eぶらあぼ 2015.9月号
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188わが国を代表するヴァイオリンの名手・徳永二男が案内役となり、様々な楽器の秘密を探るシリーズ「楽器の謎!」。第6弾のテーマは、チェンバロ。ゲストに曽根麻矢子を迎えて、ヘンデル「パッサカイユ」やスカルラッティ「ソナタ イ長調 K208&113」、徳永とのバッハ「ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ第4番」など名曲の演奏にトークを交えつつ、チェンバロという楽器の歴史や魅力をじっくり掘り下げてゆく。主要なオペラ公演で活躍を続ける一方、ロシア歌曲や民謡の紹介に力を注ぐバス歌手の岸本力。29回目のリサイタルは、20世紀ロシアの巨匠ゲオルギー・スヴィリドフの生誕100年を記念して、ピアノ小笠原貞宗ほかで「ともづなを解かれたロシア」「R.バーンズの詩による九つの歌」「W.シェイクスピアの詩による七つの歌」の3つの曲集から。今年1月に急逝した師エレーナ・オブラスツォワへ捧げるステージでもある。田代慎之介はリスト音楽院に学び、1986年のマリア・カナルス国際音楽コンクールなど、国内外で受賞を重ねた実力派。演奏活動の一方、楽譜の校訂出版や教育にも力を注ぐ。今回のリサイタルは、前半でバッハ「イタリア協奏曲」とショパンのソナタ第2番に、同じショパン「4つのマズルカ op.33」を挟み込む。そして、後半では、バルトーク「舞踏組曲」で始め、今年没後100年のスクリャービンのソナタ2曲で締める。「アーリドラーテ歌劇団」はヴェルディの作品上演を目的として、2011年に旗揚げしたオペラ団体。今回は、16世紀スペイン宮廷を舞台に、愛と友情、政治をめぐる人間模様を描く円熟期の傑作《ドン・カルロ》に挑む。物語の進行の鍵を握る宗教裁判長には、ミラノ・スカラ座などで活躍する名バス歌手フランチェスコ・ダルテーニャ。そして、若手を交えた実力派歌手陣を、木澤譲の演出と山島達夫の指揮が盛り立てる。気軽に鮮烈なパフォーマンスを体感できる「フレッシュ名曲コンサート」。今回は円光寺雅彦指揮の東京フィルハーモニー交響楽団による「スペイン音楽の祭典」。小松原庸子スペイン舞踊団が情熱的なフラメンコを、ファリャ「三角帽子」「はかなき人生」など名旋律に乗せて。そして、相田麻純(メゾソプラノ)、笛田博昭(テノール)ら実力派キャストを迎え、ビゼー《カルメン》からの抜粋を披露する。「ラ・フォンテヴェルデ」は、ソプラノの鈴木美登里を中心に結成された声楽アンサンブル。当時を生きた人々の感情を写し取った、16~17世紀イタリアのマドリガーレを核に、言葉と音楽の融合を目指し、瑞々しいハーモニーを聴かせている。今回はモンテヴェルディのマドリガーレ全曲シリーズの一環で、「新様式への挑戦」。マドリガーレ集第4巻(1603年)から、「ああ、苦しい別れ」など青年期の佳品を。月の9田代慎之介(ピアノ)徳永二男(ヴァイオリン)が案内する「楽器の謎!6 チェンバロ」岸本 力(バス)ロシア歌曲の夕べフレッシュ名曲コンサート スペイン音楽の祭典~フラメンコ&カルメン・ハイライトアーリドラーテ歌劇団 第4回公演ヴェルディ 《ドン・カルロ》ラ・フォンテヴェルデ 第21回定期モンテヴェルディ マドリガーレ集 全曲演奏シリーズ9/2(水)19:00東京文化会館(小)9/19(土)14:00たましんRISURUホール(小)9/7(月)19:00東京文化会館(小)9/5(土)16:00新宿文化センター9/20(日)14:00、9/21(月・祝)14:00テアトロ・ジーリオ・ショウワ9/11(金)19:00Hakuju Hall文:笹田和人フランチェスコ・ダルテーニャ曽根麻矢子©Shunichi Atsumi徳永二男©K.Miura ©Yuki Omori

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