eぶらあぼ 2015.7月号
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547/7(火)19:00 王子ホール問 王子ホールチケットセンター03-3567-9990 http://www.ojihall.jp文:飯田有抄©Uwe Arens 王子ホールが若き才能を紹介するシリーズ『transit』。第5弾はハンブルクの新星アレクサンダー・クリッヒェルが登場する。知的かつ人間味に富んだ音楽性を持ち、すっきりとした歯切れの良いタッチを自在に操る26歳。なんと数学者としての顔も持つ。22歳でソニー・クラシカルと専属契約を結び、最新アルバムではメンデルスゾーンの「無言歌」やリスト編曲のシューベルト歌曲などを選曲した。 そんな“歌うピアノ”を得意とするクリッヒェルが、『transit』ではシューベルト=リストの「セレナード」と「魔王」を聴かせる。また彼は、「ショパンは私にとってロマン派のモーツァルト」という独特の見解を持つ。ショパン17歳の意欲作「モーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》の〈お手をどうぞ〉による変奏曲」をプログラムに組み込んだ。後半は「人が表現でき得る感情全ての描写」と語るラフマニノフの「楽興の時」(全6曲)。スマートな響きに酔いしれたい。7/26(日)13:00 東京文化会館問 東京文化会館チケットサービス  03-5685-0650http://www.t-bunka.jp東京文化会館 夏休み子供音楽会 2015上野の森で音楽とアートに触れよう文:渡辺謙太郎ロッセン・ゲルゴフ ©Armin Bardel 今やすっかり夏の風物詩となった東京文化会館の『夏休み子供音楽会』。毎年オーケストラをメインにクラシック音楽の面白さをわかりやすく伝えるプログラムが好評だ。今年の指揮は、1981年ブルガリア生まれのロッセン・ゲルゴフ。コンサートとオペラの両面で才能を発揮し、レパートリーも古典から現代までカバーする俊才。そんな彼が都響と共に披露するのは、グリンカ《ルスランとリュドミラ》序曲や、ストラヴィンスキー「火の鳥」組曲といった色彩とリズムの豊かな名曲。また、映画音楽の人気ナンバー、J.ウィリアムズ『ハリー・ポッター』組曲より「ヘドウィグの飛行」を組み込むなど、親子で楽しめる選曲になっているのも嬉しい。そして今年も、本公演のチケットには「上野1dayパス」が付いていて、近隣の上野動物園、美術館、博物館などを巡る“上野の森文化探検”が可能。また、公演当日に配布するパンフレットを持参すると、上野のれん会に加盟している飲食店15店舗でドリンクサービスなどが受けられるので、“食”文化体験も満喫できる。王子ホール transit Vol.5 アレクサンダー・クリッヒェル(ピアノ)“歌うピアノ”で聴きてを魅了7/25(土)14:00 神奈川県民ホール(小)問 チケットかながわ0570-015-415http://www.kanagawa-kenminhall.com神奈川県民ホール ワンコイン・コンサート~岩見玲奈と仲間たちによる~ ミラクル サマー マリンバ情熱的な音楽で彩られた1時間文:長井進之介岩見玲奈 神奈川県民ホールの人気シリーズ『ワンコイン・コンサート』。7月には、マリンバの岩見玲奈と2人の奏者よる「ミラクル サマー マリンバ」と題したコンサートが開催される。岩見は東京音大大学院を特待生として修了し、様々な国際コンクールで上位入賞。国内外のオーケストラとの共演やソロリサイタルなどで精力的に活躍している。共演は大場章裕(打楽器)と田村拓也(打楽器・ピアノ)。それぞれ国内外のコンクールでの上位入賞や自作自演、有名バンドのサポートメンバーを務めるなど幅広く活躍中だ。「チャールダーシュ」や「くまんばちの飛行」などのお馴染みの作品から、シュミットやノヴォトニーといった現代作曲家の作品が並ぶプログラムでは、マリンバをはじめ、アフリカの太鼓であるジャンベ、ドラムセットなども使用。様々な打楽器の音色に触れるチャンスであり、聴衆も参加し(スプーンを2本持参とのこと!)、サンバを全員で演奏するアツい試みも行われる。情熱的な音楽で彩られた1時間を過ごし、今年の夏を更に盛り上げよう。大場章裕田村拓也

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