eぶらあぼ 2015.11月号
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50カスタム・ウィンズ木管五重奏団 Vol.310/29(木)19:00 ヤマハホール問 ヤマハ銀座ビルインフォメーション 03-3572-3171http://www.yamaha.co.jp/yamahaginza/hallCD『アゴラ』日本アコースティックレコーズNARD-6002¥3000+税10/21(水)発売カスタム・ウィンズ木管五重奏団ヤマハのカスタムモデルを操る、木管楽器のサミット取材・文:東端哲也Interview フルートの岩佐和弘、オーボエの広田智之、ホルンの丸山勉、ファゴットの鈴木一志、そしてメンバー交代によって2014年から新規加入したクラリネットのタラス・デムチシン(九州交響楽団首席奏者)。カスタム・ウィンズ木管五重奏団は、それぞれオーケストラや室内楽団の一員として、またソロでも活躍している各楽器のトップ奏者5人からなる夢のアンサンブルだ。 10月発売の最新アルバム『アゴラ』では定番曲に加えて、吹奏楽作品を数多く手掛ける八木澤教司による書き下ろしタイトル曲「アゴラ」にまず注目したい。 「あの八木澤さんの作品というだけで興味を持ってもらえるはず。しかもタイトル曲に相応しい風格もあります」【丸山】 「ブラバン中高生でもとっつき易く、程よい難易度を兼ね備えた絶妙な作品。ぜひチャレンジしてみてください」【岩佐】 アルバムはハイドン(ペリー編曲)の「ディヴェルティメント 変ロ長調」で幕開け。ダンツィの「木管五重奏曲」全9作品からは、演奏される機会の多い「変ロ長調」ではなく「ニ短調」をとりあげているのもポイント。 「ダンツィは今回どうしても『ニ短調』がやってみたくて僕から提案しました。全体的な色合いが素晴らしい」【鈴木】 「八木澤さんもダンツィも好きだけど、僕はハイドンがイチオシ。コントラストに富む雰囲気が素敵」【デムチシン】 ミヨーが中世を舞台にした映画のために書いた組曲「ルネ王の暖炉」は古風な旋律と近代的な和声が、ファルカシュ「5つのハンガリー古典舞曲」ではグレゴリオ聖歌の荘厳さと民族音楽の躍動感とが同居している。 「タラスさんが加入したことで欧州の作曲家がより身近に感じられます。でも、本人はすっかり九州男児だけど(笑)」【岩佐】 10月末には、現メンバーでは初めてとなる銀座・ヤマハホールでのリサイタルも開催。アルバム収録曲からのピックアップに加えて、ファインの「パルティータ」やヒンデミットの「小室内楽曲」なども披露する。 「ヒンデミットの『小室内楽曲』は割合に知られた曲ですが、僕らで演奏するのが初めてなので凄く楽しみ」【広田】 「米国の作曲家のファインには親交のあったストラヴィンスキーやコープランドの作風を感じます」【丸山】 楽器は、全員がグループ名の由来でもあるヤマハのカスタムモデルを使用。各楽器の代表奏者5人が集まる“サミット”のような重みと華やかさがある。 「木管五重奏の魅力をもっと知って欲しい。気の合う仲間を5人みつけるのは簡単ではないけれどその価値はあります」【広田】 「テクニックを磨くのもいいですが、是非、他の楽器とのハーモニーでサウンドを作る楽しさを体験してください!」【デムチシン】12/8(火)19:00 トッパンホール問 トッパンホールチケットセンター 03-5840-2222 http://www.toppanhall.comアンドレアス・シュタイアー プロジェクト9 アンドレアス・シュタイアー plays New York Steinway(1887)同時代の名器で紡ぐブラームス晩年の名品文:寺西 肇©Eric Manas 歴史的鍵盤楽器演奏の第一人者であり、特にフォルテピアノにおいては、表現法とレパートリー、両面から新たな可能性を切り拓いてきたアンドレアス・シュタイアー。そんな名匠がトッパンホールを舞台に展開してきた『アンドレアス・シュタイアー プロジェクト』は、時に個性的な共演者を交えつつ、様々な角度から、歴史的鍵盤楽器の現在と未来を見据えて来た。 第9弾では、1887年製ニューヨーク・スタインウェイをパートナーに、幻想的なロマン派の森へと分け入る。まずは、このスタインウェイと同時代に書かれたブラームス最晩年の佳品「6つの小品」(1893年)と、シューマン「幻想小曲集」全8曲を、ひとつの大きな枠組みに。ここへ、「楽興の時」から最初の3曲や、2作の「4つの即興曲」のうち、作品90(D899)から第1番、作品142(D935)から第2番と、シューベルトの小品を添える。 銘器の音色と名匠の豊かな感性、そして、ファンタジーに満ちた名曲の幸せな出逢い。真の音楽のみがもたらす愉悦が、ここにある。
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