eぶらあぼ 2016.3月号
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443/5(土)14:30 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ問 KCMチケットサービス0570-00-8255 http://www.kojimacm.com他公演3/4(金) 宗次ホール(052-265-1718)3/6(日) 第一生命ホール(トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702)※全国ツアーの情報は上記ウェブサイトでご確認ください。ロータス・カルテット常に“いい音楽”をするための信頼感があるんです取材・文:寺西 肇Interview 鉄壁のアンサンブルと深遠な音楽性、そして溢れ出るパッションを武器に、日本が生んだ随一の国際的な弦楽四重奏団として、ドイツ・シュトゥットガルトを拠点に活躍する「ロータス・カルテット」。2016年春、ベートーヴェンやシューベルトを軸とするプログラムを引っ提げて、全国10ヵ所を巡るツアーを行う。「読書をするように、気軽に弦楽四重奏へ触れてほしい」とヴィオラの山碕智子。世界の檜舞台で活躍を続ける精鋭集団が、室内楽の愉悦を教えてくれる。 ヴァイオリンの小林幸子と山碕、チェロの齋藤千尋らにより、1992年に結成。翌年には大阪国際室内楽コンクールの弦楽四重奏部門の第3位に。メロスをはじめ、アマデウス、ラ・サールなどの名門弦楽四重奏団から直接の薫陶を受け、97年には難関・ドイツBDI音楽コンクールでメロス以来となる弦楽四重奏部門での第1位受賞の快挙を達成。2005年からは第2ヴァイオリンにマティアス・ノインドルフが加入、特に東京クヮルテットの解散後は、唯一の日本発祥の国際的な常設弦楽四重奏団となっている。 今回のツアーは、まず、“初お目見え”となる京都公演などで、彼らが「自分たちの聖書」と位置付けるベートーヴェンの弦楽四重奏曲から、第7番(ラズモフスキー第1番)と第14番を披露。「後期作品の中でも、第14番のパウゼなしのスピード感は、特に私たちに合っているかも(笑)。弾くこと自体が楽しみですね。これに組み合わせるならば、『長いけれど、第7番がぴったり』という感じで決まりました」と山碕は笑う。 また、シューベルト晩年の佳品である弦楽五重奏曲を取り上げた、名古屋や東京などでの公演では、彼らの“師”であるメロス弦楽四重奏団に創立から解散まで在籍した、チェロのペーター・ブックと共演。山碕は「彼には、凄いオーラがあります。でも、決して『ついて来い』じゃない。寛容ですね。アンテナを縦横に張り巡らせていて、合わせて下さって、一番いい所を突き進んでいく感じ。ぜひ皆さんにも、体感していただきたいですね」と説明する。 そして、「弦楽四重奏に大切なのは、“許し合う”こと。一番大事なのは音楽で、そこへ向けてどれだけ集中していけるか、が私たち4人にとって勝負ですね。そのためには、何でも受け入れるし、何でも言い合う。その根底には、常に『いい音楽のために』という信頼感があるんです」と山碕。「美味しいものは、誰でも分かりますよね。音楽でも、私たちが良いものを届ければ、必ずそう感じていただけるはず。まるで読書のように、音楽を共に体験できる環境を創っていきたい」と力を込めた。室内楽の魅力 ブラームス 第2回~音楽家たちとの友情 Ⅰ竹澤恭子がブラームスのヴァイオリン・ソナタ全曲を披露!文:宮本 明3/19(土)14:00 第一生命ホール問 トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 http://www.triton-arts.net竹澤恭子 ©Tetsuro Takai 昨年始まった第一生命ホールの新シリーズ『室内楽の魅力』。1回目の「ブラームス~最晩年の出逢い」に続く第2回は、「ブラームス~音楽家たちとの友情 I」。前回はブラームスとモーツァルトのクラリネット五重奏という組み合わせだったが、今回はオール・ブラームスで、竹澤恭子によるヴァイオリン・ソナタ全3曲。2009年、竹澤の3年に及ぶデビュー20周年シリーズ最終回で取り組んだCD録音と各地でのリサイタルが高い評価を得たプログラムである。公演に向けたメッセージの中で竹澤は、ブラームスを弾くたびに「ああ、音楽家になってよかった、と純粋に思える」と語っている。「友情」というテーマに照らせば、第1番を初演したヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムや、第3番の楽譜に献呈辞のある指揮者のハンス・フォン・ビューローらを含む友人たちとの交流なども、今一度思い起こしながら耳を傾けたい。竹澤とは1997年以来コンビを組むエドアルド・ストラッビオリがピアノで共演。
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