eぶらあぼ 2016.1月号
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174CDCDCDベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番・第31番・第32番/田部京子ユーフォニアム・ジャーニーⅡ/露木 薫ロッシーニ:弦楽のためのソナタ集(全6曲) 他/アッカルドTAKE2~ヴァイオリニストとふたりで/パトリツィア・コパチンスカヤ&アリスベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第30番・第31番・第32番田部京子(ピアノ)J.S.バッハ:トリオ・ソナタ第1番/シュレック:ソナタ/シューマン(フリードリッヒ編):アダージョとアレグロ/ゴーランド:ユーフォニアム協奏曲第2番/グリエール(ザウアー編):間奏曲とタランテラ露木薫(ユーフォニアム)佐藤勝重(ピアノ)ロッシーニ:弦楽のためのソナタ第1番~第6番、二重奏曲(チェロとコントラバスのための)、パガニーニによせてひと言、涙サルヴァトーレ・アッカルド(ヴァイオリン)シルビー・ガゾー(ヴァイオリン)アラン・ムニエ(チェロ)フランコ・ペトラッキ(コントラバス)ブルーノ・カニーノ(ピアノ)ウィンチェスター・トロープス集より「アレルヤ」/ケージ:メロディNo.4/サンチェス=チョン:寝坊助たち1~3/ホリガー:ちいさな何か(アリスのお話)/J.S.バッハ:シャコンヌ(ヴァイオリンとチェンバロによる) 他パトリツィア・コパチンスカヤ(ヴァイオリン/バロック・ヴァイオリン/声)アリス・コパチンスカヤ(声)アントニー・ロマニュク(チェンバロ/トイピアノ) 他オクタヴィア・レコードOVCT-00120 ¥3200+税ナミ・レコードWWCC-7796 ¥2500+税TOWER RECORDS/ユニバーサル ミュージックPROC-1908/9(2枚組) ¥1714+税アルファAlpha211 ¥2900+税「レコード会社移籍の第1弾から、いきなりベートーヴェンの後期ソナタ集!?」という驚きで開封。だが、第30番のしなやかに振幅する歌い出しを聴いただけで、田部がこの曲をどれほど愛し長く弾き込んできたかが、そして移籍後初のアルバムにこの3曲を選んだ意図が伝わってきた。全編を通じ、瑞々しさと堅牢さが何の矛盾もなく調和。さりげない休符や音の繋ぎ目の一つひとつに、細心の配慮と万感の想いが込められている。ある巨匠は第32番の演奏後、アンコールで最終楽章をもう一度弾いたというが、この演奏なら2度でも3度でも喜んで聴きたい。そんな一枚だ。(渡辺謙太郎)東京芸大を経て、ユーフォニアム専攻の日本人では初めてパリ音楽院に入学。1等賞を得て卒業後、ソリストとして活躍する名手の2枚目のソロ・アルバム。これはナチュラルな美しさに充ちた名奏だ。5曲中4曲が編曲ものだが、いずれもオリジナル曲のように聴かせる。そこが何より素晴らしい。バッハは自然で格調高く、シュレックは滑らかなフレージングが快適。第3楽章の跳躍も鮮やかだ。シューマンとグリエールも表情豊かだし、唯一オリジナルのゴーランドの協奏曲は超絶技巧の中にも美観が宿る。愛好家の模範にとどまらず、純粋な鑑賞にもお薦めできるアルバムだ。(柴田克彦)ロッシーニの6曲の「弦楽のためのソナタ」は、わずか12歳のときに仲間と楽しむために作られた傑作集。その全曲を、パガニーニ弾きとして名高いアッカルドが、1978年に伊仏の若き名手たち(皆現在も活躍中)と録音した名盤。とにかく上手い。原曲通りヴィオラ抜きの四重奏編成で、第1に劣らずソロを弾きまくる第2ヴァイオリン(作曲者自身が担当した)など、全パートに難所が用意されているが、全員楽々クリア。冴え渡るテクニックから湧き出る愉悦感、品良く自在なカンタービレ、少人数ならではの爽快さ。カップリング曲では超絶技巧をサラリと披露。すべてが痛快。これぞロッシーニ!(林 昌英)デュオ小品24曲を集めたディスク。コパチンスカヤらしく最古の2重奏(ウィンチェスター・トロープス)から友人の作曲家の最近の仕事まで1千年の時を旅する壮大なスケール感だが、それは彼女の娘へ贈る愉快な旅路だ。舞台での“危険な”雰囲気は、子供の前でのおどけた表情や母親の愛おしい眼差しに変わる。野性味あふれる演奏を身上とする彼女だからこそ、根源的なエモーションに人一倍敏感なのだ。芸術とは喜怒哀楽の全てを表現するもので、演奏の度に新しい“生”を生きるべきものだ。最後の「シャコンヌ」(チェンバロとのデュオ)の爆発的な感情表現に、ヒューマンなメッセージを感じた。(江藤光紀)SACD

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