eぶらあぼ 2016.3月号
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48©T.OkuraJ.S.バッハ/ブラームス プロジェクト at Hakuju Vol.6(最終回) 3/17(木)19:00 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 https://www.hakujuhall.jp堀米ゆず子(ヴァイオリン)“2B”の大詰めは完璧な“名曲コンサート”取材・文:宮本 明Interview 堀米ゆず子が2013年から続けてきた『J.S.バッハ/ブラームス プロジェクトat Hakuju』全6回がいよいよ最終回を迎える。 「たぶん私が一番多く弾いてきた作曲家がバッハとブラームス。バッハは背骨みたいにかちっとしていて、ブラームスはその合間を縫って感情のひだを表現するような存在。そして二人には独特のつながりがあります。よくバッハは対位法やフーガが難しいと言いますけど、絶対にメロディの作曲家なんです。それは学生時代に江藤俊哉先生もおっしゃっていたのですが、40年もたってようやくわかってきたこと。そして、そのバッハを研究して、ほとんどの曲で彼のモティーフを取り入れていたのがブラームス。この企画を通してわかったことです」 曲順の構成も特徴的なシリーズだ。五重奏や四重奏といったアンサンブル編成で始めて、各回の最後に独奏で、バッハ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ」全6曲を1曲ずつ配置するという趣向。 「大きな編成で体力を使い果たした後に無伴奏って、やっぱり怖かったです。でもやってみたら、何曲か弾いて楽器が鳴ってきているし、お客さんも耳が慣れて、すうっと集中してバッハの世界に入っていける。企画としては大成功だったと思います。プログラミングっていうのは成功の半分なんですよね」 そのバッハの無伴奏全曲を新たに録音したCDも、オクタヴィア・レコードより3月に発売される。最終回の大トリはソナタ第3番を弾く。 「バッハの無伴奏の中で一番弾いているのが第3番のソナタだと思います。日本音楽コンクールでもエリーザベト王妃国際音楽コンクールでも弾いたし。かといって、ちっとも楽になってこない(笑)。本当に大曲ですよね。あんなにすごいフーガもありますし」 毎回のプログラムは、調性を基準に選ばれている。今回のソナタ第3番はハ長調の作品。そこから逆算して、ひとつ前にハ短調の「音楽の捧げもの」のトリオ・ソナタ、冒頭には変ホ長調(平行調)のブラームス「ホルン三重奏曲」を置いた。 「完璧に“名曲コンサート”。ホルン三重奏曲はめちゃくちゃ好きなので、最終回はこの曲から。こういう企画ができて幸せでした。これまでの共演者のみなさんにも『ありがとう』と伝えたいです」 「モーツァルトとバルトークも合うと思う」と、何やら楽しげな次を期待させてくれる発言もありつつ、まずは“2B”の大詰め! 共演はサボルチ・ゼンプレーニ(ホルン)、工藤重典(フルート)、リュック・ドゥヴォス(ピアノ)。頼もしい“援軍”も待っている。4/27(水)18:30 日経ホール問 日経ミューズサロン事務局03-3943-7066 http://www.nikkei-hall.com第447回 日経ミューズサロンヴァハン・マルディロシアン(ピアノ)数々の巨匠たちを魅了してきたピアニズム文:笹田和人©Jean Marie Juan ヴァハン・マルディロシアンは、その卓越した音楽センスと技巧で、聴衆のみならず、ロストロポーヴィチら共演した巨匠たちをも魅了してきた名ピアニスト。昨年はNHK交響楽団を振るなど、指揮者としての注目度も急上昇中だ。そんな多才な名匠がピアニストとして、日経ミューズサロンへ登場。数々の名旋律を、繊細なタッチで織り上げる。アルメニア出身、パリ音楽院でジャック・ルヴィエに師事し、早くからピアノと指揮の両方で頭角を現し、ピアノではソロはもちろん、室内楽でも名演を重ねている。特に「最高のパートナー」と公言し、絶大な信頼を寄せているのが、ヴァイオリン界の重鎮イヴリー・ギトリス。今回のステージには何と、その93歳の巨匠が“友情出演”し、クライスラー「愛の悲しみ」などで共演。もちろん、4つの即興曲(op.90)やソナタ第14番とシューベルト、さらに、3つのノクターン(op.9)やポロネーズ第3番「軍隊」とショパンの作品を通じ、ソロ・ピアニストとしての魅力も存分に発揮する。
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