eぶらあぼ 2016.2月号
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40園田隆一郎「藤沢市民オペラ」芸術監督就任公演 藤原歌劇団《蝶々夫人》新しいオペラ・プロジェクトの幕開け文:宮本 明ミケランジェロ弦楽四重奏団 ベートーヴェン全曲演奏会 Vol.4~6“聴くべきコンサート”である以上に“体験すべきコンサート”文:オヤマダアツシ2/27(土)14:00 藤沢市民会館問 藤沢市みらい創造財団 芸術文化事業課0466-28-1135 http://f-mirai.jp/artsVol.4 2/16(火)19:00 第5番・第9番「ラズモフスキー第3番」・第12番Vol.5 2/18(木)19:00 第10番「ハープ」・第2番・第14番Vol.6 2/20(土)15:00 第6番・第13番・「大フーガ」王子ホール問 王子ホールチケットセンター03-3567-9990 http://www.ojihall.jp 藤沢市民オペラが生まれ変わった。1973年に藤沢市民会館開館5周年事業として始まった藤沢市民オペラは、アマチュアのオーケストラと合唱を福永陽一郎や畑中良輔といった指導者たちが牽引。プロの歌手たちを迎えながら、2013年までの40年間に22のプロダクションを生み出してきた。 この伝統を保ちつつ、15年度からは3年間を1シーズンとする新たな枠組みがスタートした。まず、その第1サイクルとなる2015~17シーズンの芸術監督に、今最も注目される日本人オペラ指揮者・園田隆一郎が就任。そして、従来5年に2回というやや変則的なペースで開催されてきた市民参加のオペラ公演を、3年に1度に固定。そこに至る2年間に、1年目は外部オペラ・カンパニーの招聘、2年目は演奏会形式と、毎年欠かすことなく、変化のあるオペラ公演を楽しめるシステムになった。 その第1弾が、藤原歌劇団を招聘して ベテランも若い世代も隔たりなく、世界中の弦楽四重奏団がその高峰へ挑戦し続けるという絶対神のごとき存在が、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲。その威容は演奏家だけでなく聴衆にとっても圧倒的であり、だからこそホールへ足を運んで答えを見つけ出そうとするのだろう。 ヴィオリストの今井信子が中心となって結成されたミケランジェロ弦楽四重奏団は、王子ホールにおけるベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲シリーズを2015年2月にスタートさせ、まずは3回のコンサートで9曲を演奏。満員の聴衆はその集中力と凝縮された音楽に賛辞を送り、後半となる3回への期待を膨らませた。1年後となる16年2月、いよいよ第4回~第6回(Vol.4~6)が3日間で集中的に行われ、「大フーガ op.133」を含む全9曲が演奏される。 第4回は長調の3曲が並び、第5回は長大な第14番ほかの3曲。そしてファイのプッチーニ《蝶々夫人》。粟國安彦演出による美しい名舞台に、題名役の佐藤康子、ピンカートンの西村悟、シャープレスの堀内康雄ら、実績十分の豪華な顔ぶれが揃った。これを皮切りに、今年10月の演奏会形式のロッシーニ《セミラーナルとなる第6回は、第13番とそれに続く「大フーガ」ほか変ロ長調づくしのプログラム。三者三様でありながらもベートーヴェン特有の精神性にあふれ、それがミケランジェロQというフィルターを通して純度を高めるのだ。メンバー4人の意識も各曲を演奏するたびに刷新され、短期間で何曲も演奏するとますます作品への共感度が高まるというから、1年前の経験と成果が今回の演奏にもミデ》、そして2017年11月の粟國淳演出による第23回藤沢市民オペラ、プッチーニ《トスカ》(現在ソリスト・オーディションの受付中。1/24まで)が続く3年間。指揮はすべて園田隆一郎だ。新たな展開が頼もしいオペラのまち・藤沢に注目。反映されるのだろう。これは“聴くべきコンサート”である以上に“体験すべきコンサート”なのだ。佐藤康子©Yoshinobu Fukaya©Marco Borggreve西村 悟©Yoshinobu Fukaya堀内康雄©Yoshinobu Fukaya園田隆一郎

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