eぶらあぼ 2015.8月号

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15610月の見もの・聴きもの2015年10月の曽そし雌裕ひろかず一　編〔Ⅰ〕オーストリアウィーン国立歌劇場10月1（19：30）、24（20：00）、17（20：00）日ドニゼッティ：愛の妙薬　指／G.ガルシア・カルヴォ、演出／O.シェンク、出／V.ナフォルニタ（1日）／S.ヨンチェヴァ10月3（19：30）日　ロッシーニ：セビリャの理髪師　指／G.ガルシア・カルヴォ、演出／G.レンネルト、補訂演出／R.ブレチャッハー、出／J.カマレナ、P.ルメッツ、A.ブロワー★10月4（18：30）、7（19：00）、10（19：00）、13（19：00）、17（19：00）、21（19：00）日　ヴェルディ：マクベス［プレミエ］　指／A.アルティノグリュ、演出／C.レート、出／L.テジエ、F.フルラネット、T.セルジャン10月5（19：00）、8（19：00）、11（19：00）日　プッチーニ：蝶々夫人　指／P.オーギャン、演出／J.ギーレン、出／コ・ヒョナ、T.イリンカイ、G.ベルムデス◎10月9（19：00）、14（18：30）、19（19：00）、23（18：30）日　ドニゼッティ：アンナ・ボレーナ　指／E.ピド、演出／E.ジェノヴェース、出／M.ヴィンコ、E.グルベローヴァ10月12（19：30）、16（19：30）、18（19：30）日T.アデス：テンペスト　指／G.ジェンキンズ、演出／R.ルパージュ10月22（19：00）、26（16：00）、30（19：00）日モーツァルト：ドン・ジョヴァンニ　指／A.フィッシャー、演出／J.L.マルティノーティ、出／M.クヴィエチェン、M.レベカ◎10月25（19：00）、28（19：30）日　チャイコフスキー：エフゲニー・オネーギン　指／P.ランゲ、演出／F.リヒター、出／A.ネトレプコ、C.マルトマン、F.フルラネットウィーン・フォルクスオーパー10月1（19：00）、4（19：00）、8（19：00）日　プッチーニ：トゥーランドット　演出／R.ドゥセ10月2（19：00）、6（19：30）、9（19：30）、12（19：00）、14（19：00）、18（19：00）、26（18：00）、29（19：00）日　ベナツキー：白馬亭にて［15年9月プレミエ］　演出／J.E.ケプリンガー10月3（19：00）、16（19：00）、19（19：00）、25（19：00）、28（19：00）日　レハール：メリー・ウィドウ演出／M.A.マレッリ10月7（19：00）、11（19：00）日　オッフェンバック：パリの生活　演出／M.デイケマ10月10（19：00）、24（19：00）、31（19：00）日ビゼー：カルメン　演出／G.ヨーステン★10月15（19：30）、17（19：30）、23（19：30）日M.リー：ラマンチャの男（ミュージカル）［プレミエ（17日）］　演出／O.タンボシアン・デア・ウィーン劇場★◎10月12（19：00）、14（19：00）、16（19：00）、19（19：00）、21（19：00）、23（19：00）日モンテヴェルディ：ポッペアの戴冠［プレミエ］指／J.C.スピノージ、演出／C.グート、出／C.デュモー、J.ラーモア、V.サバドゥス、演奏／アンサンブル・マテウス◎10月18（19：00）日　F.カヴァッリ：セルセ（演奏会形式）　指／E.アイム、出／U.グァリアルド、T.ミード、C.V.アッレマーノ、演奏／ル・コンセール・ダストレ◎10月20（19：30）日　E.アイム指揮ル・コンセール・ダストレ　モンスター・魔女と魔術師［ヘンデル、パーセル：オペラ・アリア集］　独／P.プティボンS、N.ディ・ピエッロBsウィーン・フィル［会場：無印＝ムジークフェライン（ウィーン）、（BP）＝ベラ・バルトーク・コンサートホール［芸術宮殿］（ブダペスト／ハンガリー）、（K）＝フィルハーモニー（ケルン）、（R）＝サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂（ローマ）］〔10月2日－17日：日本・韓国・台湾・シンガポール公演（省略）〕10月24（15：30）、25（11：00）、26（19：30）（BP）、28（20：00）（K）、29（20：30）（R）日H.ブロムシュテット指揮　ベートーヴェン：交響曲第8番、第7番ウィーン響［会場：（MV）＝ムジークフェライン（ウィーン）、（KH）＝コンツェルトハウス（ウィーン）］◎10月3（19：30）（MV）.4（11：00）（MV）日P.ジョルダン指揮　バルトーク：2つの肖像、ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第1番、バルトーク：管弦楽のための協奏曲　独／P.L.エマールp◎10月9（19：00）（KH）、10（19：30）（KH）日D.ジンマン指揮　シューマン：マンフレッド〜序曲（10日のみ）、メンデルスゾーン：交響曲第4番「イタリア」、ブラームス：ヴァイオリン協奏曲　独／J.ヤンセンvn◎10月14（19：30）（MV）、15（19：30）（MV）、16（19：30）（MV）日　V.フェドセーエフ指揮チャイコフスキー：ヴァイオリン協奏曲、交響曲第4番　独／A.シュタインバッハーvn10月20（19：30）（MV）、21（19：30）（MV）日M.ホーネック指揮　フランツ・シュミット：7つの封印の書　独／イム・スンヘS、B.フィンクA、M.ペーターT、C.エルスナーT、S.ミリングBs、F.ベッシュBs10月24（15：30）（KH）.25（19：30）（KH）日S.ヤング指揮　K.シュヴェルチク：シュルンプフ＝シンフォニー、リスト：さすらい人幻想曲（シューベルトによるピアノと管弦楽のための編曲版）、ダンテ交響曲　独／L.ロルティーp◎10月29（19：30）（KH）、30（19：30）（KH）日P.ジョルダン指揮　バルトーク：2つの肖像、ベートーヴェン：ピアノ協奏曲第4番、バルトーク：弦楽器・打楽器とチェレスタのための音楽独／P.L.エマールp【本文中の記号】★=プレミエ［新演出］公演、◎=注目公演　ベルリン・フィルの次期音楽監督にキリル・ペトレンコ決定との報が流れたとき、それ誰？という声が各所で聞かれたという。本欄ではここ2年ばかり「ペトレンコが凄い凄い」と書き立て続けたが、ヨーロッパで評価急上昇中の間違いなく「旬」の指揮者が日本では全く無名、という実態に憤りを感じ、思わずトーンが高くなってしまったのも事実だ。だが、これで文字通り注目指揮者としてのお墨付きを得たということになろうか。でも「そのペトンコってどこで何を指揮しているの？」という声にお答えして、まことに異例ながら、今月号では本文データの最後に、彼の2015/16シーズン終了（来年7月）までの公演予定を一覧として列挙した。特にバイエルン州立歌劇場で来年手がける「ばらの騎士」や「マイスタージンガー」、あるいは、いきなりウィーン・フィルの定期に登場して振るマーラーの「大地の歌」などは必聴中の必聴。来日予定も今のところないようなので、チャンスがあったら、ぜひ現地で彼の才人指揮者ぶりを目（と耳）にしていただきたい。　さて、10月になると2015/16シーズン最初のオペラ・プレミエも多くなる。まず、ベルリン州立歌劇場の「マイスタージンガー」。近年評判の女流演出家アンドレア・モーゼスを演出に起用し、ワルター役に人気テノールのフォークトを配するなど、いかにも人を呼べそうな公演だが、この公演の凄まじいところは、脇役の親方（マイスタージンガー）たちの配役。グラハム・クラーク、ジークフリート・イェルザレム、ライナー・ゴールドベルク、フランツ・マツーラ、オラフ・ベーアといったかつてのトップ歌手たちがずらりと顔を並べている。スカラ座の音楽監督を退任し、今後はベルリンに注力するというバレンボイムの面目躍如というか人脈フル回転の豪華出演陣だ。その他のプレミエでは、スピノジ指揮グート演出の「ポッペアの戴冠」（アン・デア・ウィーン劇場）、ベルリン・コーミッシェ・オーパーの「ホフマン物語」（コスキー演出）、フランクフルト歌劇場のグリンカ「イワン・スサーニン」（クップファー演出／レアものオペラ）、シュトゥットガルト歌劇場のベートーヴェン「フィデリオ」（カンブルラン指揮）、チューリッヒ歌劇場の「ノルマ」（バルトリ出演）、リヨン国立歌劇場で大野和士氏の振るベルリオーズ「ファウストの劫罰」などどれをとっても面白そう。レパートリー・オペラでは、やはり噂のキリル・ペトレンコ指揮によるバイエルン州立歌劇場の「ナクソス島のアリアドネ」やティーレマン指揮によるドレスデン・ゼンパー・オーパーの「アラベラ」といったR.シュトラウス作品が聴きもの。ちなみにペトレンコもティーレマンも自分の歌劇場のオーケストラで、前者はシベリウスの5番、後者は初演100周年を祝うR.シュトラウス「アルプス交響曲」といった興味深いオーケストラ・コンサートも行う。ハンブルク州立歌劇場の新シェフ、ケント・ナガノによる初プレミエ「トロイアの人々」やR.シュトラウス「エレクトラ」（藤村実穂子出演）、フランドル歌劇場で上演されるビエイト演出の「タンホイザー」も引き続きの注目公演。　オーケストラでは、アーノンクール＝ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのベートーヴェン8番・7番、ラトル＝ベルリン・フィルによる同じくベートーヴェン・ツィクルス、ハンブルク北ドイツ響とパリ管へのサロネンの客演公演、ミンコフスキがhr響に客演して演奏するワーグナー、インバル＝シュトゥットガルト放送響のブルックナーなど、多士多彩。残念ながら本文では触れられなかったが、オーストリアの音楽祭シューベルティアーデも内容極めて充実。（曽雌裕一・そしひろかず）（コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい）

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