eぶらあぼ 2015.7月号
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64スーパー・ソリスト meets 新日本フィル アンサンブル・ウィーン=ベルリン & 新日本フィル最高に豪華なモーツァルトの管楽協奏曲の夕べ文:オヤマダアツシ第45回 サントリー音楽賞 受賞記念コンサート 鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパン265回目のバッハの命日に「ロ短調ミサ」を捧ぐ文:笹田和人7/13(月)19:00 すみだトリフォニーホール問 トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212 https://www.triphony.com7/28(火)19:00 サントリーホール問 サントリーホールチケットセンター0570-55-0017 http://www.suntory.co.jp/sfa/music アンサンブル・ウィーン=ベルリンといえば、その名の通りウィーン・フィルおよびウィーン交響楽団、そしてベルリン・フィルの首席奏者たちから成るスーパー木管クインテット。1983年に結成されて多くのコンサートや録音を行ってきたが、近年はアンドレアス・オッテンザマーをはじめとする若い世代のメンバー加入によって、顔ぶれがフレッシュになった。しかし言うまでもなく、演奏のクオリティは変わらない。今回の来日ツアーでは各所でその演奏を聴かせてくれるが、中でも特別なのは東京・すみだトリフォニーホールにおけるオール・ 「自分たちが理想とするバッハの調べを」と、1990年に鍵盤楽器奏者で指揮者、研究者でもある鈴木雅明によって神戸で創設され、今や世界中から熱い視線を注がれているバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)。2013年2月にはバッハの「教会カンタータ」の全曲演奏と録音を完遂、音楽監督の鈴木と共に第45回サントリー音楽賞を受賞した。その受賞記念コンサートには、名演を紡いできた名手たちが集結。バッハが自らの集大成に位置付けたとされる傑作「ロ短調ミサ」を披露する。 サントリー芸術財団が1969年の創立以来、わが国での洋楽の振興を目的として、毎年、その発展に功績のあった個人や団体に贈呈している同音楽賞。スウェーデンBISレーベルへのカンタータ録音や海外ツアーを重ねているBCJの贈賞理由には、「バロック演奏の分野で新たな水準を獲得、作品内容をテクスト・音楽ともに深く掘り下げたモーツァルトのコンチェルト・ナイトだ。 カール=ハインツ・シュッツ(フルート)、クレメンス・ホラーク(オーボエ)、アンドレアス・オッテンザマー(クラリネット)、リヒャルト・ガラー(ファゴット)、そしてシュテファン・ドール(ホルン)の各奏者が入れ替わり立ち替わりステージに登場し、次々に協奏曲を演奏するのである。5人揃ってのアンサンブルではないが、むしろこういったプログラムのコンサート自体が珍しいし、演奏で、国際的に高い評価を得た」ことが挙げられた。 今回は、ハンナ・モリソンとレイチェル・ニコルズ(ソプラノ)、ロビン・ブレイズ(カウンターテナー)、櫻田亮(テノール)、ドミニク・ヴェルナー(バス)というソリスト陣をはじめ、声楽・器楽ともに名手が顔を揃え、「ロ短調ミサ」に魂をモーツァルトの協奏曲をこれだけ一晩で(しかも名手の演奏で)聴けるということも特別なことだろう。しかも共演の新日本フィルを指揮するのが、かつてのメンバーでありOBのハンスイェルク・シェレンベルガーとくれば、さらにスペシャル感が増す。同じ釜の飯を食った仲…ではないが、同じ音楽語法を共有する演奏家たちだからこそ到達できる、個性豊かなモーツァルトの音楽を十分にご堪能あれ。込める。「戦後70年、阪神・淡路大震災から20年の今年。私たちBCJも創設25周年、カンタータの録音開始からも20年を迎える。この記念すべき年に、これ以上ふさわしい作品はない」と鈴木。「265回目のバッハの命日に演奏できるのもまた、人知を超えた出来事という他はない」と語る。左より:カール=ハインツ・シュッツ/クレメンス・ホラーク/アンドレアス・オッテンザマー ©Anatol Kotte Mercury Classics DG/リヒャルト・ガラー/シュテファン・ドールハンスイェルク・シェレンベルガー ©K.Miuraバッハ・コレギウム・ジャパン ©Marco Borggreve鈴木雅明 ©Marco Borggreve

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