eぶらあぼ 2016.3月号
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66第1回 クラウス・フロリアン・フォークト(テノール)6/6(月)19:00ワーグナー・テノールとして圧倒的な人気を誇るクラウス・フロリアン・フォークト。好評を博した新国立劇場での《ローエングリン》をはじめ、ウィーン国立歌劇場やミラノ・スカラ座など世界の主要歌劇場やバイロイト音楽祭の舞台で聴衆を熱狂させている。その甘い美声はオペラのみならず、リサイタルにおいても大きな魅力を発揮する。プラチナ・シリーズのシーズン・オープニングとなる本公演では、シューベルトの傑作歌曲集「美しき水車屋の娘」を歌う。親密な空間で聴くフォークトは、オペラ劇場とは一味違った喜びをもたらしてくれるはず。みずみずしい詩情を湛えたシューベルトを堪能したい。第2回 浜田理恵(ソプラノ)9/22(木・祝) 15:00フランスを拠点に国際的な活動を展開するソプラノの浜田理恵が、サティ、プーランクのフランス歌曲と、三ツ石潤司の音楽遊戯「アリスの国の不思議」新作初演を披露する。サティの「ダフェネオ」「帽子屋」、プーランクの歌曲集「くじびき」(抜粋)他、機智に富んだ歌曲も魅力的だが、聴きものはなんといっても新作初演となる「アリスの国の不思議」だろう。ルイス・キャロル作『不思議の国のアリス』より(構成:久野麗)と副題が添えられているが、曲名は語順を入れ替えて「アリスの国の不Music Program TOKYO プラチナ・シリーズ 2016/17シーズン旬のクラシック&ジャズ・アーティストやあの“レジェンド”も登場!会場:東京文化会館(小)問 東京文化会館チケットサービス03-5685-06505公演セット券3/5(土)〜3/19(土) 期間限定発売1回券:第1回~第4回 4/2(土)発売 第5回 11/3(木・祝)発売http://www.t-bunka.jp思議」。この題からしてどこかルイス・キャロル的だが、ソプラノに加えてバリトン、クラリネット、チェロも参加する。いったいどんな音楽遊戯が飛び出すのだろうか。第3回 ゴンサロ・ルバルカバ(ピアノ)10/6(木)19:00 1990年代前半、西側にデビューした当時のゴンサロ・ルバルカバは、超人的なテクニックを駆使したパフォーマンスばかりが喧伝されていたが、ある時期を境にこの人は、極端に内省的で純度の高い音楽を指向するようになった。時間感覚が麻痺してしまうようなテンポ。ギリギリまで彫琢された音色。そして時折発せられる小爆発的超絶パッセージ。その音楽は決してリスナー・フレンドリーとは言い難いけれど、しかし聴き手の心を深いところで大きく揺さぶらずにはおかない。そんなゴンサロを文化会館の小ホールで聴けるとは、これを幸甚と呼ばずしてなんと言おう。小曽根真との“Jazz meets Classic”〔10/1 東京文化会館(大),10/2 オリンパスホール八王子〕と併せて、ぜひ!第4回 タチアナ・ヴァシリエヴァ(チェロ)11/2(水)19:00 「ラ・フォル・ジュルネ」をはじめ、たびたび来日して好演を聴かせてくれているロシア出身のチェリスト、タチアナ・ヴァシリエヴァ。高度な技巧とニュアンスに富んだ美しい音色、そしてスケールの豊かさを兼ね備えた屈指の名奏者が、無伴奏チェロによるリサイタルを開く。 この分野の聖典ともいえるバッハの無伴奏チェロ組曲の2曲に加えて、コダーイの無伴奏チェロ・ソナタが演奏されるのがうれしい。民族色の強い素材を用いながら独自の音楽語法を切り開いたコダーイならではの、20世紀チェロ音楽の金字塔とも呼べる傑作である。バッハとコダーイ、いずれもヴァシリエヴァ得意のレパートリー。期待が高まる。第5回 渡辺貞夫(サクソフォン)2017.2/17(金)19:00 日本の、というよりも、今や世界のジャズ界の至宝と呼んでも過言ではあるまい。渡辺貞夫。1950年代初頭にプロ・デビューして以来常にシーンを牽引し続けてきたスーパー・レジェンド。モダン・ジャズ、ボサノヴァ、ワールドミュージック、フュージョン等々、舞台としてきたジャンルは数限りないが、そのど真ん中で彼が鳴らす音はどんな時にもブレることはない。大きく柔らかな愛にあふれた音楽。その愛で聴き手を包み込んでくれる音楽。そんな唯一無二の“サダオ・ミュージック”が、極上の音響を誇るインティメイトな空間で、はたしてどう響くのか。これはジャズ・ファンならずとも聴き逃し厳禁! のコンサートだ。クラウス・フロリアン・フォークト ©Alex Lippタチアナ・ヴァシリエヴァ ©Sasha Gusovゴンサロ・ルバルカバ ©Mario Garcia Joya渡辺貞夫©Masaya Takagi浜田理恵 “奇跡の音響”と称される東京文化会館の小ホールを舞台に、毎シーズン豪華なアーティストが登場する『Music Program TOKYO プラチナ・シリーズ』。2016/17シーズンのラインナップは、クラシックが3公演(第1回・第2回・第4回)とジャズが2公演(第3回・第5回)の計5回。人気テノールのクラウス・フロリアン・フォークトから、あの“ナベサダ”こと渡辺貞夫まで、まさに“プラチナ級”の出演者が揃った新シーズンをご紹介しよう。文:飯尾洋一(第1回・第2回・第4回)/藤本史昭(第3回・第5回)
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