eぶらあぼ 2015.9月号
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176クラシック新刊情報20世紀を代表する現代音楽家にして、キノコ研究家、詩人であったジョン・ケージの没後に書かれた本格的伝記の本邦初訳。音楽に「易」を取り入れるなどその概念を一変させた奇才の人生を、冷静な目で淡々と、時に鋭い洞察を加えながら詳細に記述。ケージの華やかな交友関係とともに、彼の真の姿に迫る。ジョン・ケージ伝新たな挑戦の軌跡ケネス・シルヴァーマン 著柿沼敏江 訳水声社 ¥5800+税エリザベート王妃国際音楽コンクールで日本人初の優勝を飾って以来、世界で活躍するヴァイオリニスト堀米ゆず子。幼少期の話から家族の話、師や友について、演奏家としての日々、レッスン指導についてなど彼女の日常を収録したエッセイ集。自身のホームページ上に書きつづった「日録」を再構成し加筆修正を加えた。ヴァイオリニストの領分堀米ゆず子 著春秋社 ¥2000+税国内外のワーグナー研究の最新成果、ワーグナー作品の上演データや文献、批評等を掲載する。2015年の特集は、初演150年にあたる楽劇《トリスタンとイゾルデ》に焦点をあてた。巻頭インタビューに、新国立劇場2014/15シーズン開幕公演《パルジファル》で圧倒的存在感を示したジョン・トムリンソン。ワーグナーシュンポシオン〈2015〉日本ワーグナー協会 編東海大学出版部 ¥2900+税ドイツ文学者であり、オペレッタへの造詣も深い訳者による人気作品の新訳版。原文はPeters版に準拠している。全体的に台詞部分での言葉の選び方が今の時代に即しており、まったく違和感がない。とくに第2幕での登場人物同志のやりとりなど、ドラマの展開の見通しがよくなっている。オペレッタ・ファン待望の書。オペラ対訳ライブラリーヨハン・シュトラウスⅡーこうもり田辺秀樹 訳音楽之友社 ¥2000+税音楽教育学者である筆者の博士論文をわかり易く再構成。オンチとは歌唱における発展途上であり、直すものではなく克服するものであると唱える。オンチを克服するための内的フィードバックやレッスン事例などを紹介。オンチを克服し歌唱スキルを上げたいという人や、指導する人へ向けた一冊。オンチは誰がつくるのかオンチ克服への第一歩小畑千尋 著パブラボ ¥1500+税40歳で東響を振り、正式デビューした堀俊輔による、抱腹絶倒のエッセイ。学生時代、下積み時代、あこがれの「題名のない音楽会」の舞台、ニューヨーク留学、「プロコフィエフ国際コンクール」審査員…等、指揮者として成長していく様子が描かれている。故人となった名音楽家たちとのエピソードも収録。1冊でわかるポケット教養シリーズこんな僕でも指揮者になれた堀 俊輔 著ヤマハミュージックメディア ¥950+税独自の魅力を放ち多くのファンを魅了するルーマニア音楽についての初の通史。ルーマニア音楽の背景を解説する第1部と、エネスコ、ハスキル、リパッティ、チェリビダッケをはじめとするルーマニアの音楽家約80人の活動を丁寧に辿る第2部「ルーマニア音楽人物伝」の2部構成。ルーマニア音楽史音楽家の足跡から辿る畠山陸雄 著えにし書房 ¥2000+税バーゼル音楽アカデミー附属の古楽専門学校で教える著者が、これまであまり研究されていない17〜18世紀西洋音楽の記譜法の変遷を、手書き譜や初版譜などの一次資料をもとに克明にたどる。その時代の音楽研究のスタンダードとなる理論書の誕生。演奏者への実践的な助言や貴重なファクシミリ楽譜も多数収録。記譜法の歴史モンテヴェルディからベートーヴェンへカーリン・パウルスマイアー 著 久保田慶一 訳春秋社 ¥6000+税
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