eぶらあぼ 2015.7月号
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56した特別バージョンで上演。美しいダンス(スターダンサーズ・バレエ団)と旋律が一体となって、色彩豊かなファンタジーの世界が展開される。そして、第3部はステージと客席が一体となって盛り上がる、恒例の「みんなでうたおう」のコーナー。『となりのトトロ』から〈さんぽ〉、『妖怪ウォッチ』から〈ようかい体操第1〉など人気のアニメ・ソングをはじめ、盛り沢山で楽しめる。今年の夏休みにしか体験できない、一期一会の特別なステージ。きっと、忘れられない思い出となるはずだ。東京フィルハーモニー交響楽団 ハートフル コンサート 2015名曲とともに平和の尊さをかみしめる文:飯尾洋一第41回 日本フィル 夏休みコンサート 2015ドキドキとワクワクの体験をプレゼント文:笹田和人8/15(土)18:30 東京芸術劇場 コンサートホール問 東京フィルチケットサービス03-5353-9522 http://www.tpo.or.jp7/18(土)~8/2(日) 東京・神奈川・埼玉・千葉の8会場で開催問 日本フィル・サービスセンター03-5378-5911  ※各公演の詳細は右記ウェブサイトでご確認ください。 http://www.japanphil.or.jp 毎年8月15日の終戦記念日に、東京フィルはユニセフ親善大使である黒柳徹子のトークを交えた『ハートフル コンサート』を開催している。戦争の犠牲者たちへ祈りをささげるとともに、黒柳徹子がユニセフ親善大使として各地を巡った際の近況が報告され、子どもたちが健やかに日々を過ごせることの大切さを改めて実感できる特別なコンサートとなっている。 プログラムは親しみやすい曲目が中心で、ファミリーでも楽しめる。スッぺの喜歌劇《軽騎兵》序曲で軽快に幕を開け、ボロディンの歌劇《イーゴリ公》より「だったん人の踊り」、佐藤眞のカンタータ「土の歌」より「大地讃頌」、ベルリオーズの「ラコッツィ行進曲」が続き、シベリウスの交響詩「フィンランディア」で壮大に締めくくられる。今年は一段と華々しい曲目が並んだ感があ 「クラシック音楽をまだ体験したことのない子供たちが、家族と一緒に、生のオーケストラを楽しんでくれれば」との願いから、日本フィルハーモニー交響楽団が毎年続けている「夏休みコンサート」。41回目となる今回は11公演が行われ、本格的なフル・オーケストラのサウンドはもちろん、バレエやアニメ・ソングなど多彩なプログラムを満載したステージで、子供たちにドキドキとワクワクの体験をプレゼントしてくれる。 園田隆一郎(7/18~7/26)と三ツ橋敬子(7/30~8/2)、気鋭の若手指揮者がタクトを振るステージは3部構成で、江原陽子がナビゲートと歌を担当する。第1部は、ベートーヴェン「運命」の抜粋で幕開け。ビゼー《カルメン》から「闘牛士の行進」、ホルスト「惑星」から「ジュピター」、ブラームス「ハンガリー舞曲第5番」など耳なじみある旋律で、オーケストラの迫力あるサウンドを堪能する。 第2部では、チャイコフスキー作曲のバレエ『くるみ割り人形』を、このコンサートのために鈴木稔が再構成・振付る。指揮を務めるのはベテラン、尾高忠明。それぞれの名曲の魅力を雄弁に伝えてくれるにちがいない。 音楽に加えてこのコンサートの魅力となっているのは黒柳徹子の司会ぶり。型にはまらない率直な語り口に、温かい人柄がにじみ出る。さりげない指揮者とのやりとりも楽しい。8月15日に思いを馳せながらも、音楽の愉悦に存分に浸ることができるだろう。黒柳徹子尾高忠明 ©Martin Richardsonスターダンサーズ・バレエ団三ツ橋敬子 ©Walter Garosi園田隆一郎

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