eぶらあぼ 2015.9月号
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251オーケストラ with バレエ『展覧会の絵』自由な発想で音楽をヴィジュアル化文:守山実花『原色衝動』天才アラーキーの写真にダイブ!!文:乗越たかお10/11(日)15:00 ティアラこうとう問 ティアラこうとうチケットサービス03-5624-3333 http://www.kcf.or.jp9/26(土)14:00 18:00、9/27(日)14:00 京都芸術劇場 春秋座問 京都芸術劇場チケットセンター075-791-82402016.2/26(金)、2/27(土) 世田谷パブリックシアター 12月中発売問 世田谷パブリックシアターチケットセンター03-5432-1515http://setagaya-pt.jp 地域と連携し、独自の活動を続けているバレエ・カンパニー、東京シティ・バレエ団。東京都江東区と芸術提携を結び、ティアラこうとうを舞台に、年間4演目を上演している。同じ劇場で繰り返し公演を行うことで、リピーター観客も増加、地域に根づいたバレエ文化の発信地となっている。 この秋に行われるのは、やはり江東区と提携を結ぶ東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団(船橋洋介指揮)と、バレエ団が同じ舞台上で共演する、ティアラこうとうオリジナルの人気公演。今年は、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の演奏と、オーケストラとバレエの共演によるムソルグスキー(ラヴェル編)の組曲「展覧会の絵」が上演される。 バレエの構成・振付は、江東区を拠点に公演活動を続け、後進の育成にも力を尽くし、現在バレエ団評議委員をつ これは、ちょっと意表を突く企画である。日本と韓国のダンス界をそれぞれ牽引してきた白井剛とキム・ソンヨンが、天才アラーキーこと荒木経惟の写真をテキストにして踊るというのだ。 白井は凝縮した動きと繊細かつ強靱なダンスを見せる。コラボレーションにも積極的で、ダムタイプの藤本隆行らと創った『true/本当のこと』では世界11ヵ国を巡った。一方のキムは柔らかく多彩な動きが魅力だ。韓国では若い頃から数々の重要な賞を受賞し、自らのカンパニーも活発に公演を重ねている。そんな二人が東京・京都・韓国にレジデンスし、じっくりと時間をかけてクリエイションを重ねてきたのが本作なのだ。 自らを「天才」と称する荒木は、海外での評価も高い。匂い立つようなエロティシズムから、下町の道路で遊ぶ歯の抜けた子どもの満面の笑顔まで、観る者の胸の奥を鷲掴みにするのである。今回使用される写真は、とくに原色が強調されたものだという。タイとめる石井清子。舞台上でオーケストラと共演することで、ダンサーは緊密に音楽を肌で感じることができるが、反面ダンススペースが限られるのではないか、といった懸念もないではない。しかし、石井は、女性ダンサーだけで音楽構造を視覚的に見せた『ボレロ』、自由な発想で音楽とダンサーを結びつけた『カルメン』をはじめ、さまざまな作品をこの企画で上演しているので何の心配もいらない。限られたスペースを生かした空間構成力に注目したい。 成長著しい若手、中森理恵、清水愛恵、キム・セジョンらが出演、協奏曲を奏でるヴァイオリン奏者の周防亮介とともに、大きく羽ばたいていく若きアーティストたちのパワーがティアラこうとうを満たす。プこそ違うが、身体の質を突き詰めていく点では共通しているダンサー二人が、荒木のパワフルな写真作品にどう挑戦していくのか、じつに興味深いではないか。 しかも初演の会場は、京都芸術劇場の春秋座である。歌舞伎を主体としながら様々な公演に取り組んでいる会場をどのように使うのかにも関心を集めている。来年2月には世田谷パブリックシアターでの公演も予定されており、大いに期待できそうだ。左:白井剛 右:キム・ソンヨン 撮影:荒木経惟
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