eぶらあぼ 2015.10月号
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74ローム ミュージック ファンデーション フレンズ コンサート Vol.2国内外で活躍する名手たちの共演文:笹田和人ペーター・ダイクストラ(指揮) スウェーデン放送合唱団名門合唱団で聴く無伴奏合唱の傑作文:宮本 明11/21(土)15:00 京都コンサートホール(小)問 エラート音楽事務所075-751-0617 http://micro.rohm.com/jp/rmf10/20(火)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 http://www.operacity.jp他公演10/12(月・祝)兵庫県立芸術文化センター(0798-68-0255)、10/17(土)軽井沢大賀ホール(0267-31-5555)、10/18(日)宮崎/メディキット県民文化センター(0985-28-7766) 『ローム ミュージック ファンデーション フレンズ コンサート』は、同ファンデーションがこれまでに奨学援助を行い、現在は国内外で活躍しているプロの演奏家たち「ローム ミュージック フレンズ」によるステージ。昨年に続いて第2弾となる今回は、第一線のソリスト級として活躍する12人が出演し、3部構成で魅力的な調べを紡ぐ。 第1部は「チェロ・アンサンブルの愉しみ」。奥田なな子、唐沢安岐奈、熊澤雅樹、辻本玲、横坂源、渡邊方子と、ソリストや国内外のオーケストラで主要メンバーとして活躍中の、6人のチェリスト 1925年創立のスウェーデン放送合唱団は、1952年に「合唱の神様」エリック・エリクソン(2013年没)が指揮者に就任して世界のトップ合唱団に躍り出て以来、常に合唱音楽のひとつの完成形を示し続けている存在。 今年は創立90周年を迎え、地元ストックホルムでの定期演奏会ではその輝かしい歴史を振り返るプログラムを組んでいる。今回の東京オペラシティでの公演も、その路線に則った曲目で行われる。J.S.バッハ「主にむかいて新しき歌をうたえ」、ペルト「トリオディオン」(1998)、シェーンベルク「地には平和を」、ブラームス「祝辞と格言」、マルタン「二重合唱のためのミサ曲」。すべて無伴奏の、宗教曲もしくは宗教的テキストを持つ作品(ちなみにペルトを除く4曲はすべて、4声×2群ないし8声の編成)だ。 合唱ファンにはなんともうれしい、ストライクゾーンど真ん中の直球勝負。が集結。J.シュトラウスⅡ《こうもり》序曲やアンダーソン「フィドル・ファドル」を全員が揃って演奏するほか、ポッパー「演奏会用ポロネーズ」やボッケリーニ「2つのチェロのためのソナタハ長調」も披露する。 そして、第2部は、「管楽の息吹」と題して。まずは、フルートの藤井香織がボルヌ「カルメン幻想曲」やメンデルスゾーン「悲歌」など3曲を。続いて、トランペットの菊本和昭が、ピアノの佐オールド・ファンなら、シェーンベルク、ブラームス、マルタンのこの曲目に、彼らが1970年代に遺した旧EMIの伝説的名盤(ストックホルム放送合唱団名義)を思い起こす人もいるのでは(ブラームスは昨年リリースされた最新CDにも収録されている)。竹裕介を伴い、ラヴェル「ハバネラ形式の小品」やエネスコ「レジェンド」など、やはり3曲を演奏する。 さらに、「華麗なるピアノ・トリオ」と銘打った第3部には、ヴァイオリンの木嶋真優とピアノの田村響、そしてチェロの林裕という、豪華な顔ぶれによるアンサンブルが登場。ベートーヴェンが遺した全部で11曲のピアノ三重奏曲の中でも、特に名品として知られる第7番「大公」を弾く。 指揮はすでにおなじみ、現首席指揮者のペーター・ダイクストラ。合唱音楽の王道といえるレパートリーで、貫禄の横綱相撲を体験させてくれるのは間違いない。合唱ファンは言わずもがな、そうでない人も、これを機会にぜひ合唱の魅力に取り憑かれちゃってください。スウェーデン放送合唱団菊本和昭佐竹裕介木嶋真優 ©Keiichi Suto田村 響 ©武藤 章林 裕藤井香織 ©Limor Hakim唐沢安岐奈熊澤雅樹辻本 玲 ©竹原伸治横坂 源渡邊方子奥田なな子ペーター・ダイクストラPhoto:Mattias Ahlm SR
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