eぶらあぼ 2015.11月号
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51東京文化会館 《響の森》vol.37 ニューイヤーコンサート 2016新年の幕開けを、熱演で祝う文:渡辺謙太郎ALTI芸術劇場 Vol.25 琳派四百年記念演奏会 クリスチャン・レオッタ ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全曲演奏会 1st stageベートーヴェンのスペシャリストによる決定版ツィクルス文:笹田和人2016.1/3(日)15:00 東京文化会館問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 http://www.t-bunka.jp1st stage12/5(土)14:00 第10番・第3番・第30番・第23番「熱情」12/9(水)19:00 第17番「テンペスト」、第13番・第19番・第29番「ハンマークラヴィーア」12/12(土)14:00 第1番・第14番「月光」・第25番・第28番12/20(日)14:00 第6番・第15番「田園」、第22番・第31番京都府立府民ホール“アルティ”問 京都府立府民ホール“アルティ”075-441-1414 http://www.alti.org※2nd stage(全5回)の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。 「今年もクラシック音楽界は大いに盛り上がるに違いない」。そんな予想と期待を確信に変えてくれる、正月恒例のイベントが東京文化会館の『ニューイヤーコンサート』だ。管弦楽は同館に本部を置く東京都交響楽団。指揮は同館の音楽監督を務める小林研一郎で、この『ニューイヤーコンサート』には2年連続の登場となる。 プログラム前半は、前回と同じく若手実力派との共演。15年の公演ではヴァイオリニストの木嶋真優をソリストに迎えたが、16年はピアニストの金子三勇士が登場し、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を共演する。小林は金子の才能を早くから評価し、温かく見守り続けてきた間柄。13年には同曲の録音も実現し(管弦楽はロンドン・フィル)、迫力満点の演奏を聴かせてくれた。あの感動から約3年、小林の情熱的な指揮と、金子の冷静で精密なピアノが、それぞれどのように進化 クリスチャン・レオッタは、欧米をはじめ世界中の楽壇から熱い注目を集めるイタリアの実力派ピアニスト。今年12月と来年4月~5月の2期(1st stage&2nd stage)に分けて、京都府立府民ホール“アルティ”を舞台に、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏に挑む。 7歳でピアノを始め、バッハ演奏の権威であるロザリン・テューレックに師事。その師は「生まれながらの驚くべき音楽性」と愛弟子を評した。今や「最も優れたベートーヴェン弾きの1人」と評される彼は、2002年(22歳)にカナダ・モントリオールにおいてベートーヴェンのソナタ全曲演奏を完遂して以来、この壮大なツィクルスを欧米で13回にもわたり披露した。この功績が称えられ、04年にはイタリア共和国大統領より功労賞を授与されている。また、カナダのアトマ・クラシック・レーベルよりベートーヴェン・ツィクルスのCDをリリース。こちらも国際的に高い評しているかが楽しみだ。 そして後半は、「炎のコバケン」の異名で知られる小林の十八番のひとつ、ブラームスの交響曲第1番。特別客演指揮者を務める読売日本交響楽団とは現在ブラームス交響曲全集を録音中で、14年4月に東京芸術劇場で行っ価を得ている。まさにベートーヴェンのスペシャリストだ。 「毎公演、必ずタイトル付きの作品を含め、各期の作品をバランスよく構成したい」との本人の意図から、第14番「月光」・第23番「熱情」・第29番「ハンマークラヴィーア」は2期共通で演奏される。「これらのソナタは、作曲家の内面のみならず、社会的な状況も色濃く投影。これを弾くのは単に演奏ではなく、人類へメッセージを伝えること」と熱く語るレオッタ。変幻自在の表現力で、響きの宇宙を形創る。た第1番のセッション録音が大好評を博したことも記憶に新しい。読響との共演で顕著だった重厚な響きとエネルギーが、都響との邂逅ではどのような充実を聴かせてくれるのか。おみくじで言うと“大吉”が予め約束されたような公演なだけに聴き逃せない。金子三勇士 ©K.Miura小林研一郎 ©満田 聡

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