eぶらあぼ 2015.12月号
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57マルク・ゴレンシュテイン(指揮) 東京交響楽団現代に相応しい鮮烈なチャイコフスキー像文:飯尾洋一第13回 ヘンデル・フェスティバル・ジャパン オラトリオ「イェフタ」ヘンデル絶筆の大作をノーカット上演文:寺西 肇第53回 川崎定期演奏会12/12(土)17:00 ミューザ川崎シンフォニーホール第636回 定期演奏会12/13(日)14:00 サントリーホール問 TOKYO SYMPHONY チケットセンター044-520-1511http://tokyosymphony.jp2016.1/11(月・祝)15:30 浜離宮朝日ホール問 アレグロミュージック03-5216-7131※講演会などの詳細は右記ウェブサイトでご確認ください。 http://handel-f-j.org ときにはロシア音楽にどっぷりと浸りたくなる。西欧の音楽とは一味違う迫真の感情表現と濃密な詩情。そんなロシア音楽の真髄を伝えてくれそうなのが、12月に東京交響楽団を指揮するマルク・ゴレンシュテインだ。ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ編)の交響詩「禿山の一夜」、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」、チャイコフスキーの交響曲第5番という、ずらりと人気曲を並べたオール・ロシア・プログラムが披露される。 マルク・ゴレンシュテインといえば、2002年から11年まで、スヴェトラーノフの後任としてロシア国立交響楽団の芸術監督兼首席指揮者を務めた実力者。11年にはそのロシア国立交響楽団とともに来日して好評を博している。ロシアの伝統に立脚しながらも、現代にふさわしい鮮烈なチャイコフスキー像を打ち建ててくれるのではないだろうか。 バロック期を代表する巨匠作曲家、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルの多様な作品を紹介し「メサイア」ばかりに偏った作曲家像を正してゆこうと、2003年にスタートしたヘンデル・フェスティバル・ジャパン(HFJ)。13回目となる今年は「晩年のヘンデル」をテーマに、実質的には最後の大作であるオラトリオ「イェフタ」(HWV70)全3幕を、演奏会形式でノーカット上演する。 1751年1月、66歳を目前にしたヘンデルは、新作オラトリオ「イェフタ」の作曲に着手。しかし、体調不良による中断もあり、完成したのは半年以上を経た8月末であった。旧約聖書の記述に基づいて、自らの戦勝と引き換えに愛娘の命を要求された軍師イェフタの苦悩を描き、「主の定めには、何人たりとも逆らえぬ」と知らしめる物語。ヘンデルは、この主題の意味を作曲中、身をもって知ることに。第2幕の最後に置かれた合唱曲の自筆スコアには、「左眼の視力減退で、これ以上、作曲 ラフマニノフで独奏を務めるピアニスト、セルゲイ・カスプロフも気になる存在だ。モスクワ音楽院でアレクセイ・リュビモフに師事し、さらにパリのスコラ・カントルム音楽院でも学んだ気鋭で、鬼才アファナシエフをして「腹の底からモすることが叶わない」と記されている。 今回も、HFJ実行委員長で、ヘンデル研究の第一人者の三澤寿喜が指揮。イェフタを歌う辻裕久をはじめ、冨山みずえ(娘イフィス)、山下牧子(ヘイマー)、波多野睦美(妻ストルジェ)ら実力派声楽陣が顔を揃える。そして、古楽器によるスクワ音楽院仕込み」「これほどの才能をもったピアニストをほかに知らない」とまで言わしめた人物である。一癖も二癖もあるアファナシエフが絶賛するとは、どういうピアニストなのだろう。大きな驚きが待っているかもしれない。キャノンズ・コンサート室内管弦楽団は、コンサートマスターの川久保洋子、首席チェロ奏者の懸田貴嗣ら、ヨーロッパの一線アンサンブルでも活躍する名手が集結。また、ステージに先立つ12月13日には、三澤がこの作品の聴きどころを解説する講演会も催される。セルゲイ・カスプロフマルク・ゴレンシュテイン辻 裕久山下牧子波多野睦美©Hideya Amemiya三澤寿喜
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