eぶらあぼ 2015.12月号
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34リッカルド・ムーティ(指揮) 日伊国交樹立150周年記念オーケストラ3/16(水)19:00 東京文化会館3/17(木)19:00 東京芸術劇場コンサートホール《ニーベルングの指環》第2日《ジークフリート》(演奏会形式)4/7(木)、4/10(日)各日15:00 東京文化会館デュリュフレ「レクイエム」4/17(日)15:00 東京文化会館11/23(月・祝)発売東京・春・音楽祭 —東京のオペラの森2016—2016.3/16(水)~4/17(日) 東京文化会館、上野学園石橋メモリアルホール国立科学博物館、東京国立博物館 他問 東京・春・音楽祭チケットサービス03-3322-9966※音楽祭の各公演の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。http://www.tokyo-harusai.com 2016年の『東京・春・音楽祭』の概要が発表された。今や春の上野の風物詩となった「東京春祭」だが、来年のプログラムは例年にも増して魅力的な公演がそろっている。 まず目玉公演となるのはワーグナー・シリーズの《ジークフリート》演奏会形式。《ニーベルングの指環》4部作を毎年一作ずつ上演するシリーズの第3回となる。ワーグナーを知悉する名匠マレク・ヤノフスキがNHK交響楽団を指揮する。前2作でも緊迫感と推進力にあふれたワーグナーを聴かせてくれたヤノフスキとN響だけに、今回も大いに期待できるのではないだろうか。ジークフリートにアンドレアス・シャーガー、ブリュンヒルデにエリカ・ズンネガルド、さすらい人にエギルス・シリンス、ミーメにゲルハルト・シーゲル他、歌手陣も強力。来夏には《ニーベルングの指環》でバイロイト音楽祭に登場するヤノフスキだが、東京では一足先に彼の《ジークフリート》を堪能できることになる。 リッカルド・ムーティがこの音楽祭に帰ってくるのも朗報だ。日伊国交樹立150周年記念オーケストラを指揮する。これはムーティが10年以上にわたって育成してきたケルビーニ管弦楽団のメンバーと日本の若手トップ奏者たちが集まった特別編成のオーケストラで、ヴェルディを中心にオペラの序曲や聴きどころを演奏する。イルダール・アブドラザコフのバス、ロベルト・ガッビアーニらの合唱指揮による東京オペラシンガーズ他も加わって、コンサートで聴くイタリア・オペラの醍醐味を余すところなく伝える。 もうひとつ、この音楽祭の柱となっているのが『合唱の芸術シリーズ』。シリーズ3回目となる今回は、デュリュフレの「レクイエム」がとりあげられる。イギリスのレオ・フセインが東京都交響楽団、東京ムーティ指揮の日伊国交樹立150周年記念公演で開幕!オペラシンガーズ他と共演する。指揮のレオ・フセインは以前N響とも好演を聴かせてくれた新鋭で、ザルツブルク州立劇場音楽監督を務めるなど、コンサートとオペラの両分野で活躍している。デュリュフレのこのうえもなく清澄な祈りの音楽が、深い感銘を与えてくれるにちがいない。 これら3つの公演に加えて、テノールのクリストフ・プレガルディエン、メゾソプラノのタラ・エロート、バス・バリトンのトマス・コニエチュニーを招く『歌曲シリーズ』や、作曲家でもあり作家でもあるピアニスト、レーラ・アウエルバッハが自作を演奏する『24の前奏曲シリーズ』、Variations(変奏)をテーマにした恒例『マラソン・コンサート』、美術館・博物館を舞台とする『ミュージアム・コンサート』、レスピーギの知られざる素顔に光を当てる『ディスカヴァリー・シリーズ』など、興味深い企画が目白押しとなっている。 多彩なラインナップを前に、早くも春の訪れが待ちきれない。東京・春・音楽祭 —東京のオペラの森2016—文:飯尾洋一リッカルド・ムーティ ©Silvia Lelliレオ・フセイン ©Marco Borggreveタラ・エロート ©Christian Kaufmannマレク・ヤノフスキ ©Felix Broede

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