eぶらあぼ 2015.7月号
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256バレエ・アステラス☆2015 ~海外で活躍する日本人バレエダンサーを迎えて~“バレエ大国”の実力をアピール!文:上野房子『TOP HAT』往年の大ヒットミュージカル映画が舞台に!文:小野寺悦子9/30(水)~10/12(月・祝) 東急シアターオーブ10/16(金)~10/25(日) 梅田芸術劇場問 梅田芸術劇場0570-077-039(東京) 06-6377-3800(大阪)http://www.umegei.com/tophat_musical しばしばマスメディアでも大きく報道される通り、昨今の日本バレエ界は、由緒ある国際コンクールの上位入賞者を輩出している。国外のバレエ団に入団する逸材も少なくない。バレエファンにとっては、 国際コンクールの入賞者を観ようにも、なかなか機会が訪れないのは、もどかしいところ。 そのギャップを埋めてくれるのが、新国立劇場の先導で始動した『バレエ・アステラス』。自薦・他薦で募った候補者のなかから、牧阿佐美・新国立劇場バレエ研修所長ら選考委員が選出したダンサーが一堂に会す。在外カンパニーが夏期休暇に入る時期に、副題にある通り、〈海外で活躍する日本人バレエダンサーを迎えて〉行なう恒例の公演である。 今回、参加する在外日本人は、7人。河野舞衣は、ローザンヌ国際バレエコンクールの入賞者で、現在はミュンヘン・バレエ団ソリスト。フォガティみこは、 フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャースが主演し、ハリウッド黄金期に大ヒットを博したミュージカル映画の金字塔『TOP HAT』。2011年にイギリスで舞台化されるやいなや、たちまち評判を呼び、13年、「英国ローレンス・オリヴィエ賞」最優秀新作ミュージカル賞、最優秀振付賞、最優秀衣裳デザイン賞の3部門で見事栄誉に輝いた。 見どころは何といっても、物語の随所に散りばめられた小粋かつ躍動感溢れるダンスシーン。主人公たちのロマンティックなデュエットダンスに、燕尾服とシルク・ハット(トップ・ハット)でキメた男性陣のスタイリッシュなタップダンスと、世界中の目を釘付けにした名シーンが迫力一杯に繰り広げられてゆく。 さらに本作を語る上で欠かせないのが、20世紀アメリカ音楽界を代表する巨匠のひとり、アーヴィング・バーリンによる美しい楽曲の数々だ。舞台版では、「頬よせて(Cheek to Cheek)」「Isn’t ドキュメンタリー映画『ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!』で強烈な印象を残した後、モスクワ国際バレエ・コンクール金賞など数多の賞に輝いた若手で、8月にバーミンガム・ロイヤル・バレエ団への入団を予定している。 もっとも国内勢のプロフィールも、負けず劣らずグローバルだ。海外の著名スクール出身者あり、コンクール受賞者あり。加えて彼らのレパートリーも、古典に加えて、バランシンからフォーThis A Lovely Day」といったラブソングの名曲や、「Top Hat, White Tie and Tails」など映画版でお馴染みの楽曲はもちろん、「Let’s Face the Music and Dance」や「Puttin’ on the Ritz」をはじめバーリンが生涯に手掛けた1200以上ものヒット曲の中から10数曲を厳選して導入。生オーケストラで演奏されるゴージャスな音楽に、200着以上を数えるエレガントな舞台衣裳、そして心躍るダンスシーン…。伝説の名画が、より一段と華やぎを増しステージに蘇る。サイスまで実に多彩。 一期一会の饗宴で、各ダンサーのグローバルな経験が舞台にどう反映されるのか、しかと見守りたい。『バレエ・アステラス☆2014』より ©瀬戸秀美Photo:Max Lacome-Shaw(2点とも)7/19(日)15:00 新国立劇場 オペラパレス問 新国立劇場ボックスオフィス03-5352-9999 http://www.nntt.jac.go.jp/ballet

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