eぶらあぼ 2016.1月号
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662016.2/29(月)18:30 日経ホール問 日経ミューズサロン事務局03-3943-7066 http://www.nikkei-hall.com第445回 日経ミューズサロン シュパチェク・カルテットチェコ音楽の神髄を届ける文:笹田和人 “弦の国”の真髄に触れられるに違いない。2011年、弱冠24歳の史上最年少で名門チェコ・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターに就任し、話題をさらったヨゼフ・シュパチェクJr.が、同フィルの精鋭たちと共に組織した弦楽四重奏団シュパチェク・カルテット。来る2月の日経ミューズサロンで、衝撃の東京デビューを果たす。同カルテットは、ミラン・ヴァヴジーネク(第2ヴァイオリン)、ヤン・シモン(ヴィオラ)、ヨゼフ・シュパチェクSr.(チェロ)らにより、1992年に結成されたチェコ・フィル・ストリング・カルテットを母体に、数々の登竜門で実績を残し、ソリストとしても大活躍のシュパチェクJr.の加入を機に、シュパチェク・カルテットとして新スタートを切った。今回のステージは、珠玉のオール・チェコ・プログラム。スメタナの第1番「わが生涯より」をはじめ、マルティヌーの第7番「室内協奏曲」、そしてクロンマーと3つの弦楽四重奏曲に、スーク「古いコラール『聖ヴァーツラフ』による瞑想曲」を聴かせる。2016.3/8(火)14:00 神奈川県民ホール(小)問 チケットかながわ0570-015-415 http://www.kanagawa-kenminhall.com神奈川県民ホール ワンコイン・コンサート 音楽のおくりもの 毛利文香(ヴァイオリン)大きな飛躍をとげた話題のアーティストが登場文:宮本 明 神奈川県民ホールのワンコイン・コンサート「音楽のおくりもの」は、2013年に始まった若手演奏家による室内楽シリーズ。「ワンコイン」なので、もちろん入場料は500円! 3月公演には、いま注目のヴァイオリニスト毛利文香が登場する。12年にソウル国際音楽コンクールで史上最年少&日本人初の優勝。15年は、3月にパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクール第2位、5月に最難関のエリザベート王妃国際音楽コンクール第6位と、いっそうの飛躍の年となった、まさに旬の演奏家だ。現在は慶應義塾大学の3年生。文学部で独文学を専攻しつつ、高校時代から桐朋のソリスト・ディプロマコースで学び、さらに15年9月からフランクフルト音楽大学のクロンベルクアカデミーに留学中という経歴には、自分の道をしっかりと見据える確かな視線も感じる。曲目はフランク「ヴァイオリン・ソナタ」、イザイ「無伴奏ソナタ第4番」、ワックスマン「カルメン幻想曲」。ピアノは同い年の若手・山西遼。2016.1/12(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール問 東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 http://www.operacity.jp東京オペラシティ Bビー トゥー シー→C 佐藤卓史(ピアノ)様々な時代の舞曲を集めて文:飯田有抄 音楽のジャンルやスタイルは、人々のニーズや歴史的な流れがあって生まれる。佐藤卓史はそうしたコンテクストへの飽くなき好奇心・探究心を持つ知性派ピアニスト。彼が東京オペラシティの『B→C』のために選んだテーマは「舞曲」。「バロックから現代まで変わりなく続く、このジャンルの歴史的変遷を俯瞰的に聴くのは面白いのでは」と考えた。前半は「組曲」。バッハ「フランス組曲第6番」は、バロックダンスを学んだ経験を生かした演奏になりそうだ。同時代作品からは、吉松隆の「プレイアデス舞曲集 Ⅶ」のほか、佐藤自身が委嘱したチョン・ミンジェ(エリザベートコンクール作曲部門優勝者)の作品の世界初演も。後半は「ワルツ」。佐藤が得意とするシューベルトの「12の高雅なワルツ」は、ウィンナ・ワルツの源流といえる曲だ。4人のガールフレンドに献呈したというコルンゴルトの作品や、ウィーンで尊敬を集めたパウル・コントの秘曲など、オーストリアの香りを届けてくれる数々のワルツも楽しみだ。

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