eぶらあぼ 2015.12月号
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5812/11(金)19:00 東京文化会館(小)問 プロアルテムジケ03-3943-6677 http://www.proarte.co.jpミュージック・イン・スタイル 岩崎 淑シリーズ Vol.38~木管五重奏とピアノの夕べ~ピアノと管楽器が織り成す華麗なソノリティ文:飯田有抄岩崎 淑 ©ケンゴ マエダ 日本の室内楽アンサンブルの発展に大きな貢献を続けるピアニスト、岩崎淑。『ミュージック・イン・スタイル』は岩崎が1976年から続けているシリーズで、委嘱作品を含めたバラエティ豊かな室内楽作品を、毎回多彩な奏者とのアンサンブルで聴かせる。38回目を数える今年は「木管五重奏とピアノの夕べ」。昨年は岩崎の不慮の事故による怪我で公演が中止・延期となったため、1年待ち望まれての開催だ。 ピアノと管楽器の室内楽として有名なモーツァルトの五重奏曲、プーランクの六重奏曲のほか、93年に委嘱・初演された野田暉行の木管五重奏とピアノのための「コンソナンス」が再演される。共演者は蠣崎耕三(オーボエ・読響首席奏者)、岡崎耕治(ファゴット・元N響首席奏者)、吉永雅人(ホルン・新日本フィル首席奏者)といった豪華な顔ぶれ。国内外で活躍する若手・上野由恵(フルート) や田中香織(クラリネット)も充実の響きを届けてくれるだろう。2016.1/22(金)19:00 紀尾井ホール問 紀尾井ホールチケットセンター03-3237-0061 http://www.kioi-hall.or.jp紀尾井 明日への扉 10 日にっぱし橋辰たつお朗(ホルン) 至難な楽器で未来を開く稀有の俊才文:柴田克彦 オーケストラ公演に接すると、時に存在が際立つ奏者と出会う。ホルンの日橋辰朗もその一人だ。1988年生まれの彼は、日本管打楽器&日本音楽コンクールで共に1位を獲得後、2013年日本フィルに入団。15年4月以降は読響の首席奏者を務めながら、室内楽などで引く手数多の活躍を続けている。彼の凄さは、ギネス級の難しさで知られる同楽器を巧みに吹きこなすだけでなく、作品の特質に沿った音楽を表現し得る点。日本人離れした発音とフレージングのなめらかさを駆使して、自在かつ多彩な演奏を聴かせる。 今回彼は、優秀な若手が選ばれる『紀尾井 明日への扉』に出演。管楽器奏者としては稀な同ホール主催のリサイタルというのも、破格の評価の証しだ。演目は、シューマンやR.シュトラウスを含むオリジナル作品ばかり。モダン楽器の特性をフルに生かした難曲と、ロマンティックに歌う作品が並ぶ濃密な内容も、実力と自信を反映している。この機会にホルンの貴重な才能を知り、豊麗でふくよかな音楽を満喫しよう!12/13(日)14:30 王子ホール問 プロアルテムジケ03-3943-6677 http://www.proarte.co.jp南なんにち日美奈子(ピアノ) リストの内面に焦点を当てる文:笹田和人 “ピアノの魔術師”の心に潜む光と陰をたどるステージとなりそうだ。南日美奈子は東京芸大・同大学院を経て、スイス・ジュネーヴ音楽院に学んだ実力派ピアニスト。幅広い分野で活躍を続けているが、特にリサイタルでは、フランツ・リストの内面に焦点を当てている。今回は、華やかな演奏活動から身を引き、苦悩の中で宗教に光を見出そうとした後半生を特集。「古いクリスマスの歌」「ポーランド風」ほか、晩年のリストが孫娘のために作った曲集「クリスマスツリー」からの曲をはじめ、「巡礼の年 第1年スイス」から「ヴァレンシュタットの湖で」、「伝説」から「小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ」、「バッハのカンタータ『泣き、嘆き、憂い、おののき』とロ短調ミサ『十字架につけられて』の動機による変奏曲」を弾く。さらに、リストと親交の深かったショパンの作品からは「夜想曲第18番」と、望郷の思いを込め、ポーランドのクリスマス・キャロルを忍ばせた「スケルツォ第1番」を添える。
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