eぶらあぼ 2015.11月号
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275F/T15 ギンタースドルファー/クラーセン『LOGOBI 06』ふたりの男が対峙する一期一会のステージ文:小野寺悦子F/T15 パリ市立劇場『犀サイ』独創的な演出で生まれ変わるイヨネスコの傑作文:藤本真由11/26(木)~11/29(日) アサヒ・アートスクエア問 F/Tチケットセンター03-5961-5209 http://www.festival-tokyo.jp11/21(土)~11/23(月・祝) 彩の国さいたま芸術劇場問 F/Tチケットセンター03-5961-5209 http://www.festival-tokyo.jp 彩の国さいたま芸術劇場0570-064-939 http://www.saf.or.jp “LOGOBI(ロゴビ)”とは、1980年代にコートジボワールで誕生したダンススタイル。屈強な男たちが互いを挑発するため繰り広げていた技の対決にはじまり、子供や女性も踊る日常の娯楽へと昇華され、昨今ではフランスを中心にヨーロッパのダンスシーンにおけるひとつのジャンルとして確立している。 本作『LOGOBI』シリーズは、ドイツを拠点に活動するクリエイティブ集団ギンタースドルファー/クラーセンによるダンスプロジェクト。舞台上にはふたりのダンサーが登場し、会話を交えてのコラボレーションを繰り広げていく。最新作『LOGOBI 06』には、2009年よりシリーズのメインキャストを務めてきたコートジボワール出身のダンサー、フランク・エドモンド・ヤオ、そして日本人ダンサーのイスマエラ 石井丈雄が出演。フランク・エドモンド・ヤオは、振付家、ダンサー、パフォーマー、歌手など幅広く活躍する多彩な才能の持ち主。一方、今回パートナーとして迎えられたイスマエラ 石井丈 演出家エマニュエル・ドゥマルシー=モタ率いるパリ市立劇場が、ニューヨーク、ロンドンはじめ世界各国で話題を呼んだ『犀』の日本初演を行なう。父は劇作家・演出家、母は女優という環境に育ったモタは、30代前半の若さでランス国立演劇センターの芸術監督に就任。2008年からパリ市立劇場の芸術監督を務め、11年より国際芸術祭「フェスティバル・ドートンヌ」のディレクターも兼任するなど、フランス演劇界の俊英として活躍を続けている。 今回上演する『犀』は、サミュエル・ベケットと並ぶ不条理演劇の旗手ウジェーヌ・イヨネスコの戯曲。人間が次々と“犀”に変身、遂には街中が“犀”に埋め尽くされてゆく――。第二次世界大戦前のファシストの台頭に刺激を受けて書かれ、一世を風靡した作品ながら、その後フランスでもあまり取り上げられなかったそうだが、モタは戯曲の“音”と“身体性”に着目、“言葉”とも添わせることで、ダンス雄は、セネガルのサバールダンス、舞踏、コンテンポラリー、ヒップホップをはじめ、ジャンルを超えて独自のダンススタイルを展開するアーティスト。現在はフランスを拠点に、フランス国内やブリュッセル、ベルリンなどで活動を続けている。 キャストは、公演の約一週間前より稽作品にも通じる洗練された動きの舞台を創り出した。また、具体的に姿を現す演出が多い“犀”を敢えて舞台に登場させないことで、例えばウイルスの蔓延といった“目に見えない恐怖”をも描き、作品に現代的な意味合いを吹き込むこと古を行うものの、そこで動きが決められることはない。あくまでもステージは即興的に行われ、よって公演ごとに異なるパフォーマンスを披露することになる。ふたつの文化と身体性が、舞台上で交錯した先にあるものとは…。一夜ごとに生み出される、新たなステージに注目したい。に成功している。「イヨネスコは現代的な側面をもった作家。世界の観客の前で上演してきたことで、文化圏によって異なる笑いなどについても学び、取り入れることができた」とモタ。見逃せない舞台がいよいよ日本上陸する。Photo:Knut Klaßen©Jean-Louis FERNANDEZ
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