eぶらあぼ 2015.7月号
61/213

588/12(水)19:00 電気文化会館 ザ・コンサートホール問 ドイツカンマーゾリステン090-8301-5204http://dsolisten.exblog.jp第8回 ドイツカンマーゾリステン室内楽コンサート 2015世紀末の光と影 幻想の迷宮へ19世紀末の“時代の匂い”を感じる文:笹田和人ボリス・クスネゾフ笠井友紀ダミアン・ヴェントゥーラ ドイツカンマーゾリステン講習会は、ドイツでソリストや室内楽奏者、オーケストラの首席として活躍する名手たちが講師を務め、実際に共演を重ねる中で音楽創りが学べるユニークな教育プログラム。8月に開催される『ドイツカンマーゾリステン室内楽コンサート』は、いわば「講師たちによるファイナルコンサート」で、毎年期待を寄せるファンも数多い。 ここで取り上げる作品は、ピアノ(ボリス・クスネゾフ)に加えて、ヴァイオリン(笠井友紀、佐野槇子)、ヴィオラ(吉田馨)、チェロ(ダミアン・ヴェントゥーラ)、コントラバス(飛田勇治)が編成に含まれるものをセレクト。「様々な音色の組み合わせを、楽しんでいただけるはず」と吉田は言う。今回は「世紀末の光と影」をテーマに、ドヴォルザーク「弦楽三重奏のためのミニアチュール」とR.シュトラウス「チェロとピアノのためのソナタ」、ワインガルトナーの「ピアノ六重奏曲」を披露。19世紀末を中心に作曲された個性的な3曲から、独特の“時代の匂い”を嗅ぎ取る。7/7(火)19:00 五反田文化センター音楽ホール問 スーパー・ブレーン03-5452-4401ピアノデュオ Raula(ラウラ)オーケストラの名曲をピアノデュオで文:飯田有抄 七夕の夜、華やかなオペラや交響曲の傑作が、実力派ピアノデュオの演奏で披露される。持田正樹と日南由紀子によるピアノデュオ「Raula(ラウラ)」のデビュー公演だ。デビューとはいっても、2人はすでにリスト音楽院留学中に結成したデュオ「GENSOJIN(ゲンソウジン)」として、1999年から活発に演奏を続けてきた。2005年にはイタリアの国際音楽コンクール「イブラ・グランド・プライズ」のデュオ部門で最高位を獲得。これまでに数多くのコンサートをこなし、それぞれソリスト・指導者としても多忙だ。 そんな2人が7月7日からRaulaと改名し、新たなスタートを切る。「天国と地獄」「剣の舞」「カルメン」といったオペラやバレエの名曲、マーラーの交響曲第5番「アダージェット」やショスタコーヴィチ交響曲第10番第2楽章といったオーケストラ曲が、ピアノ1台で華麗に演奏される。ショパンやリストの独奏曲も予定されており、聴き応え満点の一夜になりそうだ。7/21(火)19:00 ヤマハホール問 ヤマハミュージックジャパン アトリエ東京  03-3574-0619 http://www.yamaha.co.jp/yamahaginza/hallアレキサンダーホルンアンサンブルジャパン 第8回定期演奏会10人の名手たちで聴く名器の素晴らしさ文:寺西 肇 プレイヤーの間では“アレキ”と特別に敬意を込めて呼ばれている、ドイツ・アレキサンダー社製のホルン。1782年の創業以来、音楽史に残る名器を生み出し続けてきたが、中でも1909年に開発された、ロータリーバルブを備えるフルダブルの「モデル103」は、今日に至るまで、ホルンの最高峰として君臨し続けている。読響(久永重明、伴野涼介、日橋辰朗)や都響(有馬純晴、野見山和子)、新日本フィル(金子典樹、藤田麻理絵)、東響(上間善之)、シエナ・ウィンド・オーケストラ(上里友二)と在京の一線楽団の名手たちが、名器「103」でその魅力を存分に発揮するのが「アレキサンダーホルンアンサンブルジャパン」。5年ぶり8回目の定期演奏会では、俊英・鈴木優(芸大フィル)が加わっての10人体制で臨み、ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》からの荘厳な調べから、ターナー、リディル、スミスらのオリジナル作品、さらに小林健太郎への委嘱作まで、多彩に披露する。ホルンの底力を思い知る、一夜となろう。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です