eぶらあぼ 2015.12月号
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70©Gregor Hohenberg/Sony Classical International2016.1/8(金)19:00 紀尾井ホール問 ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 http://www.japanarts.co.jpグザヴィエ・ドゥ・メストレ(ハープ)これは、美しい音楽の旅です取材・文:寺西 肇Interview 繊細にして豪快。闊達にして優雅。ハープという楽器そのものの既成概念すら覆し、ウィーン・フィルのソロ奏者も務めたグザヴィエ・ドゥ・メストレ。新春の日本で、自身が「これは、美しい音楽の旅です」と語る、ハープ音楽の真髄とも言うべき色彩豊かなプログラムを披露する。 「私はハープを道具として見ています。つまり、私の感性を表現するにはハープが最高の方法だということです。舞台に立つときは、皆さんがハープに対して持たれている思い込みなどをすべて忘れて、同じ感情と感動的な音楽の旅を共にしてくれることを願っているのです」 ハープと音楽を語る言葉には、微塵の迷いもない。 「ハープとの出逢いは、8才の時。(最初の師である)ヴァッシリア・ブリアノ先生に、恋をしたからです。そして、私は独立心が旺盛で、舞台上で演奏するのも好きですから、自分の資質にも合っていたのでしょう。世の人は女性が弾くものと思い込んでいるかもしれませんが、歴史的には素晴らしい男性奏者が何人もいたんですよ。そもそも、楽器の形は女性的だし、男性が抱いて弾く方が、しっくりするのでは…」 今回のリサイタルでは、モーツァルトのピアノ・ソナタや、グリンカ、リスト、タレガ、デ・ファリャ、スメタナ、ドビュッシーなど多彩な編曲作品を中心に。 「新春なので、華やかで色彩が豊かなレパートリーを提案しました。ハープで表現が可能な、すべての色と雰囲気が披露できる“花火”のようなものを目指し、最近のアルバムでメインに置いた作品ばかりを選んだのです」 特にドビュッシーは「自分の心に近く感じる作曲家」だと言い切る。 「私がフランス人だからかもしれませんが、その優雅さと純粋さに惹かれます。彼は深みのある厳格な音楽家でした。ルバートのやり過ぎのような安っぽい効果は避け、ラインの純粋さや形式の完璧さに焦点を当てるべきです。それには大変な集中力と内面的な強さが必要ですが、それが可能になれば、情感が際立つのです」 そして、「私はとても幸運だと思います。ハープでは不可能だと考えられていたことを、成し遂げることができているのですから」と力を込める。 「ハープのレパートリーを増やすために、現代の作曲家にこの楽器のための作品を書いてほしいと願っています。ですから、来年8月にフィンランドの作曲家、カイヤ・サーリアホのハープ協奏曲をサントリーホールで世界初演(サントリーホール国際作曲委嘱シリーズ)できることに、今から興奮が抑えられません」12/29(火)15:00 神奈川県民ホール問 チケットかながわ0570-015-415 http://www.kanagawa-arts.or.jp神奈川県民ホール 年末年越しスペシャル ファンタスティック・ガラコンサート201510回目を迎えてひときわ華やかに!文:笹田和人 オペラとバレエ、そしてオーケストラ・コンサートと、3つの舞台芸術が一気に堪能できる“一粒で三度おいしい”ステージが好評を博している、神奈川県民ホールの『ファンタスティック・ガラコンサート』。10回目の節目となる今年は、これまでの集大成として、特に好評だった選りすぐりの演目を中心に。オペラ・ステージは、塩田美奈子(ソプラノ)、林美智子(メゾソプラノ)、望月哲也(テノール)に、司会も務める宮本益光(バリトン)と豪華な顔ぶれが揃い、ビゼー《カルメン》やオペレッタなどから、数々の名アリアを披露。そして、バレエ・ステージには、地元・神奈川出身で国際的にも高い評価を受ける上野水香が登場。バレエ版の《カルメン》など、華麗な踊りで魅せる。そして最後は、全ての演奏を担当する、松尾葉子指揮の神奈川フィルハーモニー管弦楽団が主役に。ピアノの外山啓介をソロに迎えてのガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」など、名旋律をたっぷりと聴かせてくれる。望月哲也Photo:Kohei Take宮本益光外山啓介©Yuji Hori上野水香林 美智子©Toru Hiraiwa
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