eぶらあぼ 2016.2月号
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168CDCDCDCDライヴ・イン・シカゴ1986/ホロヴィッツデュエッティーノ/岡崎耕治&宇賀神広宣鐘~ロシア~ピアノ・デュオの世界/田中正也&佐藤卓史ぬんこむ Nun komm, der Heiden Heiland/塚谷水無子スカルラッティ:ソナタK380・K135/モーツァルト:ロンドK485、ソナタ第10番/スクリャービン:エチュードop2-1・op.8-12/リスト:ペトラルカのソネット第104番、ウィーンの夜会第6番/ショパン:マズルカop.63-3・op.7-3、スケルツォ第1番/シューマン:トロイメライ/モシュコフスキ:火花 他ヴラディーミル・ホロヴィッツ(ピアノ)J.S.バッハ(グノー編):アヴェ・マリア/ボザ:デュエッティーノ/ヤコビ:2つの二重奏曲/ストラヴィンスキー:名もなき歌/ビゼー:小さな二重奏曲/サン=サーンス:白鳥/ベートーヴェン:エリーゼのために/ハイドン(ディーター編):6つの二重組曲より第1番~第3番岡崎耕治、宇賀神広宣(ファゴット)ストラヴィンスキー(ヴィクトル・バビン編):ペトルーシュカからの3楽章/ラフマニノフ:組曲第1番「幻想的絵画」、前奏曲op.3-2「鐘」/シューベルト(プロコフィエフ編):ワルツ集/リムスキー=コルサコフ(佐藤卓史編):くまんばちの飛行 他田中正也、佐藤卓史(ピアノ)讃美歌集より:「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」/スウェーリンク:3つの変奏/ブクステフーデ:コラール前奏曲/パッヘルベル:コラール前奏曲/バッハ:「ライプツィヒ・コラール」よりBWV659・BWV660・BWV661/レーガー:コラール前奏曲op.67-29/デュプレ:コラール前奏曲op.29 他塚谷水無子(オルガン)収録:1986年10月26日、シカゴ(ライヴ)ユニバーサルクラシックス UCCG-1723/4(2枚組) ¥3600+税マイスター・ミュージックMM-3065 ¥3000+税ナミ・レコードWWCC-7800 ¥2500+税Pooh's HoopPCD-1507 ¥オープンホロヴィッツのシカゴでの1986年初出ライヴが登場。音質がクリアなのが嬉しいが、演奏もまた極上。ホロヴィッツの晩年のリサイタルでは、若干の異同があるにせよ基本的なプログラムはほぼ同一だが、ここでのホロヴィッツは絶好調のようだ。スカルラッティでの魔法のような強弱と音色の変化、モーツァルトの「ロンド」における融通無碍さ、スクリャービンでの深い「うた」。ショパンのマズルカは絶品としか言いようがないが、スケルツォ第1番では往年を彷彿とさせる強靭な打鍵も聴かせる。「トロイメライ」に涙し、モシュコフスキでの衰えぬヴィルトゥオジティには唖然。必聴。(藤原 聡)N響の新・旧首席ファゴット奏者による初のデュオ・アルバム。同楽器の二重奏自体が珍しい上、ボザやヤコビなど未知のオリジナル曲を聴ける貴重な1枚だ。通常イメージするファゴットの特徴は、朴訥で温かく、時にコミカルといったもの。だが本作では、そうした味を残しながらも、機動力や歌謡性が際立ち意欲的に音楽が展開されている。オリジナル曲は機能的な絡みが興味深く、中でもヤコビの第2番は愉しい。さらに、ソロと伴奏の音色が等しい「白鳥」、左手と右手の応答を振り分けた「エリーゼのために」の新鮮な効果が、管楽器愛好家以外の耳をも喜ばせる。(柴田克彦)佐藤卓史と田中正也は、カントゥ国際ピアノコンクールで古典派部門とロマン派部門でともに1位に輝いた。そんな快挙を遂げた二人がタッグを組み、2台ピアノによるロシア作品集のデュオ・アルバムを世に放った。音数の多いストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」も、ラフマニノフの「組曲」も、実に明晰で、驚くほど立体的な音楽となって届く。互いの音を聴き取る耳の良さと、総合的に音楽を構築できる両者の高い能力に脱帽だ。佐藤自身の編曲による「くまんばちの飛行」は、まるで拡大顕微鏡でその生体をまざまざと見せてくれるかのような、圧巻の演奏だ。(飯田有抄)様々なオルガンを用いてのバッハ「ゴルトベルク変奏曲」など独自のアプローチから、楽器自体の新たな可能性を切り拓いて来た塚谷。今回は、オランダの2つの銘器を弾き分けて、ルター派のコラール「いざ来ませ、異邦人の救い主よ」に基づき、16〜20世紀の16人が作曲した22曲へ挑むという、壮大な音の旅に出た。それぞれの楽器と作品ごとの特性を踏まえた、的確なレジストレーションと流麗な音楽創り。さらに、原題の冒頭2語を平仮名表記する、アルバム・タイトルもインパクト大。作曲家たちがこのコラールを通じて感じた、生成りの喜怒哀楽が、聴き手の心を鷲掴みにする。(寺西 肇)
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