eぶらあぼ 2015.8月号
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216全幕特別プロ『ドン・キホーテ』 7/29(水)19:00 Aプロ 8/1(土)~8/6(木)Bプロ 8/8(土)~8/13(木)ガラ公演 8/16(日)14:00 東京文化会館 問 NBSチケットセンター03-3791-8888http://www.nbs.or.jp第14回 世界バレエフェスティバルまさにバレエ界の“いま”を俯瞰する祝祭文:上野房子 3年に一度、バレエファンを熱狂させる世界バレエフェスティバル。そのメインイベントは、40人近くが出演するA・B2種類のミックス・プロだ。ルグリやマラーホフ、ヴィシニョーワ等の常連に加えて、マチアス・エイマンやデヴィッド・ホールバーグ等が初参加する。世代交代が進むバレエ界の“いま”を俯瞰できる人選である。 そのなかで異彩を放つのは、パリ・オペラ座バレエ団の往年のエトワール、イザベル・ゲランとオレリー・デュポン。ゲランは同じく元パリ・オペラ座のマニュエル・ルグリと組んで、ルグリが信頼を寄せる振付家パトリック・ド・バナの現代作品を踊る。デュポンは現役エトワールのエルヴェ・モローと共に、昨秋、同団芸術監督に就任したバンジャマン・ミルピエ作品に出演。パリ・オペラ座の新旧の輝きに目を凝らしたい。 もう一つのサプライズは、マリインスキー劇場で踊り、現在はモスクワ音楽芸術劇場バレエの芸術監督を務めるイーゴリ・ゼレンスキーが、古巣であるニューヨーク・シティ・バレエのアシュレイ・ボーダーを相手役に選んだこと。意外なコンビが華を添える。 2週間にわたって繰り広げられる祝祭の開幕を飾るのは、全幕特別プロ『ドン・キホーテ』。東京バレエ団の得意演目で、旬のスターの競演が実現する。 女性主人公キトリ役は、英国ロイヤル・バレエ団(RB)の元プリンシパル、現在はイングリッシュ・ナショナル・バレエ(ENB)に籍を置くアリーナ・コジョカル。さる6月に東京バレエ団の『ラ・バヤデール』に客演、薄幸の舞姫ニキヤを情感たっぷりに演じたことが記憶に新しい。今回はがらりとイメージを変え、お茶目な町娘に変身する。 バジル役は、昨年、ENBからRBに移籍したワディム・ムンタギロフ。日本ではすでに『ジゼル』や『白鳥の湖』で主役を務めているが、来日毎に品格とスケールを増している伸び盛りの俊英ゆえ、熟達の演技力とテクニックで鳴らすコジョカルとの競演で、新しい一面を見せてくれることだろう。 最後にお目見えするのが、一回限りのガラ。古典パ・ド・ドゥに加えて、パリ・オペラ座のベランガールやハンブルク・バレエの大石裕香の振付作品もピックアップされた。この公演のフィナーレで上演される、抱腹絶倒のサプライズ演目を楽しみにしている観客も多いことだろう(当日発表ゆえ、上演の有無は未確定)。 14回目を数える世界バレエ・フェスティバル。果たして、今回はどのような伝説が生み出されるのだろうか。親子で楽しむ夏休みバレエまつり子どもたちにバレエの魅力と醍醐味を伝える文:小野寺悦子 バレエの楽しさを親子揃って味わえる夏の大人気企画。今年はイリーナ・ペレンをはじめとしたミハイロフスキー劇場バレエ(旧レニングラード国立バレエ)のスター・ダンサーたち、そしてサンクトペテルブルグ・シティ・バレエが登場し、豪華なステージでバレエの魅力を余すことなく披露する。 演目は、『白鳥の湖』から王子とオデット姫のグラン・アダージョ、『くるみ割り人形』からマーシャと王子のパ・ド・ドゥに、『ドン・キホーテ』、『人形の精』、『海賊』まで、クラシックバレエの名シーンを一挙に紹介。司会のお姉さんによるストーリーの解説や、演目の合間に行うバレエクイズ、ダンサーと一緒に基本姿勢を練習する参加イベントも用意されるなど、小さな子どもも飽きずに楽しめる企画が満載。子どもは4歳以上から入場可能。バレエを習っている子どもはもちろん、バレエに初めて触れる子どもたちにとっても、バレエの楽しみを知る絶好の機会となりそうだ。8/1(土)12:30 15:30 文京シビックホール 8/2(日)14:00 調布市グリーンホール問 光藍社チケットセンター050-3776-6184http://www.koransha.com第13回世界バレエフェスティバルより Photo:Kiyonori Hasegawa

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