eぶらあぼ 2016.1月号
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166■第9回浜松国際ピアノコンクール結果 発表 2015年11月21日より浜松アクトシティで開催されていた第9回浜松国際ピアノコンクールの本選が12月5日と6日に同大ホールで行なわれ、6人の入賞者が次の通り発表された。今回のファイナリストは全体的にレベルが高く、順位の決定は難航を極め、第3位受賞者が3人選出される結果となった。第1位および聴衆賞:アレクサンデル・ガジェヴ(イタリア/20歳)第2位:ロマーン・ロパティンスキー(ウクライナ/22歳)第3位:アレクセイ・メリニコフ(ロシア/25歳)第3位:ダニエル・シュー(アメリカ/18歳)第3位:アレクシーア・ムーサ(ギリシャ/ベネズエラ/26歳)第4位および室内楽賞:フロリアン・ミトレア(ルーマニア/26歳)日本人作品最優秀演奏賞(委嘱作曲家:三輪眞弘、山根明季子):イーゴリ・アンドレエフ(ロシア/27歳)奨励賞:三浦謙司(日本/22歳) 1位に輝いたガジェヴには金メダルと賞状、賞金として300万円が贈られた。ガジェヴはブルーノ・マデルナ音楽院で学び、これまでにヴェネツィアプレミアピアノコンクール(2013)で優勝、ジーナ・バックアウアー国際ピアノコンクールのセミファイナリストといったコンクール歴がある。本選ではプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番を弾いた(共演は高関健指揮の東京交響楽団)。 浜松国際ピアノコンクールは3年に一度開催され、過去にアレクサンダー・ガヴリリュク、ラファウ・ブレハッチ、上原彩子、チョ・ソンジンらを輩出するなど、世界的に活躍するピアニストの登竜門として知られる。 浜松市がユネスコの「音楽創造都市」として認証されてから最初の開催となった今年のコンクールは、マルタ・アルゲリッチやアンジェイ・ヤシンスキら国際的な音楽家たちを審査員として招いたことでも話題を呼んだ。表彰式とその直後に開かれた記者会見で、審査委員長の海老彰子は「今回のレベルは本当に高く、自分がオーガナイザーであったら全員に1位をあげたいくらいです。(審査を務めていて)ほんとうに素晴らしいピアニストたちが育っているのを実感しています。浜松市がこのような素晴らしい国際コンクールを開いてくれることに感謝しています」と述べたあと、ガジェヴ1位の理由について「簡単にお答えできないのですが、ガジェヴさんの演奏が音楽的であったから、と申しておきましょうか」と語った。 1位のガジェヴは「優勝できて、光栄であるとともに、すでに責任も感じています。今後は自分なりの方法で、人間の能力の可能性を追求していきたいと思います」と受賞の喜びを述べた。浜松国際ピアノコンクール http://www.hipic.jp■ショパン国際ピアノ・コンクール優勝 のチョ・ソンジンらが会見 第17回ショパン国際ピアノ・コンクール優勝者の記者会見が2015年11月18日、ポーランド大使館で行われた。会見には、優勝者のチョ・ソンジン、審査員でピアニストの海老彰子らが出席した。 チョ・ソンジンは「ショパンの母国でショパンの曲を演奏し、ポーランドのオーケストラと演奏ができたことは、私にとって特別な体験。コンクールには多くの日本の方がいらしていて、ショパンは日本でとても愛されている作曲家なのだと感じた。サポートしてくれた日本の方々にお礼を申し上げたい」と語った。 審査員の海老彰子は「チョ・ソンジンさんは4月の予備審査の時点で、すでに素晴らしいピアニストとい左より)海老彰子・審査委員長、アレクサンデル・ガジェヴ鈴木康友・実行委員会会長記者会見でのチョ・ソンジン Photo:M.Otsuka/Tokyo MDE

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