eぶらあぼ 2015.7月号
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48マリオ・デル・モナコ&レナータ・テバルディ 記念ガラ・コンサート2大オペラ歌手へのオマージュ文:東端哲也大井剛史(指揮) 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団新世代の名手たちの共演文:オヤマダアツシ7/19(日)19:00 杉並公会堂問 杉並リリカ 酒井080-3595-0408第42回 ティアラこうとう定期演奏会7/18(土)14:00 ティアラこうとう問 東京シティ・フィルチケットサービス03-5624-4002 http://www.cityphil.jp テノールのマリオ・デル・モナコとソプラノのレナータ・テバルディといえば、言わずと知れた往年のイタリア・オペラ黄金時代を象徴する存在。1961年にNHKが招聘した(第3次)イタリア歌劇団の《アンドレア・シェニエ》公演での共演は“伝説”として語り継がれ、名門DECCAレーベルにこの黄金コンビによって残された数々のオペラ全曲録音は今なお名盤として色褪せない魅力を放ち続けている。 デル・モナコの生誕100周年にあたる今年(テバルディは昨年、没後10周年)、この偉大なる先達へのオマージュとして、国内外で活躍中の日本のオペラ界 約1,230席という空間の中でオーケストラの音がダイレクトに、そしてパワフルに体感できる、東京シティ・フィルの「ティアラこうとう定期演奏会」。初台の東京オペラシティにおける定期演奏会とは別の魅力を持つ年4回のシリーズだが、7月18日に行われる第42回は指揮者もソリストも新鮮な顔ぶれだ。 指揮台に立つのは、近年特に知名度や評価が上がっている大井剛史。現在、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉(常任指揮者)、山形交響楽団(正指揮者)、東京佼成ウインドオーケストラ(正指揮者)というポストに就き、コンサートだけではなくバレエやオペラ公演の指揮でも注目を集めている指揮者だ。コンサートのメインはブラームスの交響曲第1番だけに、ドイツ音楽との相性やオーケストラ操縦術など、この指揮者を知るには最適。気になる指揮者だったから聴いてみようか、という方には特にお薦めだ。 ソリストとして登場し、プロコフィエを担う名歌手たちが、二人に縁のあるレパートリーを中心に歌声を披露するガラ・コンサートが開催される。主催は昨年10月に設立された「杉並リリカ」。主な出演者には、今年4月に行われた南イタリアの音楽祭で《蝶々夫人》(※テバルディの当たり役)のタイトルロールを演じた小林厚子と野田ヒロ子を始め、12月に藤原歌劇団の《仮面舞踏会》公演にアメーリア役(※同)で出演予定の山口安紀子、二期会で活躍する大隈智フのピアノ協奏曲第3番を弾くのは、高校生ながらすでに国内外のコンクールで好成績を残し、存在感をアピールしている山﨑亮汰。2014年にはピティナ主催のピアノコンペティションで特級グランプリを獲得し、今年はラ・フォ佳子ら実力派がずらり。男性陣にも強靱で劇的な表現力に富んだデル・モナコのテノール魂を継ぐ笛田博昭や、「杉並リリカ」代表で、テノール評伝記『失われた声を求めて』(DU BOOKS刊)の著者でもある酒井章(フランコ酒井)のお墨付きを得た及川尚志らが結集。ピアノは、歌手との共演を得意とする藤原藍子が務める。初心者も大歓迎なリーズナブルな価格設定で、極上の声の芸術にふれる絶好の機会だ。ル・ジュルネ(東京)における丸の内エリア・コンサートにも登場して人気を集めたという逸材だ。これから先の成長が楽しみなアーティストに出会えるコンサートだが、求めやすいチケット代の設定(S席3,700円)もポイント!笛田博昭 Photo:Taikan Usui山﨑亮汰大井剛史 ©K.Miura及川尚志山口安紀子野田ヒロ子小林厚子大隅智佳子

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