eぶらあぼ 2015.12月号
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210ミュンヘン音大に学び、現地での活躍を経て、帰国後も幅広く活動を続けるピアノの石井啓子。1987年から毎年続けているアンサンブルシリーズは、多彩な演目と妙技で好評を得ている。その第26弾は、ヴァイオリンの石井啓一郎と石突美奈、チェロ桜庭茂樹、フルート石井陽子が共演。モーツァルトの第4番とブラームスの第1番、ヴァイオリンに代わってフルートを配したウェーバーの3つのピアノ三重奏曲を軸に披露する。ソリストやコレペティの名手として知られるピアノの松本隆彦、N響ヴァイオリン奏者の降旗貴雄、山響チェロ奏者の渡邊研多郎によるピアノ・トリオ「上野三重奏」。東京芸大附属高校の同窓3人が、出逢いの地をグループ名に冠し、「室内楽の楽しさを」と2012年に立ち上げた。今回も、ハイドンの第25番「ジプシー・ロンド」、ドヴォルザークの第4番「ドゥムキー」、ショスタコーヴィチの第1番と多彩に。日本とスウェーデンの血を受け継ぎザルツブルクに生まれた、ウィーン国立歌劇場管弦楽団とウィーン・フィルで活躍する気鋭のチェリスト、ヘーデンボルク・直樹。12歳でモーツァルテウム管弦楽団と共演し、数々の登竜門でも実績を重ねた。国際的に活躍するピアノの佐藤朋子と共演するステージ。ベートーヴェンのソナタ第3番、ヤナーチェク「おとぎ話」、ドヴォルザーク「森の静けさ」を豊かな音色で響かせる。藤井隆史と白水芳枝、2人の名手が、2004年にドイツで結成した「ピアノデュオ ドゥオール」。今回は、バッハの「ゴルトベルク変奏曲」を、ドイツ・ロマン派の作曲家でオルガニストのヨーゼフ・ラインベルガーが1883年に編曲した、2台ピアノ版で演奏する。削ぎ落とされたスコアに、あえて創意豊かな対旋律や和声を加えて得られる、鮮烈な響きの世界。不朽の傑作に、新たなイマジネーションの翼が授けられる。月の12石井啓子(ピアノ)アンサンブルシリーズ 26堀 了介 & 堀 沙也香チェロ Duo コンサートピアノデュオ ドゥオール CD発売記念2台のピアノのためのゴルトベルク変奏曲ウィークデーコンサートシリーズ 第39回ヘーデンボルク・直樹(チェロ)春秋座オペラ第6弾歌劇《セヴィリアの理髪師》上野三重奏第1回越谷公演12/2(水)19:00東京文化会館(小)12/10(木)19:00浜離宮朝日ホール12/3(木)19:00 兵庫県立芸術文化センター(小)12/21(月)19:00 東京文化会館(小)12/2(水)11:30フィリアホール12/12(土)、12/13(日)各日14:00京都芸術劇場 春秋座12/7(月)14:00越谷市中央市民会館 劇場文:笹田和人親密で温かな雰囲気に満ちたステージになるはず。日本を代表する名チェリストの1人で、国内外で精力的に活躍する堀了介が、新進チェリストとして注目される娘の沙也香と“競演”するデュオ・コンサート。ピアノの小森谷裕子の共演を得て、ショスタコーヴィチ「5つの小品」やケーラー「花のワルツ」などを2人で聴かせるほか、ベートーヴェンのソナタ第2番など、父娘それぞれのソロの音色も楽しめる。歌舞伎劇場としての機構を生かし、“声”の魅力を大切にした演出が好評を得ている「春秋座オペラ」。今回は、数々の名旋律に彩られた、ロッシーニによる喜劇の傑作《セヴィリアの理髪師》を今井伸昭の演出で上演する。奥村哲也の指揮で、主役の伯爵には竹内直紀(12日)と中川正崇(13日)。ヒロインのロジーナを、ソプラノの川越塔子(12日)とメゾソプラノの郷家暁子(13日)が演じ分けるのも、要注目だ。掘 了介掘 沙也香川越塔子郷家暁子©Serban Mestecaneanu

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