eぶらあぼ 2015.8月号
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1662012年に世を去った作曲家の林光が毎夏、平和への願いを込めて、「原爆小景」をはじめ自作を披露し続けた東京混声合唱団のステージ「八月のまつり」。戦後70年となる今夏も、その遺志は脈々と受け継がれる。寺嶋陸也の指揮とピアノで、「原爆小景」はもちろん、木島始の詩による寺嶋の新作「予兆」の初演、良寛和尚の詩による寺嶋の「花筺」に、「この道」など没後50年を迎えた山田耕筰の名曲を、林の編曲で。赤埴早貴子は、東京音大からフランスのオルセー地方音楽院に学び、同国のコンクールで優勝を重ねたクラリネットの俊英。ピアノの近藤真貴と共演のリサイタルでは、サン=サーンスのソナタ、シューマン「3つのロマンス」、ドビュッシー「第1狂詩曲」を軸に、ヴェルディ「《椿姫》による幻想曲」やモンブラン「コンチェルトシュトゥック」、クラリネット半澤未沙との三界秀実「デュオカプリチオーソ」を披露する。指揮者の金聖響と神奈川フィルによる、夏休みの子供たちへの貴重な音楽体験のプレゼントも今年で5年目。締め括りとなるオーケストラ・コンサートでは、ベートーヴェン「田園」から第4・5楽章や藤倉大「フィフス・ステーション」、ヴァイオリンの松田理奈をソリストに迎えてのモーツァルトの協奏曲第5番から最終楽章など、彩りも豊かに。指揮者体験なども用意されており、こちらは8/5(水)まで申し込みが可能だ。東京文化会館が毎夏開いているシリーズ「納涼スペシャル」は、東京音楽コンクール入賞者の瑞々しい才能に触れられる場として大好評だ。今回は第1回ピアノ部門の覇者で、ドイツを拠点に活躍中の犬飼新之介と、同じく第1回の木管部門で入選、幅広く活動するフルートの永井由比との顔合わせ。ヴィラ=ロボス「ブラジル風バッハ第4番」やピアソラ「リベルタンゴ」など、熱いラテンのリズムで夏の夜を彩る。「生誕140年、この機会に久しぶりにまとめてラヴェルに取り組みたい」とピアノの名匠・横山幸雄。風のホールで続けるシリーズ「Voyage」第10弾では、「夜のガスパール」をはじめ、「鏡」「水の戯れ」「古風なメヌエット」「高雅で感傷的なワルツ」「亡き王女のためのパヴァーヌ」「ハイドンの名によるメヌエット」「ソナティナ」と佳品を揃えて。「厳選され、磨き抜かれたラヴェルの世界をご堪能下さい」と語る。結成12年目を迎えたTOKI弦楽四重奏団は、ヴァイオリン岩谷祐之と平山真紀子、ヴィオラ鈴木康浩、そしてチェロ上森祥平、国内外の一線楽団の首席級による精鋭集団。今回は上森とゲストのシツェヤン・ワイエンベルク、2つのチェロを軸に。五重奏のためのグラズノフ「5つのノヴェレッテ」や、アレンスキーの弦楽四重奏曲第2番、ヴィオラ小熊佐絵子を交えてのリムスキー=コルサコフの弦楽六重奏曲などを弾く。月の8赤あかはに埴早貴子(クラリネット)東京混声合唱団 特別定期演奏会東混・八月のまつり 36TOKI弦楽四重奏団 2015横山幸雄(ピアノ) Voyage10~ショパンからラフマニノフを結ぶ音楽の旅路マエストロ聖響の夏休みオーケストラ !東京音楽コンクール入賞者によるコンサート納涼スペシャル 犬飼新之介(ピアノ)& 永井由比(フルート)8/1(土)14:00東京文化会館(小)8/7(金)19:00第一生命ホール8/3(月)19:00 東京文化会館(小)7/30刈羽村、7/31新潟市、8/2燕市8/2(日)15:00三鷹市芸術文化センター風のホール8/15(土)15:00神奈川県立音楽堂8/5(水)19:00東京文化会館(小)文:笹田和人 寺嶋陸也 ©渡辺 力金 聖響 ©Eisuke Miyoshi松田理奈 ©山岸 伸犬飼新之介 永井由比 ©ミューズエンターテインメント

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