eぶらあぼ 2015.10月号
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134常任指揮者 シルヴァン・カンブルランお申込み・お問合せ 読響チケットセンター(10時~18時/年中無休) 0570‒00‒4390 http://yomikyo.or.jp/≪10月~12月初旬の聴きどころ≫ 10月は、首席客演指揮者の下野竜也が登場。2日と3日には、マーラーの人気交響曲「巨人」を指揮し、恋愛への憧れや失恋の苦悩など多感な青年期の葛藤を鮮烈に描き出す。下野は、今年1月にマーラーの交響曲第5番を振り、緻密なアンサンブルと重厚なサウンド作りで絶賛を博したばかり。今回も、心揺さぶる熱い演奏に期待できそうだ。モーツァルトの協奏曲では、日本でも人気のオーボエ奏者モワネが初共演。名門ドレスデン国立歌劇場管のソロ・オーボエ奏者を務め、CDも絶賛される実力派が華麗な独奏をみせる。 13日は、近・現代曲の解釈に定評のある下野が、アメリカを代表する現代作曲家ジョン・アダムズの代表作「ハルモニーレーレ(和声学)」を指揮。1985年に作曲されたこの大管弦楽曲は、アダムズがミニマル音楽の手法を用い“現代のハーモニー”を追求した傑作で、20世紀のあらゆる音楽、さらにはワーグナーなどへのオマージュが込められている。執拗に繰り返されるリズムと目まぐるしく展開していくハーモニーは、聴衆を興奮へと誘い、言葉に表せない快感をもたらしてくれるだろう。ラトル、ティルソン・トーマスら世界的指揮者が演奏し、CDもリリースされるなど国際的に注目されてきた作品ながら、日本では1986年の初演以来一度も演奏されていない。今回、約30年ぶりとなる待望の演奏に、アダムズ作品で確かな実績を残す下野が並々ならぬ意欲を持って挑む。ぜひ、最高の音響を誇るサントリーホールで、アダムズの音楽を全身で浴びていただきたい。また、「ハルモニーレーレ」の前には、読響ソロ・ヴィオラ奏者の鈴木康浩をソリストに、ヒンデミットの名作「白鳥を焼く男」を演奏する。こちらも聴き逃せない。 11月5日は、501席のホールで室内楽を堪能できることで人気の「読響アンサンブル・シリーズ」公演。モーツァルト国際コンクールの覇者・菊池洋子が登場し、瑞々しいピアノで読響の木管首席奏者らと極上のアンサンブルを披露する。モーツァルトとベートーヴェンの五重奏曲は、室内楽史に燦然と輝く傑作。奥妙な表現力と精緻なアンサンブル力が求められる二つの作品をどう聴かせてくれるのか、期待が高まる。 11月から12月初旬にかけては、フィンランドの名匠ヴァンスカが来日し、今年で生誕150周年を迎えたシベリウスの名作を次々と披露する。27日と28日には、「カレリア」組曲、ヴァイオリン協奏曲、交響曲第1番の3作品を指揮。協奏曲では、“シベリウス・イヤー”の今シーズン、フィンランド放送響の定期公演でも同曲の独奏を務める名花ヴァハラが共演する。フィンランド出身の二人が生み出す北欧の響きに、注目いただきたい。12月4日の定期では、シベリウスの後期交響曲3作品を一挙に演奏。ヴァンスカは、これまで読響で何度もシベリウスを振っているが、交響曲第6番と第7番を指揮するのは今回が初となる。ファン必聴のプログラムだ。2015年1回券(2015年12月まで)/2015年度会員券 絶賛発売中下野竜也©読売日本交響楽団◆興奮と快感を誘う アダムズの大作10/13(火)19:00 サントリーホールS¥7,200 A¥6,100 B¥5,100 C¥3,600指揮=下野竜也(首席客演指揮者)ヴィオラ=鈴木康浩(読響ソロ・ヴィオラ)ベートーヴェン/序曲「コリオラン」ヒンデミット/白鳥を焼く男ジョン・アダムズ/ハルモニーレーレ(和声学)オスモ・ヴァンスカ©Ann Marsden◆ヴァンスカが振る シベリウス後期交響曲12/4(金)19:00 サントリーホールS¥7,200 A¥6,100 B¥5,100 C¥3,600指揮=オスモ・ヴァンスカシベリウス/交響曲第5番、交響曲第6番     交響曲第7番◆北欧の名匠が贈る シベリウス名曲選11/27(金)19:00 サントリーホールS¥7,200 A¥6,100 B¥5,100 C完売11/28(土)14:00 東京芸術劇場S¥7,200 A¥5,100 B¥4,100 C完売指揮=オスモ・ヴァンスカヴァイオリン=エリナ・ヴァハラシベリウス/「カレリア」組曲、ヴァイオリン協奏曲     交響曲第1番エリナ・ヴァハラ©Laura Riihelä◆下野竜也の《巨人》& 名手モワネが共演10/2(金)19:00 東京オペラシティS¥7,200 A¥5,100 B完売 C完売10/3(土)14:00 横浜みなとみらいS¥7,200 A¥6,100 B完売 C完売指揮=下野竜也(首席客演指揮者)オーボエ=セリーヌ・モワネモーツァルト/オーボエ協奏曲マーラー/交響曲第1番「巨人」セリーヌ・モワネ©François Sechet◆菊池洋子×読響の室内楽11/5(木)19:30 よみうり大手町ホール全席指定 ¥3,000 ※19:00から解説ありピアノ=菊池洋子 フルート=一戸 敦(読響首席)オーボエ=蠣崎耕三(読響首席) クラリネット=金子 平(読響首席)ファゴット=井上俊次(読響首席) ホルン=松坂 隼(読響首席代行)モーツァルト/歌劇「魔笛」序曲(木管五重奏版)モーツァルト/ピアノと管楽のための五重奏曲ベートーヴェン/ピアノと管楽のための五重奏曲菊池洋子©Marco Borggreve

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