eぶらあぼ 2016.1月号
181/215

1863月の見もの・聴きもの2016年3月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場3月1日 グノー:ロメオとジュリエット 指/M.アルミリアート、演出/J.フリム、出/M.レベカ、J.D.フローレス、G.ベルムデス3月3日 ロッシーニ:セビリャの理髪師 指/M.アルミリアート、演出/G.レンネルト、補訂演出/R.ブレチャッハー、出/P.コルガティン、A.シュラメク、E.マキシモヴァ3月4、7、12、15日 R.シュトラウス:ナクソス島のアリアドネ 指/C.マイスター、演出/S.E.ベヒトルフ、出/P.マリッチ、J.シュメッケンベッヒャー、S.コシュ、G.A.ジーゲル、D.ファリー、K.ストヤノヴァ★◎3月6、10、13、16、18日 P.エトヴェシュ:三人姉妹[プレミエ] 指/P.エトヴェシュ、演出/Y.シャローン、出/A.ガリフリーナ、M.グリツコヴァ、I.ハイルロヴァ、E.ユレナス、B.ダニエル、P.ルメッツ3月8、11、14、17日 ヴェルディ:アイーダ 指/S.ヤング、演出/N.ジョエル、出/E.グバノヴァ、L.モナスティルスカ、F.サルトリ、S.ピッツォーラ3月19、22、26日 プッチーニ:ラ・ボエーム 指/S.ヤング、演出/F.ゼッフィレッリ、出/J.F.ボラス、M.アグレスタ、A.アルドゥイーニ、V.ナフォルニタ3月24、27、30日 ワーグナー:パルジファル指/A.フィッシャー、演出/C.ミーリッツ、出/M.フォッレ、F.シュトルックマン、S.グールド、V.ウルマーナ3月29日 モーツァルト:皇帝ティトの慈悲 指/A.フィッシャー、演出/J.フリム、出/B.ブルンス、V.ジャンス、H.ファヒマウィーン・フォルクスオーパー(ミュージカルは省略)3月2(19:00)、5(19:00)、9(19:00)、21(19:00)、29(19:00)日 W.R.ハイマン:会議は踊る(オリジナルはE.シャルレ監督によるオペレッタ映画)[16年2月プレミエ] 演出/R.マイヤー3月4(19:00)、12(19:00)、18(19:00)日 ヴェルディ:椿姫 演出/H.グラツァー 3月6(19:00)、20(16:30)、27(19:00)日 ヨハン・シュトラウス:こうもり 演出/R.ヘルツル、新校訂演出/H.ツェドニク3月7(19:00)、15(19:00)、23(19:00)、28(19:00)日 ヨハン・シュトラウス:ヴェニスの一夜 演出/H.ホルストコッテ★3月19(19:00)、22(19:00)日 ボロディン:イーゴリ公[プレミエ] 演出/T.シュルテ=ミヒェルス3月26(19:00)、30(19:00)日 モーツァルト:魔笛 演出/H.ローナーアン・デア・ウィーン劇場3月1(19:00)日 ロッシーニ:オテロ[16年2月プレミエ] 指/A.マナコルダ、演出/D.ミキエレット、出/J.オズボーン、N.マチャイゼ、V.ドミトルーク、演奏/ウィーン響★◎3月18(19:00)、20(19:00)、22(19:00)、29(19:00)、31(19:00)日 ヘンデル:アグリッピーナ[プレミエ] 指/T.ヘンゲルブロック、演出/R.カーセン、出/P.バードン、J.アルディッティ、D.ドゥ・ニース、演奏/バルタザール・ノイマン・アンサンブル◎3月23(19:00)日 A.スカルラッティ:最初の殺人またはカイン(演奏会形式) 指/R.アレッサンドリーニ、出/C.アレマンノ、R.インヴェルニッツィ、S.プリナ、M.ピッチニーニ、演奏/コンチェルト・イタリアーノウィーン・フィル[会場:(N)=ヘイズ・ホール(ネイプルズ/アメリカ)、(BOG)=テアトロ・マヨール(ボゴタ/コロンビア)、(SP)=コンサート・ホール(サン・パウロ/ブラジル)、(BER)=フィルハーモニー(ベルリン)]3月1(20:00)(N)、8(21:00)(SP)日 V.ゲルギエフ指揮 ワーグナー:さまよえるオランダ人〜序曲、ドビュッシー:海、ムソルグスキー(ラヴェル編曲):展覧会の絵3月2(20:00)(N)、5(19:30)(BOG)、9(21:00)(SP)日 V.ゲルギエフ指揮 ワーグナー:パルジファル〜第1幕への前奏曲・聖金曜日の奇跡、チャイコフスキー:マンフレッド交響曲3月19(20:00)(BER)日 D.バレンボイム指揮 → 〔フェストターゲ〕参照ウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(TW)=アン・デア・ウィーン劇場(ウィーン)](主要公演のみ)3月1(19:00)(TW)日 ロッシーニ:オテロ[16年2月プレミエ] 指/A.マナコルダ → 〔アン・デア・ウィーン劇場〕参照3月5(19:30)(MV)、6(19:30)(MV)日 B.ドゥ・ビリー指揮 デュティユー:交響曲第2番「ル・ドゥーブル」、サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番「エジプト風」、ラヴェル:ボレロ独/J.Y.ティボーデp◎3月9(19:30)(MV)、10(19:30)(MV)、11(19:30)(MV)日 J.ビエロフラーヴェク指揮 モーツァルト:交響曲第36番「リンツ」、ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 独/E.レオンスカヤp3月19(19:30)(KH)、20(15:30)(KH)日P.ジョルダン指揮 バッハ:ミサ曲ロ短調 独/C.ティリングS、W.レームクールA、W.ギューラT、M.フォッレBs【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 指揮者界のレジェンドともいうべき御年86歳のニコラウス・アーノンクールがとうとう指揮活動引退を発表した。2015年も10月、12月と手兵ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの演奏会をキャンセルし、その健康状態が心配されていたが、まさに代演指揮者に代わった12月の演奏会のプログラムに自筆のお知らせが添えられたそうだ。まだまだ今後の企画が目白押しだっただけに痛恨の極みだが、長く音楽界に鮮烈な一撃を投げ続けてきた希代の大指揮者に感謝の言葉しか今はない…。 さて来年のイースター(復活祭)は3月のため「復活祭音楽祭」も各地で華々しい。ザルツブルクはティーレマンとシュターツカペレ・ドレスデン。今回のオペラ演目はヴェルディの「オテロ」。最近この音楽祭ではティーレマンはイタリア・オペラをしばしば選択している。この「オテロ」では特にヨハン・ボータが朗々とした美声を聴かせてくれるに違いない。ちなみに、来年からはいよいよワーグナーの「リング」ツィクルスを開始するとのことなので、ワーグナー・マニアにとってはまた目が離せない。そのワーグナー・マニアにとっての今回のイースターの目玉は何と言ってもバーデン・バーデンでラトルとベルリン・フィルが上演する「トリスタンとイゾルデ」。内田光子のモーツァルト(ピアノ協奏曲第22番)と組ませたベートーヴェンの「第9」の演奏会などとあわせて、今回も注目度抜群のラトルのプログラミングだ。 それに対するバレンボイムは、ベルリンの「フェストターゲ」で、グルックの「オルフェオとエウリディーチェ」という意表を突いたやや冒険的なプログラムで勝負に出た。本来ならルネ・ヤーコプスあたりに指揮を任せそうなところだが、そこは譲れないバレンボイムの意地か新境地なのだろうか。ただ、もう一つのオペラ演目に昨年の「フェストターゲ」で好評だったワーグナーの「パルジファル」再演を組み込んでいるところはさすがに抜け目がない。今回の「パルジファル」はクンドリーにワルトラウト・マイヤーを呼び戻し、歌手陣も万全。また、アルゲリッチとバレンボイムとのピアノ・デュオもイベント企画的ではあるが興味津々だ。 ルツェルンの復活祭音楽祭は、ウィリアム・クリスティやサヴァール、ガーディナーらによるピリオド系コンサートとヤンソンス指揮バイエルン放響によるオーケストラ・コンサートという内容。クリスティはモーツァルトの「羊飼いの王様」を演奏会形式で取り上げるが、これはウィーン、パリなどの公演も含めたヨーロッパ・ツアーの一環でもある。 音楽祭以外では、アン・デア・ウィーン劇場で上演されるヘンゲルブロック指揮によるヘンデルの「アグリッピーナ」、ルネ・ヤーコプス指揮ベルリン古楽アカデミーのペルゴレージ、エッセン歌劇場の「エレクトラ」プレミエ(ネトピル指揮)、キリル・ペトレンコ=バイエルン州立管のマーラー「大地の歌」(歌手はペーター・ザイフェルトとゲルハーヘルの男声2人)、ジョージ・ベンジャミンのオペラ「リトゥン・オン・スキン」(演奏会形式)のコンサートツアー(スペインの2劇場やケルン等)、奇才ロジェストヴェンスキーの指揮するパリ管、ヘレヴェッヘ=シャンゼリゼ管のハイドン「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」(シャンゼリゼ劇場)、リチャード・ジョーンズ演出の「ボリス・ゴドゥノフ」(英国ロイヤル・オペラ)などどれも要注目。なお、本欄では取り上げられなかったが、クラリネットも指揮も作曲もこなす現代のファンタジスタ(?)ヨルク・ヴィトマンによる大々的なコンサートツアーがあるので、これにも是非ご留意を。次のウェブページ等を参照。http://www.joergwidmann.com/termine.html(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です