eぶらあぼ 2015.10月号
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202■東響音楽監督のノットが2026年まで 契約延長、オペラの指揮も 9月7日、ミューザ川崎シンフォニーホールにて、東京交響楽団の記者会見が開かれ、音楽監督ジョナサン・ノットの任期延長と2016年度シーズンラインナップ、さらに創立70周年記念ヨーロッパ・ツアーの概要が発表された。 ジョナサン・ノット音楽監督の任期は、2026年3月まで。実は当初は20年3月までの3年間の任期延長が予定され、会見場で配布された資料にもそう記されていたのだが、前日の夜に急遽ノットから「さらに契約を延長してはどうか」という提案がオーケストラ側にあり、会見当日に26年3月までという長期の契約に変更されたのだとか。前日の公演でモーツァルトを指揮しながら、ノットは「なんとすばらしい演奏なのだろう。だったらなぜ3年間だけの延長に留めなくてはいけないのか」と感じ、長期の契約を思い立ったという。 「東京交響楽団とのすべてがエキサイティングで、クレイジー。思い出してください、このオーケストラと私はたった1回の共演で音楽監督就任を決めたのです。それが2026年までの契約に至りました。このすばらしいオーケストラ、すばらしいコンサートホール、そしてすばらしい聴衆。わたしはここにいるだけで大きな喜びを感じます」(ノット) 合わせて、『ジョナサン・ノットのSeason 3』となる16年度シーズンの主催公演ラインナップが発表された。ノットは計6演目9公演に登場し、古典から現代作品まで多彩な作品を指揮する。4月定期&川崎定期のシェーンベルク「ワルシャワの生き残り」、ベルク「ルル」組曲、ブラームスのドイツ・レイクエムといった意欲的なプログラミングはノットならでは。東京オペラシティシリーズでは4月にリゲティの「アトモスフェール」と「サンフランシスコ・ポリフォニー」、パーセル作品、R.シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」が演奏されるのも興味深い。 このほか、16年12月にはモーツァルトの歌劇《コジ・ファン・トゥッテ》を演奏会形式で披露、舞台監修をバリトンのトーマス・アレンが手掛け、ノット自らフォルテピアノを演奏するという。 また、16年10月には創立70周年記念として、ウィーンをはじめ5ヵ国5都市にわたる欧州ツアーが実現する。ツアーで披露される2つのプログラムは、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲(独奏:イザベル・ファウスト)とショスタコーヴィチの交響曲第10番、および武満徹の「弦楽のためのレクイエム」、ドビュッシーの交響詩「海」、ブラームスの交響曲第1番。これらは先だって国内でも演奏される。 充実著しいノットと東京交響楽団のコンビが、これからさらに10年間にわたって続くこととなった。東京と川崎の音楽シーンにどれほど豊かな実りをもたらしてくれることだろうか。(取材・文:飯尾洋一)[ノットが指揮する主な東響2016年度シーズンラインナップ]R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」(4/16)ブラームス:ドイツ・レクイエム(4/23,4/24)ブルックナー:交響曲第8番(7/16)ブラームス:交響曲第1番(10/8,10/9)ショスタコーヴィチ:交響曲第10番(10/15)シューマン:交響曲第2番(12/3,12/4)※すべて2016年◎モーツァルト:歌劇《コジ・ファン・トゥッテ》(演奏会形式)2016.12/9(金)ミューザ川崎シンフォニーホール、12/11(日)東京芸術劇場 コンサートホール指揮:ジョナサン・ノット 舞台監修:トーマス・アレン出/ミア・パーション(フィオルディリージ)、マイテ・ボモン(ドラベッラ)、ヴァレンティナ・ファルカス(デスピーナ)、ショーン・マシー(フェルランド)、マルクス・ウェルバ(グリエルモ)、トーマス・アレン(ドン・アルフォンソ)、新国立劇場合唱団東京交響楽団 http://tokyosymphony.jp■日本オペラ振興会2016/17シーズン ラインナップを発表 公益財団法人日本オペラ振興会(藤原歌劇団・日本オペラ協会)が9月3日都内で会見を開き、2016/17シーズン公演のラインナップを発表した。藤原歌劇団公演として2つの新制作を含む3作品を、日本オペラ協会公演として新制作1作品を上演する。ジョナサン・ノット ©ヒダキトモコ
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