eぶらあぼ 2015.8月号
32/193
2910/6(火)19:00 Hakuju Hall問 Hakuju Hallチケットセンター 03-5478-8700 http://www.hakujuhall.jp堀米ゆず子(ヴァイオリン) J.S.バッハ/ブラームス プロジェクト at Hakuju Vol.5“2B”の内奥に踏み込む一夜文:笹田和人堀米ゆず子 ©T.Okura 作品へ真摯に対峙し、鮮烈な音楽を紡ぎ続けるヴァイオリンの名手、堀米ゆず子。彼女が「背骨のよう」と表現するバッハ、「心のひだ」と言うブラームスは「感情表現の基本であり、過去30年の演奏生活において、自分の音楽作りの核となっている」という。堀米がアーティストとしての原点に立ち返り、この2人の作曲家の佳品に取り組む「堀米ゆず子 J.S.バッハ/ブラームス プロジェクト at Hakuju」(全6回)。第5弾では、読響などの客演首席を務めるなど、わが国きっての若手ヴィオラである大島亮を迎えて。シリーズ常連でもある堀米の盟友、山口裕之(ヴァイオリン)と佐々木亮(ヴィオラ)、ユリウス・ベルガー(チェロ)が加わり、ブラームスの弦楽五重奏曲第2番を弾く。そして、後半はいつものバッハ。2011年にミュンヘン国際コンクール特別賞を受賞したピアノの俊英・津田裕也が初登場し、堀米と共にヴァイオリンと鍵盤楽器のためのソナタから第3番を披露。最後は、堀米が無伴奏パルティータ第3番で締め括る。9/29(火)18:30 日経ホール問 日経ミューズサロン事務局03-3943-7066 http://www.nikkei-hall.com第440回 日経ミューズサロン シャンドル & アダム・ヤボルカイ兄弟 with モーツァルトハウス・ウィーン弦楽四重奏団“超絶技巧兄弟”がデュオとクァルテットで登場!文:笹田和人上:左よりシャンドル、アダム・ヤボルカイ 下:モーツァルトハウス・ウィーン弦楽四重奏団 ロマ民族伝統の超絶技巧と情熱的な歌い回しで聴衆を魅了、クラシックという枠組みを超越した活動を展開するシャンドル(ヴァイオリン)とアダム(チェロ)のヤボルカイ兄弟。彼らは「ウィーン・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」に選出されるなど、正統派クラシック奏者としての実力も知らしめている。そんな2人に、高橋和貴(第2ヴァイオリン)とアレクサンダー・パク(ヴィオラ)が加わって、2013年に結成された「モーツァルトハウス・ウィーン弦楽四重奏団」は、モーツァルトをはじめとする佳品の瑞々しい快演でウィーンでも評判のグループだ。 そんな話題の名手集団が日経ミューズサロンに登場し、モーツァルトの第15番とハイドンの第77番「皇帝」と、珠玉の名曲を披露。さらに、「ヤボルカイ兄弟」としても、ハチャトゥリアン「剣の舞」やリムスキー=コルサコフ「熊蜂の飛行」、サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」、バルトーク「ルーマニア民俗舞曲集」などデュオ作品を弾きこなして、技巧の極みをたっぷり堪能させてくれる。9/26(土)14:00 浜離宮朝日ホール問 コンサートイマジン03-3235-3777 http://www.concert.co.jp他公演9/23(水・祝)松本ザ・ハーモニーホール、9/24(木)宗次ホール、9/27(日)横浜市港南区民文化センター ひまわりの郷、10/2(金)神戸新聞松方ホール、10/4(日)西条市総合文化会館 ※詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。アンリ・バルダ(ピアノ)“神秘のピアニスト”の深い精神性文:笹田和人Photo:Jean-Baptiste Millot 聴衆を必ず虜にする“唯一無二”のサウンドを持ち味としつつも、実演に接する機会が極めて少なく、本国フランスでは「神秘のピアニスト」とまで称されるアンリ・バルダ。ホロヴィッツのライヴァルであったポーランドの天才イグナス・ティエガーマンに3歳から個人指導を受け、パリ国立高等音楽院やジュリアード音楽院に学び、ヨーロッパ各国や日本でも活動、そのプレイは「ピアニストが惚れ込むピアニスト」とまで絶賛された。極端に絞り込んだストイックな演奏活動の傍ら、パリ国立高等音楽院やパリ・エコール・ノルマル音楽院で後進の指導へ力を注いできた。 そんな名匠の実演に触れられる、貴重な機会となる来日リサイタル。プログラムは、まずラヴェル「ラ・ヴァルス」を軸に据えて、ブラームスの「3つの間奏曲 op.117」と「6つの小品 op.118」、ショパンのワルツやマズルカを配した。まさに、バルダの音楽人生の粋。深い精神性に、高い技巧もさりげなく織り込まれてゆく。
元のページ