eぶらあぼ 2015.7月号
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57東京フィルハーモニー交響楽団 第96回 東京オペラシティ定期シリーズ9/11(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール問 東京フィルチケットサービス03-5353-9522フレッシュ名曲コンサート 円光寺雅彦(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団9/27(日)15:00 調布市グリーンホール問 調布市グリーンホールチケットサービス042-481-7222CD『リスト』日本コロムビアCOGQ-78(SACDハイブリット盤) ¥3000+税7/22(水)発売反田恭平(ピアノ)圧倒的なリスト演奏を聴かせる驚異の新鋭登場!取材・文:飯田有抄Interview リストの音楽が放つ強烈な志向性を、圧倒的な構築力と詩情をもって表出するピアニストが現れた。反田恭平、20歳。7月22日、日本コロムビアからリリース予定のデビュー・アルバム『リスト』は、リスト後期の「水の上を歩くパオラの聖フランチェスコ」を軸に編まれた作品集。音楽が血潮を吹きあげているかのような、鮮やかで熱気溢れる演奏に驚かされる。 「リストは特に好きな作曲家。弾き始めると曲に集中しすぎて、気が付くと演奏が終わっています」そう語る反田は、2012年の日本音楽コンクールの覇者。 「コンクールで優勝すること。それは14歳から始まった挑戦です。僕の育った家庭では、父親が音楽への道に進むことに大反対でした。ピアノを弾くと大音量でテレビをつけるような父なので、よく喧嘩もしましたね。そんな父が『コンクール優勝』を条件に音楽高校の学費を出すと言ってくれたのです。半年間で受けられるコンクールを片っ端から受け、いずれも最高位と優勝を勝ち取りました」 自ら進路を切り開いて入学した桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)3年時に、上述のとおり日本音コンでも1位に輝いた。高校生での優勝は同コンクール11年ぶりの快挙。翌年、優勝者を対象に行われたマスタークラスで、M.ヴォスクレセンスキーと出会う。 「4時間の公開レッスン終了後、すぐに先生が楽屋に来てくださり、『モスクワ音楽院で勉強しないか』と声を掛けてくださいました。桐朋に特待生で入学していましたが、留学を即決しました」 ヴォスクレセンスキーはリストの系譜に連なるピアニストだ。 「この流派はフォルムを大事にしています。楽曲の形式を徹底的におさえつつも、にじみ出るものこそが奏者の持つ才能だ、という考え方です。先生は『大事なのは弾き方、歌い方、そして見せ方・魅せ方だ』と。リスト自身も、どうしたら聴衆を魅了できるかをよく知っていた天才的な音楽家だったと思います」 しなやかに揺れる反田の漆黒の長髪は、リストへの“敬愛の証”だという。 録音で使用したのは、1912年製のニューヨーク・スタインウェイCD75。 「コントロールは難しいですが、弾くたびに新しい発見を与えてくれます。タッチの繊細な変化にも応えてくれるので、音色のヴァリエーションが広がりました」 この5月にイタリアで行われたチッタ・ディ・カントゥ国際ピアノ協奏曲コンクールでは、古典派部門で優勝に輝いた。9月にはバッティストーニ指揮、東京フィルとラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」を、そして円光寺雅彦指揮、新日本フィルとチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を披露する。勢いに乗る反田の活躍に注目だ。7/25(土)15:00 東京芸術大学 奏楽堂問 東京芸術大学演奏芸術センター050-5525-2300 http://www.geidai.ac.jpジャズ in 芸大 2015真夏は芸大でジャズ三昧!文:藤本史昭MALTA 今や夏の上野の風物詩となった感のある『ジャズ in 芸大』が、今年も東京芸術大学奏楽堂で開催される。芸大OBにして世界的サックス奏者、そして現在は同校で客員教授を務めるMALTAをプロデューサーに迎えたこのコンサート、今回は「ジャズとロックとフュージョンと」というテーマで、〈フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン〉〈サマータイム〉などのスタンダードからMALTAの大ヒット・ナンバー〈ハイ・プレッシャー〉までバラエティに富んだ曲が演奏される予定になっており、ジャズ・ファンでなくても十分楽しめること請け合い。現代ジャズ・シーンのニュー・ディーヴァとして注目を集めるギラ・ジルカをはじめ音楽シーンで活躍する実力派が、MALTAの号令一下、さてどんなパフォーマンスをきかせてくれるのか。またこのコンサートには、東京芸術大学ビックバンド「Manto Vivo」も出演する予定。磨き抜かれた、それでいて学生ならではの若さにあふれたアンサンブルを存分に楽しみたい。ギラ・ジルカ

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