eぶらあぼ 2016.1月号
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196バロック・ヴァイオリンの名手として国際的に活躍中の寺神戸亮率いる、オリジナル楽器オーケストラ「レ・ボレアード」が、葛飾へ見参。寺神戸のヴァイオリン弾き振りによる協奏曲第5番「トルコ風」をはじめ、このホールでのフォルテピアノ初披露ともなる仲道郁代のソロで協奏曲第9番「ジュノーム」、三宮正満のクラシカル・オーボエで協奏曲ハ長調と、オール・モーツァルトの“三大協奏曲”に挑む。日本の伝統の音と共にお正月を味わう特別企画の第3弾は、新年の干支である「申(猿)」にちなんだ演目を用意。まずは、“猿語”で演じる狂言「猿聟(さるむこ)」を茂山千三郎らの出演で。また、聖徳太子の笛に合わせて踊る老猿を描いた舞楽「蘇莫者(そまくしゃ)」を東京楽所と一噌幸弘(能管)が披露。さらに、邦楽の名曲「春の海」を中国の二胡と日本の箏による合奏で聴き、狂言体験コーナーも交えるなど、多彩に新春を慶ぶ。一噌幸弘茂山千三郎ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉が、常任指揮者の大井剛史のタクトで「ニューイヤーコンサート2016」に臨む。J.シュトラウスⅡのワルツ「芸術家の生涯」やヨーゼフ・シュトラウスのポルカ・マズルカ「燃える恋」など、シャンパンのごとく香しい旋律の数々をたっぷりと。さらに、レハールのオペレッタ《微笑の国》から〈君こそわが心のすべて〉など、気鋭のテノール望月哲也の美声も堪能できる。世界的なヴィオリストで、後進の育成にも力を注ぎ、新曲の委嘱などを通じて、ヴィオラ自体の新たな魅力と可能性を切り拓いて来た今井信子。ピアノの草冬香と共演するリサイタルは、シューマン「幻想小曲集」を核に。20世紀イギリスの女流ヴィオリスト、レベッカ・クラークのソナタ、自身でチェロ作品から編曲したブリテンの無伴奏組曲第1番・第2番に、「美しきロスマリン」などクライスラーの小品を添えて。若き精鋭集団・中部フィルハーモニー交響楽団が恒例としているニューイヤーコンサート「音楽の福袋」の第5弾は、レジデンス・コンダクターなどを務める堀俊輔のタクトで。ドヴォルザーク「新世界より」に加えて、アンダーソン「舞踏会の美女」やハチャトゥリアン「仮面舞踏会」からの「ワルツ」、ボロディン「ダッタン人の踊り」など、耳になじみある世界中の舞曲が盛り沢山。贅沢な“音のお年玉”だ。月の1かつしかシンフォニーヒルズ特別公演モーツァルト三大協奏曲今井信子(ヴィオラ)音楽堂ニューイヤー・コンサート「日本の音でお正月!」中部フィルハーモニー交響楽団ニューイヤーコンサート~音楽の福袋 第5弾~シューベルト「冬の旅」高橋悠治(ピアノ)&波多野睦美(メゾソプラノ)ニューフィル千葉 特別演奏会ニューイヤーコンサート 20161/9(土)15:00かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール1/22(金)19:00藤沢リラホール1/16(土)15:00神奈川県立音楽堂1/9(土)14:00サラマンカホール1/22(金)19:00、1/23(土)15:00 クレオール(神戸)1/25(月)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール1/17(日)14:00千葉県文化会館文:笹田和人 ©Marco Borggreve仲道郁代©KiyotakaSaito三宮正満寺神戸 亮©T.Nagata望月哲也©Kohei Take大井剛史©K.Miura中世・ルネサンスから現代に至る幅広いレパートリーを、透明感あふれる声で歌いこなすメゾソプラノの波多野睦美と、作曲家・ピアニストとして先鋭的な活動を続ける高橋悠治が対峙するのは、“名曲中の名曲”とも言えるシューベルトの歌曲集「冬の旅」全曲。2006年から高橋の自作の初演など、様々な形で共演を重ね、気心の知れた2人だけに、名曲の新たな魅力への扉を、きっと開いてくれるだろう。高橋悠治 え・柳生弦一郎波多野睦美©Toshiyuki Kohno堀 俊輔

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