eぶらあぼ 2015.8月号
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138 すでに大きな話題を呼んでいる黛敏郎の《金閣寺》の16年ぶりの再演については「70年代後半に黛さんがドイツから委嘱され、喜んで書いた作品。彼は原作の小説家である三島由紀夫さんとも親しい間柄だったので、日本を象徴するオペラを意欲的に作曲したのです。この《金閣寺》は20世紀後半に日本で作曲された“古典”といっていいかと思います」と述べた。 なお、今回から3ホールの演目を組み合わせて鑑賞できる、「プレミアム3公演セット券」「土曜午後3公演セット券」「室内楽3公演セット券」「オペラ&ミュージカル2公演セット券」の4種類のセット券も発売される。神奈川国際芸術フェスティバルhttp://www.kanagawa-arts.or.jp/festival■チャイコフスキー国際コンクールの 入賞者が決定 第15回チャイコフスキー国際コンクールがモスクワとサンクトペテルブルクで開催され、各部門の入賞者が決まった。 各部門の最高位は次の通り。[ピアノ部門]第1位 ドミトリー・マスレエフ(ロシア)[ヴァイオリン部門]第2位(1位なし) ユーチェン・ツェン(台湾)[チェロ部門]■ベルリン・フィル次期首席指揮者に キリル・ペトレンコ ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の次期首席指揮者および芸術監督が、キリル・ペトレンコに決まった。現首席指揮者のサイモン・ラトル退任後の、2018年秋に就任する。 キリル・ペトレンコは、ヴァイオリニストの父、音楽学者の母のもと、1972年ロシア・オムスクに生まれた。ピアノをオムスク音楽院で、指揮をフェルトキルヒの音楽大学とウィーン音楽大学で学ぶ。97年よりウィーン・フォルクスオーパーのアシスタント、リハーサル伴奏者を経て、99年から2002年までマイニンゲン歌劇場の音楽総監督を務め、01年の《ニーベルングの指環》では国際的な注目を受けた。02年から07年までベルリン・コーミッシェ・オーパーで音楽総監督を務めたほか、ウィーン国立歌劇場、バイロイト歌劇場など世界の主要劇場で指揮を務めた。現在、バイエルン州立歌劇場の音楽総監督。 就任について、ペトレンコは「このオーケストラにふさわしい指揮者になるために、全力を尽くしたいと思います」と語った。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団http://www.berliner-philharmoniker.de■第22回神奈川国際芸術フェスティバル 記者会見 10月17日から12月6日にかけて、神奈川県民ホール、KAAT神奈川芸術劇場、神奈川県立音楽堂の3つの会場で「神奈川国際芸術フェスティバル」が開催される。7月6日、記者会見が行われた。今回も、オペラ《金閣寺》や松山バレエ団『眠れる森の美女』、フラックス・カルテット、モディリアーニ弦楽四重奏団、ギドン・クレーメル&クレメラータ・バルティカ、さらにデボラ・コルカー・カンパニーの公演といったようにジャンルは多岐にわたる。 神奈川芸術文化財団 芸術総監督の一柳慧は会見の場で次のように語った。 「今年のテーマは『グローカル』(グローバルとローカルを合わせた造語)。神奈川の3つのホールそれぞれの特徴を活かし、まさに『グローカル』にふさわしく世界の様々な地域から演奏家を集め、新作や初演などを披露します」左より:一柳慧(神奈川芸術文化財団 芸術総監督)、鴻池朋子(美術作家)、森下洋子(松山バレエ団団長)、田尾下哲(演出家) Photo:T.Shiroma/Tokyo MDEアリウンバートル・ガンバートルPhoto:Tchaikovsky Competitionドミトリー・マスレエフPhoto:Tchaikovsky Competition©Wilfried Hösl
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