eぶらあぼ 2015.12月号
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80第13回 東京音楽コンクール 優勝者コンサート力強く羽ばたく若き才能たちの熱演文:長井進之介パルマ王立歌劇場ライブビュー アンコール ヴェルディ・フェスティバル 特選上映映像で楽しむヴェルディの極上の舞台文:加藤浩子2016.1/11(月・祝)14:00 東京文化会館問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 http://www.t-bunka.jp12/17(木)~12/19(土) イタリア文化会館 アニェッリホール問 樂画会チケットデスク0120-954-618※上映時間などの詳細は右記ウェブサイトでご確認ください。 http://gakugakai.com これまでに多くの国内外で活躍する音楽家を輩出してきた東京音楽コンクール。2015年開催の第13回は、各部門に外国人審査員を迎えるなどし、新たなスタートを切った。その激戦を勝ち抜いた若き音楽家たちが卓越した演奏を聞かせる優勝者演奏会が、16年1月、新たな年の幕開けと共に東京文化会館で開催される。指揮は梅田俊明、管弦楽は東京フィルハーモニー交響楽団。 弦楽部門からはチェロの水野優也。桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)3年在学中と非常に若いが、既に第83回日本音楽コンクールの第3位入賞者でもある。「完璧な技術」、「人の心を動かす演奏」と評される音楽性を、シューマンのチェロ協奏曲で堪能しよう。 木管部門からは、13年より神奈川フィルハーモニー管弦楽団首席ファゴット奏者を務める鈴木一成。ファゴットという楽器の魅力が結集したフランセの パルマ王立歌劇場は、イタリア・オペラファンならぜひ訪れてみたい劇場だ。200年近い歴史を誇る山吹色の美しい劇場は、耳の肥えたファンが集まることでも知られる。彼らが愛してやまないのがヴェルディのオペラ。近郊で生まれ育ったヴェルディの「故郷」を自負するパルマでは、彼の誕生月である10月に「ヴェルディ・フェスティバル」が開催され、「Viva Verdi!(ヴェルディ万歳!)」のかけ声をかけようと待ち構えるファンの熱気が劇場に溢れる。 生誕200年のアニバーサリーイヤーだった2013年、この「ヴェルディ・フェスティバル」での上演を中心に、ヴェルディの全オペラが映像化され、大きな話題となった。このたび、そのハイライトがアンコール上映されることになったのは嬉しい限りである。演目は、初期の《ナブッコ》から後期の《アイーダ》までオペラ7作に、「レクイエム」を加えた計8作。 至高のヴェルディ・バリトン、レオ・ヌッチの至芸に酔える《ナブッコ》《マクベス》協奏曲で、評価の高い音楽性と構築性を味わいたい。 声楽部門からはバリトンの清水勇磨。日伊声楽コンコルソ、第12回東京音楽コンクール入選等の受賞歴もあり、多くの舞台で活躍の場を広げている。「説得力バツグン」と評される気迫に満ちた声で、ロッシーニのコミカルな《セ《リゴレット》(リゴレットのアンコールシーンは必見!)、歌手が揃って声のバトルが楽しめる《イル・トロヴァトーレ》、現代を代表するヴェルディ・テノール、フランチェスコ・メーリの美声が映える《仮面舞踏会》など、魅力的な演目が並ぶ。伝統美を前面に押し出した演出は、ファンヴィリアの理髪師》から〈私は街の何でも屋〉、ジョルダーノのシリアスな《アンドレア・シェニエ》から〈祖国の敵か〉、プッチーニの処女作《妖精ヴィッリ》から〈私の娘の聖なる魂よ〉と、多彩なアリアを聴かせてくれる。 新しい年を、力強く羽ばたく若き才能たちの熱演と共に迎えよう。の期待通りの美しさだ。バロック時代の円形劇場であるファルネーゼ宮殿で収録された「レクイエム」も味わい深い。 イタリアの伝統的な劇場の豪華で親密な空間で繰り広げられる、ヴェルディ・オペラの醍醐味。客席にみなぎる独特の熱気ともども、堪能したい。鈴木一成《仮面舞踏会》 © Roberto Ricci/Teatro Regio di Parma清水勇磨水野優也

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