eぶらあぼ 2015.12月号
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びわ湖ホールチケットセンター077-523-7136 https://www.biwako-hall.or.jp/滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールは、関西随一のオペラ劇場として、一流のオペラやバレエに加えコンサートも開催。また、国内外の実力派アーティストが充実したアンサンブルやソロも披露するほか、講座なども開催しています。このコーナーではびわ湖ホールで行われる注目公演をご紹介します。びわ湖ホールPreview 人は彼を「完璧主義者」と呼ぶ。しかし、その本質は、彼の経験すべてを採り込みつつ、深化し続ける音創りにこそある。流麗なテクニックと孤高の音楽性で、世界中の聴衆を魅了し続けるピアノのクリスチャン・ツィメルマン。新春の日本を駆け抜けるリサイタル・ツアーは、シューベルトをテーマに、その草創期から最晩年の集大成に至るまで、珠玉の作品群を携えて。その大いなる旅の掉尾を飾るのが、びわ湖でのリサイタルとなる。 1975年にショパン国際ピアノコンクールを制し、今や「ポーランドが生んだ、現代最高峰の巨匠」と評されるツィメルマン。78年に初来日を果たして以降、数年おきに日本ツアーを敢行している。彼はツアーごとに必ず、一貫したテーマを持ったプログラムを用意。ツアー先での出来事や移動の2016.1/16(土)17:00 びわ湖ホール 大ホール途上に目にする風景など、すべての経験を織り込んで、自在かつしなやかに音楽を変貌させてゆく。びわ湖ホールにはショパン生誕200年の2010年に初登場、入魂のオール・ショパン・プログラムを聴かせて、大きな喝采を浴びた。 夭折の天才作曲家を題材とした、今回のジャパン・ツアー。「7つの軽快な変奏曲」といった、うずもれていた少年期の作品から、その生涯を閉じる直前まで命を注ぎ続けた最晩年のソナタ三部作のうち、温かな雰囲気を持った大作・第20番と、静謐な歌心に満ちた遺作・第21番を取り上げる。その終着点に選ばれたのが、びわ湖ホールでのステージ。旅の締め括りに、彼は果たして、どんな答えを見出だすのか。©KASSKARA/DG文:笹田和人特別コンサート クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタルシューベルトの旅路の終着点 厳しい選抜を経たプロの声楽家たちで組織された、びわ湖ホール声楽アンサンブル。1998年春に設立、同ホールでのオペラ公演をはじめ、多くのステージで素晴らしい歌声を披露している。そんな彼らがオペラだけでなく、様々なジャンルの声楽曲をお届けする東京公演を2007年度から実施。8回目となる今回は、「日本合唱音楽の古典」第4弾を届ける。少年期に合唱団に所属、「音楽活動の原点は歌」と自負する同ホール芸術監督の沼尻竜典が、未来へと歌い継ぐべき作品を選りすぐる人気シリーズだ。ピアノは沼尻が厚い信頼を寄せる渡辺治子。まず、廣瀬量平の名作・混声合唱組曲「海の詩」を。そして、シリーズでは必ず取り上げる沼尻の師・三善晃の作品から、女声合唱のための「三つ2016.2/9(火)19:00 東京文化会館 小ホールの抒情」を披露。さらに、盟友・寺嶋陸也が混声合唱曲に編曲した、ジブリ映画『紅の豚』の挿入曲「さくらんぼの実る頃」ほかを。そして、沼尻が少年時代の合唱団の頃から40年以上にわたって親交のある湯山昭による、アイヌ民謡や北海道の自然描写を織り込んだ、混声合唱とピアノのためのバラード「コタンの歌」で締め括る。沼尻竜典 ©RYOICHI .ARATANI文:笹田和人びわ湖ホール声楽アンサンブル 東京公演 Vol.8日本合唱音楽の古典Ⅳ音楽活動の原点は“歌”びわ湖ホール声楽アンサンブル

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