eぶらあぼ 2015.12月号
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50ハンガリー国立ブダペストオペレッタ&ミュージカル劇場 ガラコンサート歌あり、踊りありの彩り豊かなエンターテインメント文:笹田和人アラン・ギルバート(指揮) 東京都交響楽団キーワードは“追悼”と“伝説”文:飯尾洋一12/30(水)19:00 東京国際フォーラム ホールC問 キョードー東京0570-550-799 http://kyodotokyo.com第801回 定期演奏会Bシリーズ2016.1/26(火)19:00 サントリーホール都響スペシャル2016/1/27(水)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 都響ガイド03-3822-0727 http://www.tmso.or.jp ハプスブルク帝国がもたらした文化の伝統を受け継ぐ、ハンガリー最古のオペレッタ劇場として、ウィーンと比肩する質の高いステージを提供し続ける国立ブダペストオペレッタ&ミュージカル劇場。オペレッタにとどまらず、ミュージカルの上演も手掛け、クロード=ミシェル・シェーンベルクや、現代ハンガリーの巨匠作曲家シルヴェスター・リーヴァイとも深い関わりを持ってきた。そんな名門による、名旋律を一杯に詰め込んだ年末のガラコンサート。一足早く、華やかな新春の訪れを告げる。 今回は、名門リスト音楽院に学んだ、 2011年7月の初共演でセンセーションを巻き起こしたアラン・ギルバートが、ふたたび都響の指揮台に帰ってくる。ニューヨーク・フィル音楽監督を務めるアラン・ギルバートが日本のオーケストラを指揮するというだけでも話題性は十分だが、さらに興味深いのが考え抜かれたプログラムだ。 武満徹の「トゥイル・バイ・トワイライト-モートン・フェルドマンの追憶に-」、シベリウスの交響詩「エン・サガ(伝説)」、そしてワーグナー(ギルバート編)の「指環の旅~楽劇《ニーベルングの指環》より」。時代も国も異なる3曲を並べながら、あたかも一冊の長篇小説を紐解くような、相互の関連性を持ったプログラムとなっている。 キーワードとなるのは“追悼”と“伝説”。武満徹の作品は同時代のアメリカの作曲家フェルドマンの死を悼む音楽であると同時に、「トゥイル・バイ・トワ音楽監督のラースロー・マクラーリが指揮。フランコ・テュンデ、モーニカ・フィシュル、アンナマリ・ダンチ(以上ソプラノ)、ジョルト・ヴァダース、ミクローシュ・マーテー・ケレーニ(以上テノール)と、同劇場が誇る実力派歌手陣が総出演する。ステージは、J.シュトラウスⅡ《こうもり》から〈シャンパンの歌〉、レハール《微笑みの国》から〈君こそわが心のすべて〉など、甘美なオペレッタの名旋律が花盛り。エンターテインメント性もイライト(=黄昏の綾織り)」として、後半の「指環」での「神々の黄昏」を想起させる。シベリウスの「エン・サガ」が題材とする伝説は明らかではないが、その音楽は英雄の闘争とその悲劇的運命を表現する。そしてワーグナーの超大作をオーケストラ作品として再構成した「指環の旅」では、北欧神話を題材に神と英雄、権力と愛の物語が壮大なスケールで描かれる。 ワーグナーの長大な楽劇《ニーベルングの指環》をオーケストラ作品として演奏する試みはこれまでにもいくつかあった。アラン・ギルバートは、どの場面を選び、どう組み立てるのか。その手腕にも注目したい。たっぷり盛り込み、彩り豊かに披露する。 そして、オペラとミュージカル、両方のフィールドで大活躍の気鋭のテノール、田代万里生もゲストとして登場。その田代は「僕は司会も担い、リーヴァイのミュージカル『エリザベート』から〈夜のボート〉と〈闇が広がる〉を、原語(ドイツ語)歌唱で、海外組とデュエット。 他にも数曲歌う予定です。これは、とても貴重な体験。お見逃し&お聴き逃しなく!」と張り切っている。フランコ・テュンデモーニカ・フィシュルアンナマリ・ダンチジョルト・ヴァダースミクローシュ・マーテー・ケレーニアラン・ギルバート ©Pascal Perich

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