eぶらあぼ 2015.12月号
211/225

280ララに林ゆりえと渡辺恭子、王子に吉瀬智弘、浅田良和という進境著しい顔ぶれを配したのが魅力だ。 『くるみ割り人形』は全国的にクリスマスの風物詩として定着しているが、京都では、有馬龍子記念京都バレエ団が、有馬えり子振付のフランスのエスプリ溢れた舞台を披露する。 神戸の貞松・浜田バレエ団は、特別公演として、「お伽の国」と「お菓子の国」の2つのバージョンを2日間にわたって上演。貞松正一郎ほかの振付。瀬島五月とアンドリュー・エルフィンストン、川﨑麻衣、水城卓哉らの活躍が期待される。 どれを観ようか、迷ってしまいそうな盛況ぶりだ。年末年始の『くるみ割り人形』 今年ももうすぐチャイコフスキー作曲『くるみ割り人形』の季節。 外来は、芸術の都サンクトペテルブルグから2団体。ロシア国立サンクトペテルブルグ・アカデミー・バレエが12月に4年ぶりに来日するほか、本誌9月号で既報の名門バレエ学校ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーが、新春早々やってくる。いずれも定評あるワイノーネン版を上演。本家ならではの伝統の香り高い舞台を楽しませてくれそうだ。 国内のバレエ団は、11月末から12月末までの公演をいくつか日程順に紹介していくと、都内でトップを切るのが11月のNBAバレエ団。9月の『ドン・キホーテ』で活気あるステージを展開したのに続いて、久保綋一芸術監督によるファンタジー溢れる舞台をお届けする。松山バレエ団の清水哲太郎版は初演から33年目を迎え、森下洋子らの主演で各地で公演を行う。 井上バレエ団はファーマーの美術、関直人振付で制作、今年はボストンバレエ団のプリンシパル、パウロ・アハイスが王子役で登場するのが注目だ。 Kバレエ カンパニーは、熊川哲也演出の“赤坂Sacasバージョン”がスタートして8年になり、世界的プリマの中村祥子が宮尾俊太郎を相手にマリー姫を初披露するのが待ち遠しい。 東京シティ・バレエ団は、江東区で生まれ育った石井清子による版を上演して今年で30年。金平糖の女王に志賀育恵と清水愛恵、コクリューシュ王子に黄凱とキム・セジョンという充実の配役。初日は特別バージョンが組まれる。  新国立劇場バレエ団は、おなじみの牧阿佐美版。実力派プリンシパルたちと並び、柴山紗帆、木村優里、井澤駿ら新鋭たちが主演、英国ロイヤル・バレエからムンタギロフが客演するなど多彩な組み合わせが楽しめそうだ。 創立50周年のスターダンサーズ・バレエ団は、9月のチューダー特集を成功裏に終えたのに続き、鈴木稔の創意溢れた『くるみ割り人形』を再演。主役のク〜魅惑の公演がずらり ! 〜セレクト・文:渡辺真弓新国立劇場バレエ団公演より photo by Hidemi Setoご紹介した『くるみ割り人形』の公演情報はP292の『くるみ割り人形』公演情報一覧をご覧ください。DANZA Selection

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です