eぶらあぼ 2015.11月号
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びわ湖ホールチケットセンター077-523-7136 https://www.biwako-hall.or.jp/滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールは、関西随一のオペラ劇場として、一流のオペラやバレエに加えコンサートも開催。また、国内外の実力派アーティストが充実したアンサンブルやソロも披露するほか、講座なども開催しています。このコーナーではびわ湖ホールで行われる注目公演をご紹介します。びわ湖ホールPreview 「びわ湖ホールのジルヴェスター・コンサートを聴いて年越しした後、そのまま初詣に出掛ける」。これを、毎年の大晦日の“定番”に決めて、心待ちにしている関西の音楽ファンは数多い。午後10時に開演し、迫力あるオーケストラ・サウンドや合唱をたっぷりと楽しんだ後、会場にいる全員でカウントダウン…。そんな毎年恒例のイベントも、18回目を迎える。今年は「ロシア音楽」をテーマに、熱情的でロマンティシズム溢れる名旋律と共に、新年の訪れを祝う。 今回もステージを任されるのは、埋もれた佳品を名演で蘇らせるなど、近年、全国的な注目度がさらに高まっている大阪交響楽団。そして、ロシア出身のダニエル・ライスキンがタクトを執る。古都サンクトペテルブルクの高名な音楽学者の家庭に育ち、ヴィオラと指揮を学んで、リヨン国立管弦楽団など一線級の楽団に客演を重ねる名匠。現在はドイツ・ライン州立フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督兼首席指揮者を務めている。 さらに、もう一人の注目アーティストは、やはりロシア出身の人気ピアニスト、イリーナ・メジューエワ。モスクワのグネーシン音楽大学(現・ロシア音楽アカデミー)に学び、フリプセ国際コンクールを制して、現在は日本を拠点に、精力的な演奏活動や後進への指導を続けている。そして、司会を務めるのはもちろん、クラシック通としても知られる桂米團治。軽妙洒脱なトークで、会場を盛り上げる。 ステージはまず、グリンカの歌劇《ルスランとリュドミラ》のスリリングなサウンドと共に、華やかに幕開け。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を、メジューエワの美しく、ダイナミックなソロで堪能する。数あるピアノ協奏曲の中でも屈指の名曲であり、近年ではフィギュアスケートの浅田真央選手が演技に用いたことで、クラシッ12/31(木)22:00 びわ湖ホール 大ホール21:20~ホワイエでのウェルカム・コンサート21:50~「威風堂々」歌唱練習(大ホール客席) ※24:30終演予定ク・ファン以外にも広く知名度を得ることになった作品だ。 そこへ続くのは、びわ湖ホール声楽アンサンブルと一般公募のジルヴェスター合唱団の約80人による、「カチューシャ」「トロイカ」「黒い瞳」「カリンカ」など、日本人の私たちの郷愁をそそるロシア民謡の数々。そして、ロシア帝国がナポレオン軍を撃退する様子を描いた音絵巻で、有名曲ながら編成の大きさゆえに、なかなか実演には“お耳”にかかれないチャイコフスキーの祝典序曲「1812年」(合唱付き)を披露。 そして、オーディションで選ばれたジルヴェスター・ファンファーレ隊がオーケストラに加わり、ムソルグスキーの「展覧会の絵」から〈キエフの大門〉で2016年の訪れを告げる。つづいて“象のダンス”として書かれたストラヴィンスキーのユーモラスな「サーカス・ポルカ」。そして観客(開演前に練習あり)も加わっての恒例のエルガー「威風堂々」第1番で、新たな年への期待感を謳い上げる。 ほかにも、豪華賞品の当たる抽選会など、盛りだくさん。あなたも大切な人とともに、「響きの大晦日」を過ごしてみてはいかがだろうか。ダニエル・ライスキン ©Marco Borggreveイリーナ・メジューエワ ©奥村和泰文:笹田和人びわ湖ホール ジルヴェスター・コンサート 2015-2016華麗なるロシア音楽で新年を迎える

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