eぶらあぼ 2016.2月号
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167コンサートギャラリーチケット発売情報News & TopicsNew Release Selection新譜情報TV&FMBooks海外公演情報今月の注目公演公演情報ぶらPAL■小澤征爾が7年ぶりにベルリン・フィル の指揮台へ 小澤征爾が4月8日と10日にベルリンで、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮する。昨年12月18日、同団が発表した。小澤が指揮する予定の曲目は、ベートーヴェンの「エグモント序曲」と「合唱幻想曲」。 小澤は2009年5月にメンデルスゾーンのオラトリオ「エリア」を指揮して以来、7年ぶりにベルリン・フィルを指揮することとなる。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団http://www.berliner-philharmoniker.de■IIJが世界初のハイレゾ音源によるラ イブ・ストリーミングサービスを開始 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は、昨年12月23日からDSD(5.6MHz)をはじめとするハイレゾ音源でのライブ・ストリーミングサービス「Prime Seat」を開始した。 IIJはこれまで、KORG、Saidera Paradiso、ソニーと共同で、東京・春・音楽祭、ベルリン・フィルなどのハイレゾによるライブ・ストリーミングの配信実験を行ってきたが、正式に音楽配信事業に参入する。商用サービスとしては世界初。当面のサービスは演奏会のライブ配信、オンデマンド配信、インターネットラジオの3つ。 DSDは、アナログの音源をデジタルに変換する際の変換方式の一種。5.6MHzのサンプリング周波数は音楽CDの128倍に及び、アナログ音声を圧縮せず忠実に再現するため、自宅にいながらコンサート会場で聴いているような臨場感あふれる高品質な音を楽しむことが可能で、ハイレゾ音源配信のフォーマットとして普及しつつある。しかし、これまではそのデータ量の多さから、インターネットを利用したストリーミング配信には困難が伴い、ダウンロード形式での配信サービスが主流だった。 IIJはこれまでの配信実験の結果をうけ、株式会社コルグ(KORG)と提携し、配信プラットフォームの開発を共同で進めてきた。視聴用のソフトウェア「PrimeSeat」(無料)は、KORGが開発、提供する。 DSD音源でのハイレゾ試聴にはPC(Windows/Mac)と専用ソフトウェア、対応するDAC機器が必要となるが、DACがない環境でも、端末機器の再生能力に応じた音質に自動コンバートして再生される。「PrimeSeat」公式サイト http://primeseat.net■新たな音楽著作権管理会社 「NexTone」が発足へ エイベックス・グループ傘下の音楽著作権管理会社である株式会社イーライセンスと株式会社ジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)が今年2月1日付で合併し、社名を株式会社NexToneに変更する。昨年12月17日、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社が発表した。 エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社の100%子会社で、エイベックス・グループ各社が保有する音楽著作権の管理・開発を目的として2010年に設立したエイベックス・ミュージック・パブリッシング株式会社(AMP)が、昨年9月30日付でイーライセンス及びJRCの筆頭株主となり、事業統合に向けて協議を続けていた。 現在、日本での音楽著作権の管理は一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)が約98%を取り扱うなか、今回の合併についてAMPは「両社がこれまで培ってきた著作権管理事業における知識や経験を集約し、ITの進化による著作権者の広がりや、ユーザーの音楽の楽しみ方の多様化に対応するなど、次代の著作権管理事業を提案・提供することにより、音楽文化の健全な発展に寄与することを目的とする」としている。エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社http://www.avex.co.jp■訃報:クルト・マズア氏 世界的指揮者のクルト・マズア氏が昨年12月19日、アメリカのコネティカット州グリニッジで死去した。享年88。マズア氏は1927年ドイツ東部のシュレージェン地方(現ポーランド)で生まれ、第二次世界大戦後、旧東ドイツのライプツィヒでピアノと作曲を学んだ後に指揮活動を開始した。70年から96年までライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカぺルマイスター(楽長)を務め、とくにベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームス、ブルックナーなどドイツ音楽における評価が高い。91年から2002年までニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督も務めた。また「フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ基金」を設立し、メンデルスゾーンの芸術の普及に尽力したことでも知られる。1979年には読売日本交響楽団名誉指揮者に就任するなど、とくに読響との関係は深く、たびたび来日して多くの名演を残した。読響との最後の共演は2000年の第389回定期公演で、演目はシュニトケのチェロ協奏曲(独奏:ナターリヤ・グートマン)とショスタコーヴィチの交響曲第1番だった。写真提供:読売日本交響楽団
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