eぶらあぼ 2016.1月号
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176CDCDCDCDレジェンド/五嶋龍チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番/辻井伸行&ゲルギエフ白く/斉藤京子My Favourites/泉里沙チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ヴィエニャフスキ:伝説五嶋龍(ヴァイオリン)アンドレス・オロスコ=エストラーダ(指揮)フランクフルト放送交響楽団チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番、トロイカ~「四季」よりラフマニノフ:プレリュードop.32-12辻井伸行(ピアノ)ワレリー・ゲルギエフ(指揮)マリインスキー劇場管弦楽団山田耕筰:歌曲集「AIYANの歌」、鐘が鳴ります、秋の夜、からたちの花/畑中良輔:五つの歌/武満徹:恋のかくれんぼ/小林秀雄:窓辺に凭(よ)りて/三善晃:白く 他斉藤京子(ソプラノ)長尾洋史(ピアノ)ラヴェル:ツィガーヌ/パガニーニ:カンタービレ、モーゼ幻想曲/ベートーヴェン:ロマンス第2番/シマノフスキ:アレトゥーサの泉/サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン/エルガー:愛の挨拶 他泉里沙(ヴァイオリン)佐藤卓史(ピアノ)収録:2015.8、ヴィースバーデン(ライヴ) 他ユニバーサルクラシックスUCCG-1718 ¥2685+税収録:2012.7/8、サンクトペテルブルク、マリインスキー・コンサート・ホール(ライヴ)エイベックス・クラシックスAVCL-25882 ¥1667+税ディスク クラシカ ジャパンDCJA-21031 ¥2500+税ナミ・レコードWWCC-7797 ¥2500+税五嶋龍の才能を堪能できるディスク。さっぱりとした演奏ではないか、と思っているとこれが良い意味で裏切られる。フレーズ間の粘りや“こぶし”、歌い回しなどにたっぷりとタメが入る。しかし全くくどくはならないのは音楽性の賜物だろうが、これを最上の技巧と美音でやられるのだからいやが上にも聴き応えが増す。オロスコ=エストラーダもそんな五嶋を見事にサポートし、この両者の相性の良さは歴然。第3楽章の中間部でグッとテンポを落としたセンシティヴな歌い回しをみせる指揮者もなかなかの役者。ヴィエニャフスキも見事だ。(藤原 聡)辻井伸行のパワフルで繊細な表現力とは、ここまで炸裂するのかと驚く一枚。2012年7月にサンクトペテルブルクの音楽祭で、ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団と共演したチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。辻井、指揮者、オーケストラが互いの息づかいを鋭く感知し、高揚させ合いながら、緩急豊かに壮絶なロマンティシズムを醸す。生演奏の現場に居合わせられなかったことを痛いほど悔やまされるような、凄みある秀逸なライヴ音源。上気した会場へ贈られたアンコール曲、ラフマニノフの前奏曲にも、辻井の尖った叙情性が光る。(飯田有抄)これは何度も繰り返し聴きたくなる一枚だ。山田耕筰の大正期の作品と、戦後のモダニズム以降、平成までの間に生まれた作品を対置したこだわりの選曲の日本歌曲集。斉藤の歌は、作曲家の音を丁寧に掬い取りながら言葉にしっかりと寄り添い、その美しいバランスが聴き手を安住させる。なかでも、時系列的にも中心に位置する1950〜60年代作曲の畑中、三善歌曲での秀演は、すでに定番のこれらの歌に、あらためてひとつの模範を示すクオリティと言えるだろう。このCDのために書き下ろされた2曲や、過去に斉藤が初演した小林秀雄の10分近い長編歌曲も聴きもの。(宮本 明)凡百の「ヴァイオリン名曲集」の体裁とみえて、実体は全く違う。冒頭に収録された「ツィガーヌ」の第1音を耳にするだけで、そう確信できるに違いない。まるで、静かな湖の底から立ち現れるかのような、豊かで深みある音色。技巧の誇示に終始してしまいがちなこの曲にあって、どこまでも気品が失われることがない。そんな難曲は勿論、例えば「愛の挨拶」のような小品でも、凛とした高潔さが、隅々まで行き渡っている。ロンドンに生まれ育ち、東京芸大を経てウィーンに学んだ、才媛の実力を知るには十分なデビュー盤。共演の佐藤も、泉の意図を絶妙に汲み取った秀演を展開する。(笹田和人)

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