“化学反応”を起こすのか。ステラ・オーケストラ スペシャルコンサート3/30(水)19:00サントリーホール ブルーローズ(小)問 アスペン03-5467-0081http://www.aspen.jpCD『ヴァイオリン・リサイタル/R.シュトラウス・ヴァイオリン・ソナタ』ナミ・レコードWWCC-7801¥2500+税2/25(木)発売

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