eぶらあぼ 2016.3月号
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261イデビアン・クルー『ハウリング』結成25周年を迎え、新たな試みに挑む文:小野寺悦子石橋義正 × 川口ゆい『MatchAtria-extended』“超立体型”のダンス公演文:乗越たかお3/18(金)~3/20(日・祝) 世田谷パブリックシアター問 days イデビアン・クルー制作事務所03-3464-5026  世田谷パブリックシアター チケットセンター03-5432-1515http://www.idevian.com http://setagaya-pt.jp3/4(金)~3/6(日) 横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホール3/12(土)、3/13(日)各日13:00 15:00 金沢21世紀美術館 シアター213/19(土)、3/20(日・祝)各日13:00 15:00 高知県立美術館ホール 舞台上問 石橋プロダクション080-4200-4551 http://www.matchatria.com 井手茂太率いるイデビアン・クルーが、カンパニー結成25周年を記念し、世田谷パブリックシアターを会場に新作『ハウリング』を発表。振付・演出は井手茂太。キャストには、井手に、斉藤美音子、菅尾なぎさ、中尾留美子、小山達也、中村達哉といったお馴染みイデビアン・クルーのメンバーに加え、カンパニーデラシネラから藤田桃子がゲストとして参戦。“人間関係”をメインテーマに、10名の個性溢れるダンサーをステージ上に集約し、イデビアン・ワールドを繰り広げていく。 1991年のカンパニー結成以来、日本のコンテンポラリー・ダンス・シーンを常に先駆け、唯一無二の地位を築き上げてきたイデビアン・クルー。独特のユーモアセンスと絶妙な間、オリジナリティ豊かなダンス、意外性に富んだ展開でみせるその魅力は、25年経つ今も色あせることなく、変わらずファンを惹きつける。結成25周年記念公演となる今回は、音楽 誰かの心臓を、手にしたことがあるだろうか。ない、というのが普通だろう。しかしそれを疑似体験できるとなったら? えーと、ダンスの話である。 毎回30名限定で、観客はヘッドフォンと3Dメガネを装着し、心臓のオブジェを渡される。これは目の前でパフォーマンスをするダンサーの心臓と同期して、超リアルな心音(鼓膜に届く音声状態で記録するバイノーラル録音)などが伝わってくる。視覚・聴覚・触覚を通して、ダンサーそして空間と有機的につながるのだ。 演じるのはベルリンをベースに活躍している川口ゆい。強烈なダンスとインテリジェンス溢れる存在感で、これまでにも様々なテクノロジーとの共演をしてきた。そして独特な美意識と発想で世界的に活躍する映画監督・映像作家の石橋義正とのコラボレーションである。 彼らは本作のパフォーマンス空間を“Atria”(心房/天につながる中庭)だという。つまり「体内の茶室」である心室が拡張された空間ということか。「ダン家・大谷能生による全編オリジナル楽曲を使用するのも見所のひとつ。井手お得意のキレ味のいい動きと音のシンクロ、そしてダンサー間の掛け合いと微妙な距離感は、カンパニーの大きな持ち味であり醍醐味でもある。大谷率いるサックス・クァルテットが奏でる音楽とのコラボレーションにより、その関係性をどう作り上げていくのか。25年の歴史を経て紡ぎ出サー川口ゆいは、“Matcha”(抹茶)を振る舞うがごとく、観客に心音を振る舞う」のだそうだ。タイトルの「MatchAtria」は、二つの言葉の合成語だろう。 すでにドイツを始め6ヵ国11都市でされるステージと、新たな試みに挑むカンパニーの行方に期待したい。公演。日本でも横浜・金沢・高知での公演が決まっている。 ダンサーの身体の中に分け入っていくような、生命の脈動を感じさせる舞台になりそうである。『図案』(2014)より ©Nosaka Marie©福森クニヒロ

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