eぶらあぼ 2016.1月号
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72パギャグニーニ(弦楽四重奏パフォーマンス集団) ニューイヤーコンサート20162016年はクァルテットで“初笑い”文:東端哲也2016.1/19(火)15:00 19:00 Bunkamuraオーチャードホール問 キョードー東京0570-550-799 http://www.kyodotokyo.com/pagagnini 「悪魔に魂を売り渡した」とまで語り継がれる19世紀の大ヴィルトゥオーゾ、パガニーニ(Paganini)の名に、“冗談”=「gag」を挟み込んだ大胆不敵なネーミングの「パギャグニーニ(PAGA GNINI)」は、世にも珍しい弦楽四重奏による凄腕パフォーマンス集団。数多の国際コンクールで優勝し名門オーケストラとの共演経験も豊富なリーダー、アラ・マリキアン(ヴァイオリン)を筆頭に、絶妙な掛け合いの4人がステージ狭しと跳び跳ねて爆笑コントを披露しつつ、超絶技巧のテクニックでおもにクラシックの名曲を演奏する。 スペインを拠点にしているので、サラサーテ「カルメン幻想曲」やファリャ「はかなき人生」などはお手の物。ボッケリーニ「メヌエット」やパッヘルベル「カノン」などの名曲たちも仰天アレンジで変容を遂げて登場。モーツァルトや“本家”パガニーニの楽曲に混じって、アイルランドの世界的ロックバンドU2のヒットナンバー「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」や、シャンソン界の異端児セルジュ・ゲンズブールが歌姫ジュリエット・グレコのために書いた小粋なラヴソング「ラ・ジャヴァネーズ」などが飛び出すのも彼らの真骨頂だ。 西日本のみだった2013年の初来日ツアーは既に伝説だが、16年1月に待望の東京公演がBunkamuraオーチャードホールで実現。次から次へと展開する怒濤のプログラムが観客の度肝を抜くこと間違いなし。「ニューイヤーコンサート」で全編“初笑い”は前代未聞!?クラシック・ヨコハマ 生きる~2016 若い命を支えるコンサート若手歌手たちによる瑞々しい声の饗宴文:宮本 明2016.1/30(土)15:00 横浜みなとみらいホール問 神奈川芸術協会045-453-5080 http://yokohama.mainichi-classic.jp 子供の病死原因の第1位が「がん」であることをご存知だろうか。15歳以下の子供のがん(悪性腫瘍)が「小児がん」。日本ではおよそ1万人に1人が罹患、16,000人近い子供たちが闘病中と言われる。1996年に始まった毎日新聞社の小児がん征圧キャンペーン「生きる」では、さまざまなイベントを通じて、昨年度までに募金約3億円を集め小児がんの子供たちとその家族を支援してきた。『生きる~若い命を支えるコンサート』もそのためのチャリティ・コンサートのひとつ。今回は、いま最も勢いのある若手オペラ歌手のホープを迎えてのオペラ・プログラムだ。 藤原歌劇団の次世代プリマ・ドンナとしてめきめき頭角を現しているのがソプラノの光岡暁恵。清澄な響きで《リゴレット》より〈慕しきお名前は〉、《ロメオとジュリエット》より〈私は夢に生きたい〉などを披露する。情熱的な歌声でファンの心を掴んでいるテノールの西村悟も、《トスカ》より〈妙なる調和〉、《トゥーランドット》より〈誰も寝てはならぬ〉などの超定番アリアで登場。オペラ指揮者としても飛躍が期待される田中祐子が率いるのは、キャンペーンの趣旨に賛同して集まった東京交響楽団員有志等によるオーケストラ。また、2015年11月下旬に開催された第69回全日本学生音楽コンクール全国大会の入賞者たちも登場し、若々しい息吹を吹き込む(部門未定)。司会は俳優の別所哲也。珠玉のオペラ名曲を楽しみつつ、小児がん征圧に少しでも協力したいものだ。光岡暁恵 ©Flavio Galloci西村 悟 ©深谷義宣(aura)田中祐子別所哲也

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