eぶらあぼ 2015.12月号
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2002月の見もの・聴きもの2016年2月の曽そし雌裕ひろかず一 編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場2月1日 R.シュトラウス:アラベラ 指/C.マイスター、演出/S.E.ベヒトルフ、出/W.バンクル、A.ハルテロス、T.コニエチュニ2月4日 〔オーパーンバル(オペラ舞踏会)〕2月7、10日 プッチーニ:トスカ 指/P.ランゲ、演出/M.ヴァルマン、出/A.ゲオルギュー、J.デ・レオン、E.ニキーティン◎2月9、13、18、21日 ドヴォルザーク:ルサルカ 指/T.ネトピル、演出/S.E.ベヒトルフ、出/K.F.フォークト、E.ツィトコヴァ、パク・ジョンミン、K.ストヤノヴァ2月12、17、20、24日 モーツァルト:コジ・ファン・トゥッテ 指/T.ネトピル、演出/R.デ・シモーネ、出/C.ウェンボーン、M.グリツコヴァ/S.ハウツィール(20/24日)2月14、19、22、25、28日 マスネ:マノン 指/F.シャスラン、演出/A.シェルバン、出/D.ダムラウ、R.ヴァルガス◎2月23、26日 グノー:ロメオとジュリエット指/M.アルミリアート、演出/J.フリム、出/M.レベカ、J.D.フローレス2月29日 ロッシーニ:セビリャの理髪師 指/M.アルミリアート、演出/G.レンネルト、出/P.コルガティン、A.シュラメクウィーン・フォルクスオーパー(主要公演のみ)2月3(19:00)、5(19:00)、9(19:00)、26(19:00)、29(19:00)日 ヴェルディ:椿姫 演出/H.グラツァー2月4(19:00)、11(19:00)、15(19:00)日 カールマン:伯爵夫人マリツァ 演出/T.エンツィンガー2月6(19:00)、8(19:00)、19(19:00)、25(19:00)日 ヨハン・シュトラウス:ヴェニスの一夜 演出/H.ホルストコッテ2月7(16:30)、14(19:00)、18(19:00)日 ドニゼッティ:ヴィーヴァ・ラ・マンマ 演出/R.ヴィリャソン2月12(19:00)日 ヨハン・シュトラウス:こうもり演出/R.ヘルツル、新校訂演出/H.ツェドニク2月13(19:00)、16(19:00)、17(11:00)、22(19:00)、28(19:00)日 F.レーヴェ:マイ・フェア・レディ(ミュージカル) 演出/R.ヘルツル★2月20(19:00)、27(19:00)日 W.R.ハイマン:会議は踊る(オリジナルはE.シャルレ監督によるオペレッタ映画)[プレミエ] 演出/R.マイヤーアン・デア・ウィーン劇場(主要公演のみ)★◎2月19(19:00)、21(19:00)、23(19:00)、26(19:00)、28(19:00)日 ロッシーニ:オテロ[プレミエ] 指/A.マナコルダ、演出/D.ミキエレット、出/J.オズボーン、N.マチャイゼ、V.ドミトルーク、演奏/ウィーン響◎2月24(19:00)日 ヘンデル:オルランド(演奏会形式) 指/H.ビケット、出/I.デイヴィス、E.モーリー、S.クック、C.サンプソン、演奏/イングリッシュ・コンサートウィーン・フィル[会場:無印=ムジークフェライン(ウィーン)、(M)=フィルハーモニー[ガスタイク](ミュンヘン)、(P)=シャンゼリゼ劇場(パリ)、(BP)=ベラ・バルトーク・コンサートホール[芸術宮殿](ブダペスト)、(NY)=カーネギーホール(ニューヨーク)]2月10(20:00)(M)、12(20:00)(P)、28(14:00)(NY)日 V.ゲルギエフ指揮 モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番「ジュノーム」(10/12日)/ワーグナー:パルジファル〜第1幕への前奏曲・聖金曜日の音楽(28日)、チャイコフスキー:マンフレッド交響曲 独/ユジャ・ワンp(10/12日)2月20(15:30)、21(11:00)、27(20:00)(NY)日V.ゲルギエフ指揮 ムソルグスキー:ホヴァンシチナ〜前奏曲、O.ノイヴィルト:Masaot/針のない時計、ワーグナー:神々のたそがれ〜夜明け・ジークフリートのラインの旅・ジークフリートの死と葬送行進曲・ブリュンヒルデの自己犠牲 独/H.メルトン(ソプラノ)2月22(19:30)、23(20:00)(BP)、26(20:00)(NY)日 V.ゲルギエフ指揮 ワーグナー:さまよえるオランダ人〜序曲、ドビュッシー:海、ムソルグスキー(ラヴェル編曲):展覧会の絵ウィーン響[会場:(MV)=ムジークフェライン(ウィーン)、(KH)=コンツェルトハウス(ウィーン)、(TW)=アン・デア・ウィーン劇場(ウィーン)、(FB)=コンツェルトハウス(フライブルク)、(MH)=ローゼンガルテン(マンハイム)、(MA)=アウディトリオ・ナシオナル・デ・ムジカ(マドリード)、(AL)=アウディトリオ・デ・ラ・ディプタシオン(アリカンテ/スペイン)、(GI)=サラ・シンフォニカ[アウディトリ](ジローナ/スペイン)、(ZA)=アウディトリオ(サラゴサ/スペイン)、(BA)=サラ・パウ・カザルス[ラウディトリ](バルセロナ)、(S)=祝祭大劇場(ザルツブルク)]2月1(20:00)(FB)、2(20:00)(MH)日 P.ジョルダン指揮 ドヴォルザーク:謝肉祭(序曲)、ヴァイオリン協奏曲、シューマン:交響曲第2番(1日)/ブラームス:交響曲第2番(2日)独/H.ハーンvn2月11(19:30)(MA)、12(20:00)(AL)、14(19:00)(GI)、15(20:15)(ZA)、16(20:30)(BA)、17(19:30)(S)、18(19:30)(S)、19(19:30)(S)日 A.フィッシャー指揮 モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」、ハイドン:チェロ協奏曲第1番、ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」 独/I.サボーvc(11/12/14/15/16日)【本文中の記号】★=プレミエ[新演出]公演、◎=注目公演 今年も,恒例の独OPERNWELT誌による年間オペラ優秀賞(2014/15シーズン)が発表になっている。それによると、年間最優秀オペラハウスは、アンサンブルの水準とインテンダントの手腕が評価されたマンハイム国立劇場とフランクフルト歌劇場。年間最優秀演出は、シュトゥットガルト歌劇場で上演された、アンドレア・ブレート演出によるリーム作曲の「ヤーコブ・レンツ」。最優秀歌手(女声)は、1996年以来20年近くにわたり欧米での10以上の演出でベルクの「ルル」役を歌い続けているソプラノのマルリス・ペーターゼン。その他、最優秀演出家はハンス・ノイエンフェルス(バイエルン州立歌劇場でのプッチーニの「マノン・レスコー」などが評価の対象)といった名前が挙がっている。 さて、2月の注目公演だが、その前に現在改修中の劇場が、ドイツではベルリン州立歌劇場、ケルン歌劇場、フランスではオペラ・コミーク、スイスではジュネーヴ大劇場、ベルギーではモネ劇場、等々たくさん存在するので、代替会場等改めてご注意いただきたい。 その改修工事が遅れて、いったん再オープンが発表されたにもかかわらず、結局さらに2シーズンの工事延長となったケルン歌劇場は、代替会場のシュパーテンハウスで、ブラウンフェルスの「ジャンヌ・ダルク-聖女ヨハンナの生涯から」をツァグロゼクの指揮でプレミエ上演する。演出は注目株のギュルバカでもあり、玄人好みの演目ではあるが、指揮・演出ともに注目公演。ツァグロゼクと同じく、近現代の演目を得意とする指揮者インゴ・メッツマッハーは、パリ・オペラ座でR.シュトラウス「カプリッチョ」、オランダ国立オペラでムソルグスキーの「ホヴァンシチナ」の指揮台に立つ。今回は現代曲というわけではないが、メッツマッハーの指揮するオペラはいずれも目が離せない。 2月の公演で、さらに目にとまる指揮者はマルク・ミンコフスキ。手兵のレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル・グルノーブルとはメンデルスゾーンの交響曲3番・4番などを演奏するが、その他に客演公演として、ウィーン響とのグリーグ「ペール・ギュント」全曲、ベルリン・コンツェルトハウス管とのワーグナーやフランクなども大変興味深い。 古楽系では、アーノンクール=ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのモーツァルト特集はもちろんのこと、アン・デア・ウィーン劇場でビケット指揮のヘンデル、ベルギーのシルク・ロワイヤル(モネ劇場の代替会場)でのヤーコプス指揮のガスマンのオペラ、トゥールーズ・キャピトル劇場でのウィリアム・クリスティ指揮のカンプラ「ヴェネツィアの宴」など、大御所の活躍が目立つ。 一方、ベルリン・フィルを振るラトルの2月公演は、プーランク、ケクラン、ラヴェル、ルーセルなどのフランス物をふんだんに盛り込み、各地で続けているベートーヴェンの交響曲ツィクルスと対照的なプロを披露する。また、ベルリン・コーミッシェ・オーパーで「オッフェンバック・フェスティバル」と称して上演される一連のオッフェンバック作品や、シェイクスピア没後400年の2016年を意識した公演(アン・デア・ウィーン劇場のロッシーニ「オテロ」やベルリン古楽アカデミーの「シェイクスピアと音楽」など)も要注目。他には、ヘンゲルブロック(ハンブルク北ドイツ放送響)、シャイー(ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管)とロト(SWR響)の指揮するマーラーの交響曲(9番、10番、3番)、ティーレマン=シュターツカペレ・ドレスデンのベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」、テアトロ・レアルでホルテン演出で上演されるワーグナー「恋はご法度(恋愛禁制)」等々、注目公演はまだまだ続く。(曽雌裕一・そしひろかず)(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)
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