eぶらあぼ 2015.7月号
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254熊川哲也オーチャードホール芸術監督 presents 『オーチャード・バレエ・ガラ~JAPANESE DANCERS~』世界で活躍する日本人ダンサーたちが集結文:守山実花レナード衛藤『真夏の夜のブレンドラムス』様々なコラボレーションで独自の世界を創出文:乗越たかお8/1(土)13:00、8/2(日)13:00 Bunkamuraオーチャードホール問 Bunkamuraチケットセンター03-3477-9999 http://www.bunkamura.co.jp8/4(火)19:00 渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール問 渋谷区文化総合センター大和田03-3464-3252 http://www.shibu-cul.jp 毎年バレエ公演が集中するのが日本の夏。特に今年は、さまざまな切り口で企画されたガラ公演が目立つ。その中でも、昨今のバレエ界の状況を反映しているといえるのが、海外の主要カンパニーで活躍する実力派の日本人ダンサーが集結する、この公演ではないだろうか。 バレエが日本に入って100年余り、今や世界の様々なカンパニーに日本人ダンサーが所属し、プリンシパル、ソリストなどカンパニーの主要ダンサーとして活躍する者も少なくない。個性を生かしながら、さらに成長していくことができるカンパニーで踊り、その国や都市の歴史・文化を肌で感じながら、自身を磨き続けている彼らだが、残念なことに日本で踊る機会には恵まれていない。今回のガラ公演は、彼らが日本で舞台に立つ貴重なチャンスとなる。 総合監修は、オーチャードホール芸術監督の熊川哲也。英国ロイヤル・バレ パーカッションは人間の根源的な部分に訴えかけてくる。なかでも和太鼓はその強さ、多彩さ、そして演奏する姿の美しさで、世界的にも人気が高い。ニューヨーク生まれのレナード衛藤は和太鼓集団「鼓童」で活躍後、独立して活動を続け、50を超える国々で演奏を重ねてきた。ボブ・ディランやボン・ジョヴィといったミュージシャンはもちろん、フランスのマルセイユ国立バレエ団やクラシック・バレエの名花ニーナ・アナニアシヴィリなど、ダンサーとの共演も多い。 衛藤は、強さだけではなく、豊かに変幻するスタイルが人気だ。近年は打楽器を中心に据えつつ、さらに様々なアーティストとコラボレートする「ブレンドラムス」で、独自の演奏世界を創り出しているのだ。 今回の『真夏の夜のブレンドラムス』では、ひときわ魅力的な面々が揃った。まずは、フランスのマルセイユ国立エ団で活躍しながら、日本でのステージを大切にしてきた熊川は、故国の舞台に立つ経験が、才能あふれる若き俊英たちをどれほど鼓舞し、成長させるかを身をもって知っているのだ。 注目されるのは、その演目だ。ロイヤル・バレエ、ウィーン国立バレエ、ボストン・バレエ…、各カンパニーの特徴あるレパートリーはもちろん、日本人のみによる上演は世界初となるフォーサイス振付『精密の不安定なスリル』など、カンパニーを超えた共演も企画されている。バレエ団のソリスト及び振付家としても活躍しているベテラン・ダンサー遠藤康行。クラシックからコンテンポラリーまで表現の幅は広い。さらにもう一人、タップダンスからは、日本が誇るHIDEBOHのリズムタップを身に付けた浦上雄次が参加。強さと繊細さの 観客にとっても、そしてダンサーにとっても、日本のバレエが新たな局面に向かっていることを実感するガラ公演になるのではないだろうか。タップが魅力である。そして鬼才ギタリストの鬼怒無月は、ロックから民族音楽までこなす実力の持ち主だ。 本作は、日本の伝統芸能を中心にした多彩な文化が集められる「大和田夏祭り」の一環。じつにアツい一夜になりそうである。Head shot by Daisuke Hayata浦上雄次レナード衛藤 遠藤康行
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